アパート経営、初心者が注意したいリスクは?3つの事例と対策を解説

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不動産投資の運用対象としてアパート経営を検討している方も多いのではないでしょうか。

アパート経営では、対象物件の購入は一棟まるごとになるため、複数戸のまとまった家賃収入を期待できる一方、共用部の設備面はマンションより劣り、木造や軽量鉄骨造であることから法定耐用年数が短いなどが注意点やリスクになる面もあります。

この記事では、アパート経営を検討している方のために、アパート経営の特徴、初心者が注意したいリスク、アパート経営でよくある失敗事例とその対策方法について詳しくご紹介するので、ご参考ください。

目次

  1. アパート経営の特徴
    1-1.利回りがマンションと比較して高め
    1-2.設備面はマンションに劣る
    1-3.1棟投資のため投資額が大きくなる
    1-4.法定耐用年数が短い
  2. アパート経営で初心者が注意したいリスク
    2-1.修繕リスク
    2-2.立地による賃貸ニーズの減少リスク
    2-3.防犯対策不足によるトラブルのリスク
  3. アパート経営のよくある3つの失敗事例
    3-1.高利回りに惹かれて購入するものの、入居付けが難しいケース
    3-2.多大な修繕費がかかるケース
    3-3.大学や企業の移転により、集客が急に難しくなるケース
  4. まとめ

1.アパート経営の特徴

マンションとアパートの明確な定義は決まっていませんが、アパートの建物は木造物件が中心で高さは建物が3階建て以下です。一方、マンションは3階以上で重量鉄骨造もしくは鉄筋コンクリート造で建てられた耐火性のある集合住宅を指していることが多くなります。

ここではマンションと比較した時のアパート投資の特徴について詳しく解説していきます。

1-1.利回りがマンションと比較して高め

アパートは木造や軽量鉄骨造で建てられており、坪単価もマンションと比べて安めとなります。土地の条件が同じでも建物の建築費用は、RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションと比べて1.5~2倍ほど安くなります。

不動産投資における表面利回りは家賃収入と物件の取得価格の割合で表されます。アパートは建築費用が安く、取得費用を抑えられることから、利回りを高く設定しやすい特徴があります。

1-2.設備面はマンションに劣る

アパートはマンションよりも安く物件を建てられますが、設備面や機能面で見ればマンションより劣ります。例えば、火災が起きた時の耐火性は、木造物件よりも鉄筋コンクリート物件のほうが優れています。

また、木造物件の場合、躯体にコンクリートを用いていないので、RC造物件より耐震性、断熱性や防音性も劣ります。アパートは2階建ての建物が多いので、エレベーター等が設置されていません。

1-3.1棟投資のため投資額が大きくなる

区分マンションであれば一部屋ずつ購入できますが、アパートの場合は一棟ごとの購入になります。アパート経営では複数戸の部屋を同時に運用できるため、多くの家賃収入を得られ、空室が出た際にも他の部屋の家賃収入でカバーできるメリットがあります。

一方、1戸ずつ所有できる区分マンションと比較して、物件あたりの最低投資額は高くなり、不動産投資を始めるハードルは高めと言えます。投資額が増額することでリスクも高くなる点には注意が必要です。

1-4.法定耐用年数が短い

住宅用の木造物件の法定耐用年数は22年と定められています。法定耐用年数が短いことには、メリット・デメリットの両面があります。

建物の減価償却費は、物件取得価格を法定耐用年数で割った数字です。例えば、建物価格4,400万円でアパートを取得した場合、法定耐用年数22年で割った数字を毎年経費にできます。そのため、4,400÷22=200万円を減価償却費として計上できます。

一方、アパートの法定耐用年数が短いことのデメリットとしては、築年数が経過するごとに金融機関の融資審査に通りづらくなることが挙げられます。

金融機関によっては建物の法定耐用年数内でしか融資年数を設定しないケースがあります。アパートの売却を検討したタイミングで法定耐用年数が残り少ないと、融資が伸びずに売却に苦戦してしまう可能性があります。

2.アパート経営で初心者が注意したいリスク

アパート経営で不動産投資の初心者が注意したいポイントを確認してみましょう。

2-1.修繕リスク

アパートは木造物件なので、鉄筋コンクリート造物件よりも建物の躯体が劣化しやすい点に注意が必要です。特に築古アパートの場合、外壁塗装や防水加工など様々な修繕をしなければならないリスクを抱えていることがあります。

また、価格の安い中古アパートなどは、瑕疵付きの物件であるリスクも高くなります。中古アパートの購入を検討する際は、購入前にしっかりと現地確認をしたり、契約不適合責任の内容を確認することが大切です。

2-2.立地による賃貸ニーズの減少リスク

アパートは木造物件中心であるため、駅付近などの立地が良い防火地域に建てることはできません。そのため、駅からやや離れた場所となり入居需要に影響してくる可能性があります。

駅から10分ほど離れても人口が多い地域の場合、大きな問題にならないですが、駅から10分離れると地価が急に安くなり、集客が難しくなるエリアもあります。

2-3.防犯対策不足によるトラブルのリスク

集合エントランスのあるマンションは、エントランスから各部屋に入ることになるため、オートロックや防犯カメラなどの防犯機器を設置しやすい特徴があります。

一方、アパートで集合エントランスがある物件は多くありません。アパートの共用通路は道路に面していることも多く、オートロックの無いアパートでは容易に誰でも各部屋の前まで行ける構造となっています。

このように、建物の構造から防犯対策が難しく、犯罪等のトラブルに巻き込まれるリスクが高くなる点には注意が必要です。侵入経路となる可能性のある場所に防犯カメラを設置するなど、対策も検討してみましょう。

3.アパート経営のよくある3つの失敗事例

アパート経営には様々なリスクがあるため、具体的な失敗事例を確認しておくことが大切です。アパート経営の中でもよくある以下3つのケースを見ていきましょう。

3-1.高利回りに惹かれて購入するものの、入居付けが難しいケース

築年数が古いアパートは、家賃収入に対して安い価格で売られていることもあります。中には駅から相当離れた立地にあり、土地の価値が低く、築年数は30年以上経過している物件も少なくありません。

しかし、建物が古く立地も悪いアパートを実際に運営してみると、想定した家賃設定で新しい入居者を見つけるのに苦戦してしまう可能性があります。

高利回りの中古アパートの購入を検討する際は、想定している家賃収入が本当に得られるのか慎重に検討し、事前の綿密な調査が必要と言えるでしょう。

3-2.多大な修繕費がかかるケース

購入時は新築のアパートでも、築年数を経過すると経年劣化により様々な欠陥を抱えることがあります。投資前のシミュレーションの段階でこれらの修繕費を織り込んでいないと、期待した収益を得られずにトータルの収支がマイナスになってしまう可能性があります。

また中古アパートの場合も、購入時には売主も知らなかった欠陥に購入後から気づくケースが少なくありません。

シロアリに食われていたり、配管が錆びていたりすると、購入後に多額の修繕費用がかかります。このような瑕疵は売主側に告知する義務があるものの、購入後に問題が発覚するケースもあります。

特に、個人間売買の中古物件の場合、契約不適合責任を免責とする契約を締結してしまっているケースもあります。この場合、問題が発覚しても修繕費は購入側の全額負担になることもあるため、中古物件の売買契約前には内容や条件を必ず確認しておきましょう。

3-3.大学や企業の移転により、集客が急に難しくなるケース

アパートの建築計画を立てる際、その建物に住む人の多くが近くにある大学の学生や、企業で働く会社員などを入居者想定しているケースは少なくありません。

しかし、入居需要をそのような一つの要素に依存していると、大学や企業、工場が移転した後に集客が難しくなることがあります。

そのため、中古のアパートを購入する場合、一つの施設などに入居者を依存していないかを確認することもポイントです。特定の需要に偏らず、幅広い入居者を集めることができるかどうかをチェックしておくことが重要となります。

まとめ

アパートは鉄筋コンクリート造のマンションと比較して建物価格が安く高利回りが狙え、一棟の購入というスケールメリットから収益性の高い運用を目指すことが可能です。

しかし、建物の耐久性・耐火性などは低く、騒音などの住民トラブルが発生しやすい等のリスクもあります。アパート経営を検討する際は、不動産投資に望むスタイルや求める収益と照らし合わせながら、投資する物件を選ぶことが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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