2020年12月から運営を開始した不動産投資型クラウドファンディングサイト「大家どっとこむ」では、STOスキームという新しい技術を導入し、投資家資産の流動性を高めています。
しかし、不動産投資型クラウドファンディングの大家どっとこむに興味がありながらも「STOスキームのメリットとは」「STOスキームの仕組みは?」など、疑問を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、大家どっとこむで導入しているSTOスキームの特徴やメリット、注意点について解説していきます。
目次
- 大家どっとこむ、STOスキームの仕組み
- 大家どっとこむ、STOスキームのメリット
2-1.運用途中でもSTOスキームを使えば他者に譲渡可能
2-2.ブロックチェーン技術による資産の証明 - 大家どっとこむのSTOスキームを利用する際の注意点
3-1.持分を譲渡する際の条件がある
3-2.譲渡先も大家どっとこむに登録している必要がある
3-3.譲渡先は自分で探す必要がある - まとめ
1.大家どっとこむ、STOスキームの仕組み
「大家どっとこむ」は株式会社グローベルスが運営する不動産クラウドファンディングのプラットフォームです。グローベルスは、東証2部上場企業の株式会社プロスペクトの子会社で、創業から20年以上不動産投資に関わってきた不動産の専門企業です。
株式会社グローベルスは1996年設立で資本金1億円、不動産売買や中古住宅再生、不動産仲介、コンサルティング事業などを手掛け、東証二部上場の株式会社プロスペクトグループの一員になります。
大家どっとこむが導入しているSTO(Security Token Offering)スキームとは、ブロックチェーンの技術を活用した、運用期間中でも投資家の出資持分を譲渡できる仕組みです。
この仕組みには、株式会社LIFULLとSecuritize Japan株式会社が協同で提供する、不動産特定共同事業者向けのセキュリティートークンプラットフォームが利用されています。
投資家が出資をすると大家どっとこむの運営元である株式会社グローベルスがセキュリティートークンを発行します。セキュリティートークンはブロックチェーン上で管理されるため、トークンによる持分保有証明ができ、売買の一方当事者による債務不履行を防ぐことが可能です。
2.大家どっとこむ、STOスキームのメリット
大家どっとこむで導入されたSTOスキームを使うとどのようなことが可能になり、投資家へはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは以下の二点を取り上げています。
- 運用途中でもSTOスキームを使えば他者に譲渡可能
- ブロックチェーン技術による資産の証明
2-1.運用途中でもSTOスキームを使えば他者に譲渡可能
これまでの不動産投資型クラウドファンディングでは、投資商品に一度出資を行うと運用期間中は出資金がロックされてしまい、運用期間終了まで出資持分を保有し続けなければならず、流動性が課題となっていました。
一方、STOスキームでは不動産クラウドファンディングでの持分をセキュリティトークン化し、他者への譲渡ができるようになっています。このように、不動産クラウドファンディング投資での流動性を高めた点が新しい取り組みのポイントです。
2-2.ブロックチェーン技術による資産の証明
大家どっとこむではブロックチェーンの分散型台帳技術により、トークンによる持分保有証明が可能になっています。
セキュリティトークンはブロックチェーン上にあるため第三者の証明が必要なく、自分の持分を証明できます。譲渡する際はスマートコントラクト(契約条件の締結や履行がプログラムによって自動で実行される仕組み)を用いており、売買の一方当事者による債務不履行も防ぐことが可能です。
3.大家どっとこむのSTOスキームを利用する際の注意点
STOスキームを利用する際は、譲渡を受ける側も大家どっとこむに登録が必要なことや相手を投資家自身で探さないといけないなどの注意点があります。
3-1.持分を譲渡する際の条件がある
STOスキームで持分を譲渡する際は、以下の条件を満たす必要があります。
- 投資家は大家どっとこむに投資家登録をして案件の成立前書面を確認
- 譲渡を受ける人も大家どっとこむに投資家登録をして案件の成立前書面を確認
なお、持分はセキュリティトークンとして譲渡する必要があり、LIFULL及びSecuritizeが提供するプラットフォーム上でのやりとりとなります。そのため、出資持分を譲り受ける第三者も上記の手続きが必要となります。
3-2.譲渡先も大家どっとこむに登録している必要がある
STOスキームで出資持分を譲渡するには、投資家及び譲渡を受ける人のどちらも大家どっとこむに投資家登録している必要があります。そのため、譲渡したい相手が大家どっとこむへの登録を拒否する場合は持分の譲渡ができません。
3-3.譲渡先は自分で探す必要がある
2021年2月時点、STOスキームでの譲渡を受けたい人を紹介してくれるようなサービスはありません。そのため、譲渡したい相手は自分で探さなくてはなりません。
投資家が持分を譲渡したいと考えていても、相手を見つけられない場合は持分の譲渡はできないことになります。
まとめ
ここでは、STOスキームの特徴やメリット、注意点について解説しました。大家どっとこむは、STOスキームを導入していることで、投資家の持分譲渡の利便性を高め、流動性リスクを軽減しています。
ただし、譲渡するには受け取る側も大家どっとこむに登録する必要があること、譲渡先は自分で探す必要があることは注意点と言えます。投資を検討する際は、これらの注意点を踏まえ、慎重に投資検討してみましょう。
なお、大家どっとこむでは2021年2月から第2号案件の募集を開始しています。投資検討していた方は案件詳細を確認してみましょう。
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