アパート経営で失敗する人の特徴は?4つのタイプとリスク対策も

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アパート経営は数ある不動産投資の手法の中でも投資額が大きく、リスクが高くなりやすい特徴を持っています。アパート経営に失敗しないためにも、事前にどのようなリスクがあり、どのような対策を講じることができるのか、確認しておくことが大切です。

そこで今回のコラムでは、アパート経営を失敗する人を4つのタイプに分けて紹介していきます。さらに失敗を防ぐための対策についても解説します。

目次

  1. アパート経営で失敗する人の4つのタイプ
  2. 利回りのみを優先してしまいハイリスクな経営状態になっている
    2-1.アパート経営の利回りとリスクの関係
    2-2.利回りを優先しないための対策
  3. アパート経営の知識が不足している
    3-1.アパート経営の知識が不足していると起きる失敗事例
    3-2.アパート経営に関する知識を得るための方法
  4. アパート経営のリスク対策が不十分
    4-1.アパート経営で注意したいリスク
    4-2.リスク回避策を適切に行うための対策
  5. アパートの運営を管理会社に任せっきりにしてしまう
    5-1.管理会社に委託できる主な業務
    5-2.管理会社に任せっきりにしないための対策
  6. まとめ

1 アパート経営で失敗する人の4つのタイプ

アパート経営のビジネスモデルは、家賃による収入で賃貸用物件の購入費用や経費を支払っていきつつ利益を出すことです。

しかし「空室が出て、入居者が決まらない」「修繕工事などで想定外の出費が必要になった」といった事態に陥ると、想定した利益が挙げられずに物件を手放すなどでアパート経営は失敗することになります。

次からの項目でアパート経営に失敗した人に共通する特徴について解説し、対策法についても紹介していきます。

2 利回りのみを優先してしまいハイリスクな経営状態になっている

不動産投資に関わらず、投資をする上で気になるのが利回りです。利益を得ることはビジネスとしては重要ですが、利益を優先しすぎることで反対に失敗につながることもあります。

2-1 アパート経営の利回りとリスクの関係

アパート経営では、目先の利回りだけを優先することで失敗につながる選択となることがあります。代表的なのは下記のようなケースです。

  • リスクの高い物件を選んでしまう
  • 相場よりも家賃を高く設定してしまう
  • 修繕工事を最低限のものにしてしまう
  • 入居者の要望に対して柔軟な対応をしない
  • リスクの回避策を講じない

アパート経営を長い目で見ると、目先のマイナスを取ることが正しい選択のときもあります。このような選択をしないための対策として下記を参考にしてください。

2-2 利回りを優先しないための対策

アパート経営はビジネスの一つですから、利益が出ることもあれば、損益が出ることもあります。利回りはあくまでも目安として考えて、利益を出すことよりも、現状に合った経営をすることがアパート経営では大切です。

設備投資や家賃の値下げなど、あえてマイナスを選択して、長い目で見た投資を行うことが必要になることもあります。例えば、原状回復工事の際に内装のグレードを上げることで、入居者が獲得しやすくなったり、入居期間が長くなる可能もあるものです。

アパート経営は長期間にわたって行うものです。必要なときには投資をし、引き締めるところは引き締めるといったように、メリハリのある経営を心がけてみましょう。

3 アパート経営の知識が不足している

アパート経営め知識が不足していると、勧められるがままに購入してしまったり、後でトラブルに遭う危険度も高くなります。

3-1 アパート経営の知識が不足していると起きる失敗事例

アパート経営の失敗例でよく見かけるのが、下記のような事例です。

  • 不動産会社に勧められるままに始めてしまった
  • 自己資金が少なく多額のローンを組んでしまった
  • デメリットを理解しないでサブリース契約をしてしまった
  • 駅近の物件ということで勢いで購入してしまった

これらの失敗例は、オーナーの勉強不足が起因して、複数の不動産の収益性や資産性、リスクの総合的な比較が出来ていなかったという背景があります。知識があり、より慎重に対応ができれば、回避できた可能性があります。こうした事態に陥らないために、アパート経営に関する知識をしっかりと勉強するようにしましょう。

3-2 アパート経営に関する知識を得るための方法

アパート経営の手法に正解はありません。また、アパートオーナーは原則として経営判断を自身で行う必要があり、一般の会社のように上司や先輩から業務内容を教えてもらったり、教育プログラムの中で成長していくということもありません。

オーナー自身の判断や対応次第で成否が分かれることが多いため、オーナーとして適切な知識を持ち、冷静な判断能力を身につけることが重要です。アパート経営について勉強をするには下記のような方法があります。

  • アパート経営の本や書籍を読む
  • インターネットの情報を収集する
  • 複数の不動産会社に相談する
  • アパート経営セミナーに参加する
  • 実際にアパートを経営している先輩オーナーに相談する

このほか、管理業務主任者やファイナンシャルプランナーなど、アパート経営に役立つ資格を取得するという方法もあります。アパート経営を始めるということは経営者になるということですから、そのためにも適切に知識を持つようにしましょう。

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4 アパート経営のリスク対策が不十分

アパート経営にはいくつかリスクがありますが、適切な対策を行っていないと収支に悪影響を及ぼすことがあります。詳しく見てみましょう。

4-1 アパート経営で注意したいリスク

例えば、空室対策を適切に行わなかったために、入居者が決まらず、利益が縮小することがあります。こうした想定内外のことが起きてしまうのがアパート経営です。

このほかにも下記のようなアパート経営におけるリスクがあります。

アパート経営のリスク 主な内容
空室リスク 入居者が退居し、部屋が空室になるリスク
家賃滞納リスク 入居者の経済的な理由などで家賃が支払われないリスク
家賃下落リスク 賃貸需要の減少により家賃が下落するリスク
災害リスク 台風や大雨、洪水、地震などの被害を受けるリスク
資産価値下落リスク 経年劣化や災害などによる資産価値の下落
金利変動リスク ローン金利の変動によりキャッシュフローに影響を与えるリスク

こうしたアパート経営のリスクを把握し、適切に対策を行っていないと、アパート経営が立ち行かなくなることもあります。

4-2 リスク回避策を適切に行うための対策

具体的な対策法としては、空室リスクにはトレンドを意識した内装デザイン、設備や仕様の導入といった方法があります。また、資産価値を下落させないためには定期的にアパートのメンテナンスや修繕工事を行い、物件の状態を維持することなどがあります。

想定内のリスクはしっかりと対策を立てておき、想定外のリスクが起きたときにどうするのかを考えておく。こうしたアパートオーナーとしての心構えが、リスクを回避するために必要なことと言えます。

5 アパートの運営を管理会社に任せっきりにしてしまう

アパート経営をする上で管理会社は頼りになる存在ですが、だからと言って任せきりにするのもいけません。オーナーとしてやって欲しいことと、管理会社が行っていることが合致していないこともあるからです。

5-1 管理会社に委託できる主な業務

管理会社に管理を依頼すると、その業務は主に下記の表のようなものになります。

管理業務 主な内容
入居者募集に関わる業務 入居者募集、入居者の選定、賃貸借契約の締結
トラブル対応に関わる業務 入居者間および近隣トラブルへの対応、設備や機器の故障などへの対応
家賃回収に関わる業務 家賃回収、滞納者への催促
契約更新および退去に関わる業務 契約更新および退去手続き、敷金の精算、室内クリーニングおよび原状回復工事
建物管理に関わる業務 定期的な清掃およびメンテナンス、法定点検、設備の修理・修繕、大規模修繕工事

これだけの業務があるので、管理会社に頼まずに自分一人で管理をするのは大変です。業務が幅広いからこそ、管理会社に任せっきりになると、管理会社は自社がやりやすいように管理してしまうことがあります。

例えば、原状回復工事の見積もりを長く付き合っている会社だったり、グループ会社にだけ依頼することがあります。これではオーナーが本来、望んでいる原状回復工事にならないこともあります。

5-2 管理会社に任せっきりにしないための対策

副業でアパート経営を行っているケース、あるいは遠方のアパートを経営しているケースでは特に管理会社に任せてしまいがちですが、二人三脚でアパートを経営していくような感覚が必要です。そのためには積極的に管理会社とコミュニケーションを取り、お互いの意見をすり合わせていくことが大切です。

また、入居率に大きく関わる空室対策も的確に行っていないこともあります。どのような対策を行ったか、空室を埋めるためにどのようなことをしたのか、などを定期的に確認するようにしましょう。

管理会社は預かったアパートを管理するのが仕事ですから、オーナーとして厳しい目で業務をチェックすることも大切です。依頼したことに対応してもらえない場合には、管理会社を変更することも検討しましょう。

ただし、細かな確認をしすぎると管理会社の業務に負荷をかけてしまうことにもつながります。管理会社は適切なアパート経営を行うパートナーとしてとらえ、協力体制をとることが大切です。特に、管理戸数が多い管理会社は担当者の手が回っていないこともあり、対応が後手になることもあるのです。

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まとめ

今回のコラムでは、アパート経営が失敗する人の特徴を解説しました。4つのうち1つというケースもあれば、4つすべてを持ち合わせたことで失敗につながることもあります。

目先の利益にとらわれず、経営者としての慎重な経営判断をすることが求められます。アパート経営は事業と捉え、経営者としての能力を身につけていきましょう。適切な知識が備わっていれば、失敗のリスクを軽減させることに繋がります。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。