急ぎでまとまったお金が必要な場合や、相続資産を早期に現金化したい場合など、投資用の不動産を短期で売却しなければいけないケースもあるかと思いますが、不動産は株や外貨とは異なり、売りたいと思ってもすぐに換金化できるわけではありません。
この記事では、不動産を短期で売却したい人のためにポイントを詳しく解説していきたいと思います。
- 不動産売却の流れを把握する
- 売りたい時期と下限の売却価格を決める
- 買取も視野に入れて媒介契約先を決める
- 売りやすい時期に売ることも大切
- 交渉では「売りたい」気持ちを抑える
不動産売却の流れを把握する
短期での売却を考える上で、まずおさえておきたいのが不動産売却の流れです。不動産の査定から引き渡しまでは、通常以下のような流れとスケジュールで進むことになります。
- 査定、媒介契約、物件の売り出し(1週間~2週間)
- 内見、価格や条件の交渉(2ヶ月~5ヶ月)
- 売買契約の締結、引き渡し(2週間~4週間)
短期で不動産を売却する場合、売り出しまでの期間や契約から引き渡しまでの期間はそれほど大きくは短縮できないので、内見や条件交渉のプロセスを圧縮することになります。
売りたい時期と下限の売却価格を決める
次に、不動産をいつまでに売りたいか(売却に使える期間)やいくらなら売っても良いか(売却下限価格)、いくらで売りたいか(売却目標価格)などを整理しましょう。売却に使える期間が3ヶ月以内の場合には、売却目標価格を相場価格以下に設定したほうが良いでしょう。以下は、内見人数と売却価格の関係図となりますが、相場価格以上に設定をすると内見人数は減少し、相場価格以下に設定すれば内見人数が増えることになります。
購入の申し込みまでには、平均で5人~10人程度の内見人数が必要となりますので、早く売りたい方は価格を相場より低めに設定して、いち早く内見人数を確保することが必要となります。
売却に使える期間が6ヶ月程度ある場合には、相場価格からやや高い価格から売出しを始め、1ヶ月~2ヶ月経っても反応が悪い場合には5%前後の値引きをしていきながら、売却可能な価格を探っていくという流れになります。
買取も視野に入れて媒介契約先を決める
短期売却の場合、媒介契約を結ぶ不動産会社にはスピードが求められますので、担当者のレスポンスや報告・連絡・相談などがしっかりしている先を優先して選ぶと良いでしょう。
なお、大手の不動産会社の売却サービスの中には、「買取保証」というサービスを行っている会社もあります。買取保証は、一定期間経過後に売却できていない場合に、その不動産会社が不動産を買い取るという契約となります。通常の売却よりも価格は落ちるものの(相場の7割~8割)、期間内に売り切ることができますので、差し迫って売る必要がある方は利用を検討されると良いでしょう。買取保証を実施している主なサービスとしては、野村不動産が提供するノムコムの売却サービスなどがあります。
売りやすい時期に売ることも大切
実は、不動産にも売りやすい時期というものがあります。不動産の買い手がつきやすいのは、転勤や引越しなど新生活準備が始まる1月〜3月の時期となります。その後は8月が閑散期となり、9月〜11月に需要が再び高まるという流れです。
売出しが7月や11月下旬などになると、売却期間が長引く可能性もありますので、いつ売り出すかという点についても注意をしておいたほうが良いでしょう。
交渉では「売りたい」気持ちを抑える
申込が入った後の買主との交渉では、短期で売却したいので気がはやってしまうかと思いますが、不動産を「売りたい」という姿勢を出してしまうと、買主から価格の値引きが要求されることになります。自分が「今売らなければならない」という状態に対して、買主が「今買う必要はない」という状態だと、条件を引き下げてでも買主に購入するメリットを提示しなければならなくなるためです。
そのため、交渉の場では、自分の「売りたい」気持ちをおさえて、相手の「買いたい」気持ちを引き出すことを優先して振る舞うことが大切です。
まとめ
不動産を短期で売却するにあたっては、いつまでに売るか、いくらで売るか、媒介契約を誰と結ぶか、いつ売り出すかといったことを事前に準備しておくことが大切です。また、短期での売却を目指しつつ、交渉などでもできるだけ高い価格をつけられるようにしていくとよいでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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