ビルオーナー必見!商業ビルを宿泊施設にコンバージョンして収益UPを実現する方法

最近では、東京や大阪などの都心部にある雑居ビルを丸ごとリノベーションし、旅館業法の許可を取得して民泊スタイルのホテルへと転換するコンバージョン事例が増えてきています。ビルの老朽化や周辺の競争激化により優良テナントの獲得に苦労しているビルオーナーの方にとって、宿泊施設へのコンバージョンはビルの収益を大幅にアップする非常に魅力的な不動産投資の選択肢の一つとなってきています。

そこで、今回は実際に商業ビルを宿泊施設へとコンバージョンし、収益アップを実現している事例もご紹介しながら、この新しい民泊投資のポイントについてご紹介したいと思います。

なぜ、宿泊施設へのコンバージョンが魅力的なのか?

商業ビルを宿泊施設へとコンバージョンする具体的な手法について解説する前に、まずはそもそもなぜ最近になってこのような新しい不動産投資の形態に注目が集まっているのか、その理由を説明したいと思います。ポイントは、下記の3つとなります。

  1. 成長が期待される国内の宿泊市場
  2. 大幅な収益アップを実現できる
  3. オフィス向きではない立地も活かせる

1. 成長が期待される国内の宿泊市場

現在政府は「観光立国」を推進しており、その一環として「2020年までに訪日外国人を4,000万人まで増やす」という目標を掲げています。この目標実現に向けて政府はVISA緩和やLCC就航路線の拡充など様々な施策を展開しており、実際に日本を訪れる外国人観光客の数は過去最高のペースで増え続けています。この訪日外国人の増加に伴い、特に東京や大阪、京都といった都市部のホテルは軒並み高稼働により宿泊料が高騰する状態が続いており、結果として「民泊」を利用して日本にやってくる外国人も急激に増加しました。

また、上記の状況を受けて、政府は2018年6月から住宅宿泊事業法(通称、民泊新法)を施行し、全国で民泊を本格的に解禁する予定となっています。新法施行後は誰でも合法的に民泊できるようになりますので、この新たな宿泊スタイルは日本でも普及し、外国人観光客だけではなく国内旅行客の民泊利用者も急増していくことが想定されます。

このように日本国内では宿泊施設に対する需要は増え続けることが予想されており、大きなビジネスチャンスが生まれているのです。既に都市部では需要増加を見越したホテルの建設ラッシュが起こっており、将来的な客室供給過剰の懸念も出てきているため、今後はより戦略的な展開が求められるようにはなります。しかし、この「インバウンド」「民泊」という大きな追い風を味方にすれば、より高いリターンを期待できる新たな不動産投資の形を確立することが可能です。

2. 大幅な収益アップを実現できる

ビルを飲食店や事務所など通常のテナントとして貸し出す場合、安定的な家賃収入が見込める一方で、ロケーションや物件グレードに対応した相場以上の利益を見込むことは難しいのが現状です。しかし、宿泊施設として運用する場合は月額家賃ではなく短期貸しのスタイルとなり、1泊あたりの料金として売上を立てることができるため、稼働率次第では大きな収益を稼ぎ出すことが可能となります。そのため、民泊を運用したいホストや民泊運用代行会社に物件をサブリースとして借り上げてもらうことで、オーナーは通常のテナント賃料以上の収入を確保することができるのです。

3. オフィス向きではない立地も活かせる

オフィスの場合、たとえ都市部の真ん中にあったとしても歓楽街の周辺やパチンコ店の近くなどは敬遠されることもありますし、1Fが飲食店のビルを避けるテナントなどもいます。しかし、こうしたオフィス向きではない立地のビルも、宿泊施設として貸し出す場合にはむしろ好立地になることがあります。このオフィス需要と宿泊需要の違いに着目したアービトラージを上手く活かせば、これまで収益性が低かったビルを高収益な物件へと生まれ変わらせることができるようになります。

どうやって宿泊施設にコンバージョンするの?

商業ビルを宿泊施設にコンバージョンする魅力について理解したら、次は具体的にどのように作業を進めればよいのかについてご紹介します。コンバージョンにあたって最低限必ず押さえておきたいポイントをまとめると下記となります。

  1. 用途地域
  2. 用途変更
  3. 旅館業の営業許可取得

1. 用途地域の確認

ビルを宿泊施設へとコンバージョンする場合は旅館業の営業許可を取得する必要がありますが、そもそも対象となるビルが法的に旅館営業を許可されている立地にあるかどうかを確認する必要があります。都市計画法で定められた12の「用途地域」のうち、旅館営業ができるのは「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」の6種類に限られます。また、自治体によってはさらに細かい規制をかけているケースもあるため、物件の立地に応じた個別の確認が求められます。

2. 建物の用途変更

オフィスビルなどをリノベーションして宿泊施設にする場合、旅館業の許可を取得するにあたって建築基準法に基づく「用途変更」が必要となります。用途変更にあたっては耐火性能の確保や排煙設備、非常用設備、廊下の幅、採光など、建築基準法や消防法など関連法令の様々な基準を満たす必要があり、既存の物件の構造や設備に応じてリノベーションにかかる工数、費用が変わってきます。

3. 旅館業の営業許可取得

旅館業の営業許可取得にあたっては当然ながら旅館業の基準も満たす必要があります。旅館業法は現在規制緩和に向けて改正の動きが進んでいますので今後の動向には注視が必要ですが、例えば旅館業の簡易宿所営業で許可を取得する場合、客室の床面積が延床面積33㎡以上(宿泊者数を10人未満とする場合には、3.3㎡に当該宿泊者の数を乗じて得た面積以上)、玄関帳場の設置(条例により基準がある場合あり)、入浴設備、換気など様々な条件を満たす必要があります。

実際に商業ビルを宿泊施設にコンバージョンする場合、上記の他にも法規制面において留意すべき点は数多くあるため、実務においては同様の事例を豊富にこなした経験を持つ行政書士に相談する必要がありますが、物件オーナーの方は少なくとも上記のような手続きを踏む必要があることだけはしっかりと理解しておきましょう。

大阪のアパートメントホテル「Minn」の事例

ここまでは商業ビルを宿泊施設にコンバージョンする魅力やその手続き上のポイントについて解説してきましたが、より具体的なイメージを持っていただくために、ここでは実際の事例を一つご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、民泊運用代行サービスの「mister suite」を手がける株式会社SQUEEZEが今年の9月に大阪で開業した民泊スタイルのホテル「Minn(ミン)」の事例です。実際の事例に基づいて、コンバージョンのポイントや戦略について理解しましょう。

アパートメントホテル「Minn」

「Minn」の概要とロケーション

「Minn」は、もともとスナックなどが入居していた商業ビルをリノベーションして作られた42室からなる民泊スタイルのアパートメントホテルです。新大阪まで電車で9分、梅田まで3分という中間に位置し、神戸(32分)や京都にもアクセスできる立地にあります。物件はコンセプト設計から家具・内装まで全てスクイーズ社がプロデュースし、同社が自社の民泊管理システムを活用しながらマスターリース形式で運用しています。

Minnの特徴としては、オンラインによるコンシェルジュサービス、事前決済、セルフチェックインシステムの導入により人件費を含めたオペレーションコストを最小化している点、キッチン・リビング尽きのレイアウトによりまるでそこに暮らしているかのような民泊スタイルの宿泊が楽しめる点、また一般的なホテルよりも部屋サイズを大きくすることでグループ客も利用しやすくしている点が挙げられます。

所在地 大阪府大阪市淀川区十三本町1-17-20
建築面積 651.92㎡(197.20坪) 床面積 2855.93㎡(863.91坪)
用途地域 商業地域 構造 鉄筋コンクリート造(RC)
防火地域 防火地域 階数 地上6階
建ぺい率 80% 客室数 42室
容積率 400% 営業区分 簡易宿所営業

リノベーション後のビフォー・アフター

商業ビルのリノベーション前後では内観・外観が実際にどのように変わったのでしょうか。ここでは分かりやすくBefore After 形式にしてまとめてみました。

(※提供:株式会社SQUEEZE)

(※提供:株式会社SQUEEZE)

いかがでしょうか?一般的な雑居ビルが、スマートで洗練されたホテルへと大きく印象を変えていることが分かるのではないかと思います。通常のホテルとは異なる、まるで自宅のようにリラックスできる雰囲気の部屋づくりがポイントとなっています。

収益性を高めるポイントは?

最近では特に東京や大阪、京都といった人気の都市部エリアにおいてインバウンド需要の成長を見越したホテル建設ラッシュが続いており、宿泊施設の運営にはより高い戦略性が求められるようになっています。そんななかで、Minnでは2017年9月の開業以降すでに平均稼働率は85%を実現しており、ビルオーナーの収益も2.2倍にアップしています。Minnが宿泊施設としての収益性を高める上で工夫しているポイントは、主に下記3点となります。

  1. 50室以下のホテルによる差別化
  2. ミニマルオペレーションによるコスト削減
  3. 単価の高いグループ客にターゲットを絞り込み

1. 50室以下のホテルによる差別化

Minnでは通常のホテル事業者が運用しないような50室以下というアセットクラスに絞ることで他のホテル事業者と差別化を図っています。大型ホテルとは異なるターゲット層を狙うことでバッティングを避け、稼働率を高めています。

2. ミニマルオペレーションによるコスト削減

MinnではIoTソリューションを取り入れつつ、「ペーパーレス」「キーレス」「キャッシュレス」という3つの「レス」を実現し、人件費も含めて宿泊施設運営にかかるオペレーションコストを極限まで下げることで収益性を高めています。

3. 単価の高いグループ客にターゲットを絞り込み

Minnの部屋サイズは30~46㎡で、3名~6名のグループをメインターゲットとしており、客室単価は12,000~38,000円となっています。キッチン・リビングつきの民泊スタイルの部屋とすることで既存のホテルが対応しきれていないグループ客のニーズを取り込みつつ、高単価を実現している点が特徴です。

住居転用も可能なレイアウトによるリスクヘッジ

宿泊施設を運営するうえでは最終的な出口戦略も重要となりますが、Minnの場合はキッチンや洗濯機置き場スペースなども用意することで最終的に住居への転用も可能なレイアウトとしている点が特徴です。今後、宿泊施設の需給バランスが変化したとしても、通常の住宅としても貸し出すことができる設計にしておくことで長期的な投資リスクをヘッジしています。

事業スキームは?

Minnの事例を見ると、自分の所有するビルでも宿泊施設へのコンバージョンを検討したいと考えるビルオーナーの方も多いかもしれません。具体的には、どのようなスキームで進めることができるのでしょうか。スクイーズ社の場合は、建築設計会社や金融機関などともパートナーシップを組みながら、下記のようなイメージで物件のリノベーションから運用までをワンスポットでサポートする体制を用意しています。

(※提供:株式会社SQUEEZE)

上記スキームでは、SQUEEZE社がリノベーションプランの企画・設計から旅館営業に伴う許可手続きの支援、銀行からの融資獲得に向けた支援まで幅広くサポートしてくれます。また、物件自体をサブリースとして借り上げてもらえるほか、ホテル開業後のゲスト対応や予約獲得といた運用業務も全て任せられるので、オーナーは手間をかけることなく収益を得ることができるようになります。

まとめ

いかがでしょうか?商業ビルを宿泊施設へとコンバージョンしてさらなる収益アップを実現する方法とそのイメージが少しでも深まれば幸いです。先述した通り、2018年は民泊新法も施行され、2020年のオリンピックイヤーも近づき国内の宿泊市場はますます盛り上がることが予想されます。ビルの老朽化や低収益化に悩まれているオーナーの方は、これを機にぜひ宿泊施設へのコンバージョンを検討してみてはいかがでしょうか?

【参照サイト】Minn
【参照サイト】株式会社SQUEEZE

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