シノケン、「トラストDX」開発推進でSaaS/ASP事業のスカラと業務提携。不動産業界のDXを加速

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株式会社シノケングループ(シノケン)は10月16日、株式会社スカラと「トラストDX」の開発推進を目的とした業務提携契約を締結したと発表した。「不動産領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を真の意味で普及させていくにあたって、単に業務効率化、高付加価値化にとどまらず、不動産取引における透明性を高め、個人認証や改ざん防止などの課題をクリアし、より信頼性や安全性の高い『トラストサービス』を目指したい」(シノケン)としている。

従来の不動産投資と、シノケンとスカラが共同開発する不動産のトラストDXプラットフォーム

「デジタル庁」の創設や「脱ハンコ」に向けた取り組み、マイナンバーカードの普及など、政府主導のデジタル化推進が活発化している。シノケングループは「REaaS(Real Estate as a Service:不動産のサービス化)をミッションとして掲げ、推進しているが、今回の提携で日本初のデジタルIDアプリの開発に歩を進めた。

スカラは、SaaS/ASPサービスを中心に展開するテクノロジー企業。AI/IoTと価値創造理論を基盤とした「価値共創プラットフォーム」を指向しており、また、デジタルIDアプリ開発のxID株式会社とともにトラストサービスの開発を行っている。xIDは行政サービスの99%がオンラインで完結するといわれる、電子政府先進国エストニアと日本に拠点を置き、研究を重ねた知見や技術を基盤にしていますブロックチェーンを活用し、スマートフォンアプリ上でマイナンバーカードの公的個人認証(J-LIS:地方公共団体システム機構)と連携するデジタルIDアプリ(総務省認定の公的個人認証サービス)を開発した。

シノケンでは、国土交通省の「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」登録事業者として、不動産売買契約におけるIT重説や、電子契約等、不動産取引のDXを支援してきた。同社が30年にわたり蓄積した、不動産を中心とする事業領域におけるノウハウをベースに、スカラは、SaaS/ASP事業で培ったUXを用い、xIDはエストニアでの先進的な知見や技術を元にデジタルIDを不動産業界向けに適用させていくことで「トラストDXプラットフォーム」の共同開発により、不動産のトラストサービスの実現を目指す。

同社が提唱するトラストサービスとは、例えば、顧客が一度マイナンバーカードをスマホで認証すれば、マイナンバーカードや免許証を持ち歩くことなく、認証されたアプリをインストールしたスマホで瞬時に本人確認が行えるようになり、特に不動産取引で手間のかかる融資申込や契約時の本人確認、身分証の提示、オンラインでも手間となる写真のアップロードなども必要がなくなる。また、将来は登記申請に至るまで、マイナンバーカードのデジタルIDを用いたオンライン手続きで完結することを目指す。

シノケンの目指す不動産のトラストDX全体イメージ

トラストDXプラットフォームの実用化について「金融機関を始めとする様々な関係機関にとっても、融資審査における所得証明・契約書類等の改ざん防止が可能となるだけでなく、取引の透明性を高め、信頼性や安全性の飛躍的な向上と、大幅な省人化も見込めるようになる」と、不動産DXの本格的な普及に大きく貢献すると期待する。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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