ロボアドバイザー「THEO(テオ)」を運営する株式会社お金のデザインは6月1日、資産運用技術の研究を行う「お金のデザイン研究所」を設立した。投資理論や資産運用ソリューションの開発、人工知能(AI)や ビッグデータなどテクノロジーの活用、社会の持続性に貢献するESG投資の研究などの研究を進める。
所長には、首都大学東京特任教授、京都大学客員教授で同社のアカデミック・アドバイザーを務める加藤康之氏が就任した。「中立的立場から柔軟性・透明性・効率性のある資産運用技術の研究を進め、金融業界とアカデミアとの連携を強化していく」(同社)方針だ。
同社はこれまでも大学などの学究機関と資産運用に関する研究を行ってきた。 2017年6月に、京都大学経営管理大学院と人工知能・機械学習の分野で研究を開始、 18年5月にテオにAI(人工知能)アシスト機能搭載という成果に繋げている。
加藤氏は東京工業大学大学院修士、京都大学博士。 1980年に野村総合研究所入社。システムサイエンス部長、野村證券金融工学研究センター長などを歴任後、野村證券執行役。 2011年4月から京都大学大学院経営管理研究部教授、 19年4月から現職。他に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)経営委員、国民年金基金連合会資産運用委員会委員、証券アナリストジャーナル編集委員、日本ERM学会会長などを兼任。 著書に「初心者のための資産運用入門」「金融工学事典」(東洋経済新報社)、「退職後の資産運用-超高齢化時代のリタイアメント・マネジメント入門」「ESG 投資の研究-理論と実践の最前線」(一灯舎)など。
設立にあたり「これまでの経験を生かし、内外の大学・研究機関とも連携しながら、ロボアドバイザーに必要な先端的テクノロジーの研究や、人生100年時代で多様化する個人の資産運用ソリューションを開発していく」とコメントしている。
金融庁は6月3日、人生100年時代の高齢社会において、金融資産の不足を生じさせないための提言を盛り込んだ報告書を公表。保有資産の運用など「自助」による取り組みが重要とする。「現役期」「退職前後期」「高齢期」の3世代に分けて実施すべき対応策を示し、現役期では①老後まで多くの時間があり、早い時期から資産形成を行う重要性と有効性を認識する②少額でも資産形成の行動を起こす③信頼できるアドバイザー、長期的に取引できる金融サービスの提供者を選ぶ――と指摘。学術的な研究に裏打ちされた情報や信頼性の高いサービスの需要はさらに高まっていきそうだ。
【参照記事】AI搭載ロボアドバイザー「THEO(テオ)」
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