COZUCHI(コヅチ)で「銀座EXITファンド」募集開始。投資物件は銀座の名建築

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LAETOLI株式会社は不動産投資型クラウドファンディング(CF)サービス「COZUCHI(コヅチ)」で新規プロジェクト「銀座EXITファンド」の募集を12月9日午後7時から開始する。募集金額9億円、想定運用期間6ヶ月、想定利回りは年利10%で内訳はインカムゲイン0.1%、キャピタルゲイン9.9%。最小投資金額1万円、最大投資金額3千万円。募集は抽選方式で、13日午後1時まで受け付ける。「六本木事業用地Ⅱ」の優先枠対象者で落選した人に優先枠を設けている。

同ファンドは、東京・銀座8丁目に位置する「中銀カプセルタワービル」の区分建物全142戸のうち25戸を投資対象としている。売却によるキャピタルゲインを主に分配するファンドで、既に売却契約を締結済みのため売却リスクは低いEXITファンド。EXITファンドは、すでに売却契約を結んだ事業完了間際のタイミングで募集を行うファンドで、すでに事業収支も確定しており、キャピタルゲイン重視型だが、より正確にリスクや利回りを提示し、投資家にも安心して投資してもらえるよう設計した。ファンド運用開始は12月27日、運用終了日は2022年6月27日。契約上の決済日は2022年6月27日を予定しており、運用期間も同日までとなる。早期に決済された場合は運用終了日が早まる可能性がある。

売却先は、現在銀座で約30億円の事業規模を持つ不動産投資会社のSPC(特定目的会社)で、同社は「立地、事業規模で十分に実績がある」と説明している。

同ビルは、国立新美術館をデザインした建築家の黒川紀章氏(故人)の代表作として知られる。竣工は1972年、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅(マンション)で、円い窓をもつ立方体のカプセルが積み上げられたような特徴的な外観となっており、13階建てと11階建ての二つの塔に計140個のカプセルが取りつけられている。

土地面積は440.20㎡、建物は鉄骨鉄筋コンクリート・鉄骨造陸屋根、地下1階付13階建、延床面積2879.41㎡。同ファンドの対象物件は区分所有建物のうちの9階部分で延床面積8.86㎡。立地はJR山手線・京浜東北線「新橋駅」徒歩7分、東京メトロ日比谷線「東銀座駅」徒歩8分などとアクセスが良い。

銀座EXITファンドの物件所在地

世界に知られる名建築だが、老朽化やアスベストなどの安全面や修繕の費用負担の問題から今年3月に管理組合で敷地売却が決議され、解体されることが決定した。約35年間大規模修繕は行われず、竣工時には使用規制が無かったアスベストが使用されている。同社は現地視察で「不動産としては限界的な状況」と判断したが、「黒川氏の提唱した『メタボリズム思想』に共感した人や斬新で近未来的なカプセルに魅力を感じた人などに支持された文化的な価値を考慮。コヅチとして「経済合理性を超えた“次の世代に託すべき価値”に光を当て、誰もが公正に関わることができる「自由な金融」を創造し、豊かさが巡るフェアエコノミー時代を作る」という理念を掲げていることもあり、可能な限り、カプセルの保存を行う計画だ。

具体的には、希望者への寄贈、美術館などと保存に向けての協議、郊外へ移設してグランピング施設として活用などを検討。保存活動を通して「残すべき想いと価値が続く、サステナブルな社会の実現」(同社)を目指す。

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