不動産情報サービスのアットホーム株式会社は11月9日、マンション売却に関する実態調査の結果を公表した。調査対象は、2018年7月以降、住替えのために国内のマンションを売却したことがある30~69歳の男女409名で、性別は男性320名、女性89名。8月22日〜23日にかけ、インターネットで調査した。売出・成約価格の乖離率を調べたところ、平均でマイナス4.5%となった。
売出価格はマンションが実際に売りに出されたときの価格、成約価格は実際に売買が成立したときの価格。乖離率は、売出価格と成約価格の差額を比率で表したもので、数値が大きいほど売主側と買主側の価格に関する意識に差が開いているとされる。計算式は「(取引価格-売出し価格)÷売出し価格×100%」。
今回の調査で売出・成約価格の乖離率は平均でマイナス4.5%、プラスに転じているケースは少なく、値下げ等をしながら売却を行ったと見られる。また、売却までにかかった期間別にみると、概ね期間が長くなるにつれ、乖離率も大きくなる傾向が表れた。
乖離率は、一般的に0%に近いほど売主側と買主側の意識のずれが少なく、0%から離れるほど売主側と買主側の意識のずれが大きいことを表す。乖離率が大きい物件ほど売れにくくなり、売却に要する期間も長期化する傾向がある。
査定額の根拠として不動産会社から提示された情報は「同じマンションの成約情報」が最多の37.7%だった。次いで「周辺のマンション情報」「周辺の類似物件の成約情報」と続き、他物件の状況を提示するケースが多くなっている。
ほか、売却理由については、債務整理や相続資産の整理を除き、住替えに限定して聞いたところ「住む場所を変えたかったから」(22.7%)が最多、「一戸建てに住み替えたかったから」(21.5%)が次点。不動産会社を見つけた経緯は「次に住む物件を購入・借りる際に利用する予定の会社だった」が18.8%でトップだった。次の住まい探しに軸を置いている人が多いようだ。次いで「一括で物件の査定依頼ができるサービス」が16.4%だった。
不動産会社選びは「実績が豊富なこと」が重視されている。不動産会社に教えてもらって良かったことは「売却にかかる諸費用」が約半数。売却の手続きの中で「不便」「面倒」と感じたことは「必要な書類を用意すること」が最多となった。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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