積立投資の失敗パターン5つと初心者が失敗しないためのポイント

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少額で分散投資効果を得られる積立投資は、初心者にも取り組みやすい資産形成方法となっていますが、メリットばかりではありません。商品選びで間違えたり、手数料の高いサービスで長期運用したりすると、思うような資産を作れない可能性もあるので、積立投資のリスクや失敗パターンについてもしっかりと把握することが大切です。

そこでこの記事では、積立投資で失敗する主なケースとその対策方法について詳しく解説します。これから積立投資を始めようとしている方、積立投資の運用方法で悩んでいる方は、参考にしてみてください。

目次

  1. 積立投資の特徴・メリット
    1-1.長期投資・複利効果で資産形成が促進される
    1-2.時間の分散効果でリスク低減が図れる
    1-3.手間をかけず少額投資で長期継続できる
  2. 積立投資のよくある失敗パターン5選
    2-1.積立投資をすぐにやめてしまう
    2-2.定期・定額で購入しない
    2-3.金融商品をよく調べずに選ぶ
    2-4.投資コストを考慮しないで商品を選ぶ
    2-5.分散投資が不十分
  3. 積立投資で失敗しないためのポイント
    3-1.投資を中長期的に継続する
    3-2.定期・定額積立ての原則を守る
    3-3.投資方針や目標に合った商品を選ぶ
    3-4.コスト負担の少ない商品を検討する
    3-5.分散投資をしっかり行う
  4. まとめ

1 積立投資の特徴・メリット

積立投資は、株式や投資信託などの金融商品を定期的かつ一定額で継続して購入する投資方法です。毎月の積立額は100円といった少額資金から始められるため、若い方や投資に不安のある方でも行いやすいのが特徴です。また、長期にわたって投資していくため、将来の資産作りにも適しています。

各金融機関や証券会社では様々な積立投資サービスを提供しており、その多くは投資対象を毎月自動で購入する設定にできるので、運用の手間もほとんどかからず、銘柄選びなどで悩む必要もありません。

まずは、初心者にもおすすめの投資方法である積立投資の詳しい特徴やメリットを確認しておきましょう。

1-1 長期投資・複利効果で資産形成が促進される

大手銀行の定期預金金利は0.002%(2020年12月時点)と利息がほとんど付かない中、積立投資では、投資対象によっても異なりますが、年間利回り2〜3%程度の商品も提供されているので、長期的な資産形成に向いています。運用で得られた利益を再投資し、10年・20年といった長期スパンで継続すれば大きな複利効果も期待でき、目標額の達成もしやすくなります。

1-2 時間の分散効果でリスク低減が図れる

積立投資は毎月・毎週などの定期的なタイミングで継続的に購入する方法です。時価が高い時には少なく購入し、低い時には多く購入することになるので、購入価格が平準化され、価格変動リスクを抑えることができます。

1-3 手間をかけず少額投資で長期継続できる

株式投資や投資信託でも通常はまとまったお金が必要になる場合もありますが、積立投資では100円から積み立て可能なサービスもあるなど、少額で行えるのが特徴です。

また、株式投資のように購入時に市場動向や銘柄の状況などを分析する手間をかけなくても、積立投資では定期的に指定の商品を自動で購入することができます。日中は仕事で忙しい方でも長期的に継続しやすいのが積立投資のメリットです。

2 積立投資のよくある失敗パターン5選

初心者の方におすすめの積立投資でもリスクや注意したいポイントがあるので、よくある失敗パターンを確認しておきましょう。

2-1 積立投資をすぐにやめてしまう

積立投資を始めた後に市場で大きな相場変動が生じれば、購入資産の価格が大幅に下落し含み損を抱えることもありますが、積立投資をすぐにやめないことが大切です。

株価は基本的に変動するものなので、経済的・社会的な環境悪化によって相場の動きが荒くなり、一時的に含み損を抱えることもあります。この時、慌てて積立投資をやめると損失を確定させるだけで、少額・長期・分散という積立投資本来のメリットを十分に発揮せずに終わることになります。

2-2 定期・定額で購入しない

積立投資は定期・定額の持続的な投資スタイルが基本ですが、意図的に購入量を増やしたり減らしたりして失敗する例もあります。

例えば、投資対象とした投資信託の価格が高騰し始めたため、今後も大きく伸びると予測して不定期に追加購入したり、購入額を大幅に増額し取得したりするケースです。

相場の動向を予測することはプロの投資家でも難しい作業なので、初心者の方は特に注意が必要です。投資をする上で相場を分析して対応することは重要ですが、自分の判断を過信せず、想定外のリスクが生じた場合にも投資を継続できるように進めていくことが大切です。

2-3 金融商品をよく調べずに選ぶ

積立投資の投資対象となる金融商品をしっかり検討せずに選ぶ場合も失敗に終わる可能性があります。

投資商品にはリスクとリターンが付き物です。しかし例えば、リスク回避重視でリターンの低すぎる商品を選べば当初予定していた以上に時間がかかるなど、目標額の達成は難しくなります。逆にリターン重視でリスク回避を怠る場合も失敗に終わる可能性は高まります。

投資信託などの商品でも対象とする国・地域、資産の種類(株式・債券・不動産投資信託など)によって、リスクとリターンは異なります。国内資産と海外資産、国内資産における対象の種類、海外資産における対象の種類などによっても変わってくるので、積立投資ではそのバランスを適切に見極める必要があります。

2-4 投資コストを考慮しないで商品を選ぶ

積立投資では定期的に商品を購入して中長期にわたって運用するため、手数料などのコスト負担を考慮しなければなりません。

積立投資のコストとしては、株式や投信信託などを購入・売却する際の手数料、投資信託の運用に関する費用、解約に伴う費用などがあり、各商品で異なります。そのためコストの内容や金額などを十分に確認せず購入を続ける場合も、目標達成までに余計な時間がかかることになりかねません。

例えば、年間の想定利回りが3%程度ある商品でも、購入手数料などのコストが1%前後かかれば、実質利回りは2%に減少します。

そのため、商品選びではコストの内容もしっかり把握した上で目標の達成が可能かどうかを確認し、できれば手数料の安い商品を選ぶことが大切です。

2-5 分散投資が不十分

積立投資は時間の分散効果が期待できる方法ですが、投資対象も分散することが大切です。単に、毎月一定額を同じ銘柄に投資するやり方では、時間の分散効果だけでそれ以上のリスクの軽減は望みにくくなります。

3 積立投資で失敗しないためのポイント

積立投資のメリットを十分に発揮するためには、以下のポイントに気をつけて行うことが重要です。

3-1 投資を中長期的に継続する

積立投資は、一時的に株価が下落したときなどでも慌てて止めたりせず、中長期に渡って継続的に行いましょう。経済が好転し相場が回復すれば、下落時に多く買い付けた商品が利益を生む可能性もあります。

特に初心者の場合、相場の乱高下に一喜一憂するのではなく、継続して安く・多く買って利益を得るチャンスを確実に得ていくことが重要です。そのためにはウェルスナビなどのロボアドバイザーやiDeCo(個人型確定拠出年金、マネックス証券など各金融機関で利用可能)、ネオモバなど自動積立に対応したサービスを利用するのがおすすめです。

3-2 定期・定額の積立ての原則を守る

自分の相場予測を積立投資に反映し過ぎないためには、定期・定額の積立ての原則を守ることが不可欠です。毎月1万円で特定の投資信託に投資すると決めた後は、そのパフォーマンスが著しく落ちない限り、できるだけ中長期に継続することが重要になります。

市場や銘柄の分析は単に難しいというだけでなく、どのような突発的な事象が発生するかを予測することも困難であるため、特に初心者の方は自分の予測を投資に反映するのは知識と経験を積んでから慎重に行うのがおすすめです。

3-3 投資方針や目標に合った商品を選ぶ

積立投資で金融商品を選定する際は、リスクとリターンの観点から目標達成に最適な商品を選びましょう。

例えば、「住宅購入資金として15年後に1,000万円を作る」などの目標を立てる場合、毎月の掛金と商品の収益性(利回り)を適切に設定する必要があります。仮に毎月の掛金を4.4万円とした場合、商品の利回りとして3%程度が必要です。

しかし、毎月の掛金として4万円未満が限度である場合、5%程度の利回りが必要になります。3%と5%の商品ではリスクの程度が変わってくるので、場合によっては積立期間を延ばしたり、一部の資金は積立投資以外の方法で調達したりするといった再検討の必要も出てくるでしょう。

3-4 コスト負担の少ない商品を検討する

投資期間が中長期にわたる積立投資では運用コストや解約コストの安い商品を選ぶことが重要です。

例えば、資産運用が初めての方にも人気の積立投信では、購入手数料無料のノーロードと呼ばれる商品が増えています。または、日経平均株価やTOPIXなどのベンチマークに連動するインデックス型の投資信託は、ベンチマーク以上のリターンを目指すアクティブ型よりも手数料が比較的安めとなっています。

このほか、利益に対する税金も実質的なコストになるため、優遇税制が受けられる「つみたてNISA」に対応した商品選びも大切です。つみたてNISAでは、毎年40万円の新規投資額が非課税対象となり最長20年間(2018年~2037年)、最大800万円まで株式投資等で得た利益に税金がかかりません。

3-5 分散投資をしっかり行う

投資対象となる株式や投資信託などについてもしっかり分散化しましょう。

例えば、毎月1万円を投資する場合、想定利回り3%のファンド(投資信託)のみに集中させるのではなく、商品内容やリターンの異なる別ファンドにも分けて投資を行うようにします。

各ファンドの投資対象は、国内・海外、株式・債券・投資信託・不動産投資信託などの資産の種類や配分が異なります。リターン重視なら海外株式や新興国株式を中心としたファンドが対象になりますが、リスク重視なら国内債券や海外債券などを中心としたファンドを選ぶのがおすすめです。

リスク重視のファンドを選ぶだけでは、目標額の達成まで想定以上の時間がかかることもあるので、リターン重視やバランス型のファンドを組み合わせながら分散投資をすることが大切です。

まとめ

積立投資は将来の資産作りに向いている運用手段ですが、その特徴やメリットをしっかり理解して投資に活かさないと失敗する可能性を高めることにもなります。定期・定額の購入を継続すること、分散投資を行うことは長期積立を失敗しないための基本です。特に初心者の方は、運用コストや商品選びも重要なので慎重に検討しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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