タイは東南アジアの中間に位置しています。ミャンマーやラオス、カンボジアやマレーシアなどと国境を接していてベトナムとも近く、513,100 km²の国土面積を持った国です。
主な不動産投資先としては、首都のバンコクとリゾート都市であるパタヤが選択肢として挙げられます。バンコクとパタヤが持つ特徴について解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- バンコク不動産市場のメリット・デメリット
1-1.バンコク不動産市場のメリット
1-2.バンコク不動産市場のデメリット - パタヤ不動産市場のメリット・デメリット
2-1.パタヤ不動産市場のメリット
2-2.パタヤ不動産市場のデメリット - まとめ
1.バンコク不動産市場のメリット・デメリット
バンコクの不動産市場が持つ主なメリットとデメリットについて確認していきましょう。
1-1.バンコク不動産市場のメリット
バンコク不動産市場のメリットとして以下の点を挙げています。
- タイの首都であり、最も人口が多い都市
- 日本人不動産業者も多く投資しやすい
- 鉄道の延伸とともに都市化が進行中
タイの首都であり、最も人口が多い都市
バンコクはタイの首都であり、タイの中でも最も人口が多い都市です。海外からタイに進出してきた企業が最初にオフィスを構えることも多く、外国人もたくさん集まっています。
投資用物件の入居者としては、タイ人と外国人の両方が考えられるため、タイ不動産投資の選択肢としては、空室リスクが低いエリアと言えます。そのほか、バンコクには日系デベロッパーが手がけるプロジェクトや、日系ゼネコンが建設する物件も少なくありません。
日系企業が開発に入っているプロジェクトでは、東南アジアの不動産投資で注意したい竣工リスクや、悪質な不動産会社にだまされるリスクなどを下げられます。物件の見極めができれば、タイ不動産市場の中ではバンコクは比較的低リスクのエリアと言えるでしょう。
日本人不動産業者も多く投資しやすい
タイは日本人の間でも人気が高い国です。首都バンコクには多くの日本人が住んでおり、日本人の不動産エージェントも多く存在しています。
タイ人の商習慣は日本人と比べると異なる部分も多々あり、タイ人エージェントとのやり取りは、投資家にとってストレスになることも多いものです。
このような現地の不動産業者とのやりとりも、日本人エージェントの手を借りられればコミュニケーションのストレスが軽減できます。また、言語の違いから意思疎通に齟齬が生じることもありません。
鉄道の延伸とともに都市化が進行中
バンコクでの移動は自動車もしくは鉄道が利用されています。バンコク市内には「BTS」と「MRT」と呼ばれる鉄道が開通しており、ブルーライン・グリーンラインとも呼ばれています。
そのほか、市内では鉄道整備が進んでおり、2021年以降も既存路線の延伸と新路線の開通が予定されています。バンコク市内でも特に人が集まっているのは、日本人も多いアソークやプロンポンの周辺です。
また、タイの中でも最も人が集まるバンコクでは、鉄道の延伸とともに周辺部へ都市化の波が広がっている状況です。都市化エリアの拡大は、投資用物件の選択肢増加にもつながります。
バンコクはすでに大都市と呼べるほど大きな都市ではありますが、今後さらなる発展が期待されます。
1-2.バンコク不動産市場のデメリット
バンコク不動産市場のデメリットとして以下の点を挙げています。それぞれ詳しくみていきましょう。
- 中心部と外縁部とでは環境が大きく違う
- バンコク中心部ではすでに物件価格が上がっている
- デモが起こると交通インフラが麻痺することも
中心部と外縁部とでは環境が大きく違う
都市化の波が広がりつつあるバンコクですが、2021年時点では交通インフラの整備は道半ばの状況となっています。中心部には日本人を含む外国人もたくさんいますが、外縁部にはまだそれほど多くありません。
また、中心部にオフィスを構えるのはホワイトカラーの企業が中心的ですが、外縁部には自動車工場や物流関連などブルーカラーの企業も多くなります。アクセスの良し悪しから、ホワイトカラーの企業に勤める人の多くは、中心部に住んでいることが予想されます。
外縁部に住む人には現地の低所得者層も多く、家賃の回収リスクがあったり、部屋の使い方がきれいではなかったりします。総じて、バンコク外縁部での投資はリスクが高いので要注意です。
交通インフラの整備を見越してキャピタルゲインを狙った投資も検討できますが、インフラ整備が完了するまでの運用にはややハイリスクであると言えるでしょう。
バンコク中心部ではすでに物件価格が上がっている
タイは、日本人のみならず世界中の外国人からも人気を集める国です。投資資金も世界中から流入してくるため、バンコク中心部ではすでに物件価格が上がっています。
タイ全体の統計ではありますが、Bank of Thailandの「House Price Index」によると、2009年1月の住宅価格を100とすると、2021年1月におけるコンドミニアムの価格指数は186.2です。タイのコンドミニアムは、12年間で約1.9倍まで値上がりしてきていることが分かります。
また、 CIAの統計「People and Society」によると、2020年の推計年齢中央値が39歳と、タイはすでに社会的に成熟へ向かっている状況です。人口増加をベースにした新興国特有の力強い発展が今後も長期的に継続するかは不透明と言えます。
他の東南アジア諸国における不動産投資と比較すると、タイではキャピタルゲインの期待値が小さい懸念もあります。
デモが起こると交通インフラが麻痺することも
バンコクでは、数年おきに政府の変革を訴えるデモ行進が起きており、デモ隊と軍部との衝突が報じられることも少なくありません。デモが起こると交通インフラが麻痺することもあるほか、長期化すれば海外企業がバンコクから撤退してしまうこともあります。
デモ行進の多発は、一時的とは言え物件の資産価値に影響を及ぼすほか、入居者募集に支障が出ることもあるので要注意です。
2.パタヤ不動産市場のメリット・デメリット
タイの不動産市場では、バンコクから南東にあるリゾート地のパタヤでも投資用物件が多く販売されています。パタヤ不動産のメリット・デメリットについて解説します。
2-1.パタヤ不動産市場のメリット
パタヤはリゾート地として世界的にも有名なエリアであり、世界各国から観光客が集まってきます。パタヤビーチに加えてゴルフコースなども有名です。
通常の賃貸運用に加えてホテル運用も見込めます。なお、賃貸運用する以外に別荘としても有効なので、物件の特性や立地に合わせて運用スタイルを選べる点が大きなメリットです。
そのほか、世界的な知名度の高さを鑑みれば、投資の出口戦略として外国人向けの物件売却も視野に入れられます。売却先の選択肢が増える点も、リゾート地特有のメリットです。
2-2.パタヤ不動産市場のデメリット
パタヤの主な産業は観光業であり、観光業は世界経済の影響を強く受けます。世界的に不景気な時は観光客も減ってしまうため、物件の運用益や資産価値に対する影響も大きいものです。
短期賃貸を繰り返すような運用戦略を取る場合は特に、景気動向による影響も強くなります。収益目的でパタヤの物件に投資するのであれば、不景気時の減収も考慮して、他の都市への分散投資を検討してみると良いでしょう。
また、ハワイほどではないものの、パタヤの中でも一部の物件は高額な値段で取引されています。ショッピングモールやビーチが近いなど、立地が良い物件では特に物件価格が上がる傾向がみられます。
市場相場よりも高すぎる物件を購入しないよう、物件選びには注意を払う必要があります。パタヤで物件を選ぶ際には、できる限り日本人エージェントの手を借りるなど、リスクヘッジを図るのが重要です。
まとめ
バンコクとパタヤは、どちらも日本人の投資家が不動産投資を検討しやすいエリアです。しかし、不動産投資先として比較するとそれぞれ異なる特徴を持っています。
バンコクとパタヤとでリスクを比較するのであれば、エリアによっては外的要因の影響を受けにくい点で、バンコクの方が低リスクであると言えます。
しかし、移住や物件の自己利用も視野に入れるのであれば、パタヤも有力な選択肢の1つとなります。投資を少しでも成功に近づけるためには、投資目的とエリアの特徴を照合しながら物件を選ぶのが重要です。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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