投資用マンションについて初心者が知っておきたいポイントは?選び方や管理のコツも

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不動産投資に関してさまざまな情報が飛び交い、マンション投資などでは「自動的に収入が発生する」かのような誤った話も見受けられます。しかし、不動産投資は、物件を購入すれば収入が勝手に入る「金のなる木」などではなく、立派な「事業経営」である点に注意する必要があります。

そこで、ここでは不動産投資の基本を確認しながら、投資初心者がマンション投資を始める前に知っておきたい10のポイントをご紹介し、ビジネスの流れ、マンション投資でのノウハウや事業管理のポイントなどを解説します。

不動産投資で失敗しないためには基本をしっかり押さえることがとても大切です。不動産投資の基本と利益を出すポイントを知ることで長期的な家賃収益を見込める物件購入につなげましょう。

記事目次

  1. 不動産投資について知る
    1-1.不動産投資のキホンは「家賃収入」と「売却」
    1-2.利益は利回りで計算する
    1-3.経費について理解する
    1-4.税金や手数料について知る
  2. 投資用マンションの選び方
    2-1.首都圏と地方のメリットとデメリットを知る
    2-2.新築or中古? 区分or一棟?投資用物件の特徴を知る
  3. 投資用マンションの入居率を維持する
    3-1.空室リスクについて理解して対処する
    3-2.管理業務の重要性を知る
  4. 投資用マンションの事業管理のポイント
    4-1.ビジネスパートナー選びやコネクションの重要性を知る
    4-2.キャッシュフローを管理する
  5. まとめ

1 不動産投資について知る

不動産投資は、賃貸不動産を経営し、家賃収入や売却により収益を得るビジネスです。株式投資やFXは変動幅が大きく「ハイリスク・ハイリターン」の投資ですが、不動産投資は初期費用が大きいものの、毎月一定の賃料収入を見込みやすいことや不動産価格の変動も緩やかであることなどの特徴から「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資と言われます。

1-1 不動産投資のキホンは「家賃収入」と「売却」

不動産投資の主な収入は、投資用物件の家賃収入(インカムゲイン)と、物件を売却する際の売却益(キャピタルゲイン)となります。長期的な家賃収入を得るためには「物件の家賃を高い水準でキープすること」、そして売却益を得るためには「良いタイミングで売却すること」が重要になります。

不動産投資ローンを利用する

収益物件を購入する場合、ワンルームなどの区分マンションでも数千万円の資金を必要とするため、通常は金融機関の不動産投資ローンを利用します。不動産投資ローンは住宅ローンと違って借入限度額は上がりますが、金利も高くなります。なお、住宅ローンは融資の目的が違うので、不動産投資で利用することはできません。

1-2 利益は利回りで計算する

不動産投資の収益は利回りで判断することができます。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、計算方法や利用される場面が違います。

広告に載っているのは表面利回り

投資用不動産は最近ではネットなどの広告に掲載されるようになり、物件探しが便利になりました。この広告に記載される利回りが「表面利回り」ですが、経費や税金などの費用を計算に入れてないため、物件の収益性を判断する「目安の一つ」と考えるのが良いでしょう。

表面利回り=年間収入÷購入価格

広告に記載される利回りを鵜呑みにし、空室率などを確認しないまま物件を購入すると、想定していた利回りに届かない場合もあります。

そこで重要になるのが空室率や諸費用を考慮した「実質利回り」です。

実質利回りで計算することが重要

収益物件を見極めるためには実質利回りで考える必要があります。実質利回りは、経費や税金、空室損などを考慮した指標であり、「表面利回り」よりも計算式が若干複雑になります。しかし、健全な経営を意識した精度の高い計算であるため、物件の収益性を判断する場合は実質利回りでの計算が欠かせません。

実質利回り=(年間収入―年間支出)÷購入価格

1-3 経費について理解する

経費は実質利回りを算出する上で必要不可欠であるため、経費に関する知識を持っておくことも重要です。経費が発生した際には、利回りの変化を計算できるように、経費と実質利回りの関係をしっかりと理解しておきましょう。

必要経費にはどんなものがある?

不動産投資の経費には、大きく分けて物件に関するものと税金に関わるものがあります。例えば、物件に関するものでは「修繕費」「設備費」「減価償却費」、税金に関するものでは「固定資産税」「所得税」「消費税」などがあります。

1-4 税金や手数料について知る

投資用物件の取得で発生する費用は、物件の価格だけではありません。不動産取得には消費税、不動産取得税、登録免許税、印紙税などの税金も発生するため、購入全体にかかる費用は多額になることがあります。そのため、購入前の予算計画の段階から「税金はいくら発生するか」を計算しておく必要があります。なお、消費税は土地にはかからず、建物の部分にのみ課税されます。

不動産取得後の主な税金

不動産は取得後も以下のような税金が発生します。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 所得税
  • 住民税

固定資産税と都市計画税は不動産を所有していればそれに応じて課税され、所得税と住民税は収益に応じて納付します。

不動産の仲介手数料について

投資用物件の取得には不動産仲介業者に支払う手数料も発生します。仲介手数料は物件価格の3%+6万円(+消費税)と上限が法的に決められています。あくまでも上限が決まっているだけなので、それ以下で取引するのも可能ですが、実務では上限額で取引きされています。

2 投資用マンションの選び方

収益マンションを選ぶ際、購入する物件のエリアや物件の種類などが重要になります。

2-1 首都圏と地方のメリットとデメリットを知る

たとえば首都圏は人口が集中しており、中でも東京23区は他県からの流入超過が続いているため、「空室リスクを抑制できる」などのメリットがあります。なお、入居者の入れ替わりが頻繁であるため、「物件の原状回復等の経費負担が大きくなる」などのデメリットがあります。

一方、地方の投資用物件は家賃収入に対して物件を安く入手できるために高利回りを狙いやすいメリットがあります。その他、ローン負担も抑えられるなどのメリットがある一方で、人口が少ないことや将来的に増える見込みも少ないため空室リスクは首都圏よりも高く、投下資本を回収できない可能性が高まるというデメリットがあります。地方での不動産投資は物件・エリア選びをよりシビアに行う必要があり、またローン提供を行う金融機関も限られてくるため、やや難易度の高い投資方法と言えるでしょう。

今後の日本の人口動態を考慮すれば、特に初めて不動産投資を行う方などは、まずは首都圏や23区の物件から検討されてみると良いでしょう。初めに首都圏の物件について詳しく知っておくことで、地方物件を検討する際のメリット・デメリットを比較しやすくなります。

2-2 新築or中古? 区分or一棟?投資用物件の特徴を知る

物件は基本的に新築のほうが人気がありますが、価格が高くなります。一方、中古の場合は人気で劣るものの、価格が安いというメリットがあります。

物件の人気とローン負担のバランスを考えた場合、中古は利回りが高いのは魅力的ですが、新築時よりもやや空室リスクは高まり、修繕が必要になる可能性も高いなど総合的に判断する必要があります。

なお、新築物件が中古扱いになるのは、物件に短い期間でも人が住んだ時点で中古になります。このほか築年数のチェックも大切です。

区分マンションの特徴

区分マンションは購入価格が比較的安く、管理がしやすいことから、不動産投資の初心者に向いている投資といえるでしょう。ただし、取得や管理にリスクが少ない反面、大きな収益があまり狙えないのがデメリットになります。

一棟マンションの特徴

一棟マンションは部屋数が多くなるため、収益が大きくなります。しかし、一棟マンションの場合は共用スペースの管理やエレベーターなどの施設管理も必要になるため、区分マンションに比べれば不動産管理の難易度が上がります。初期費用も高額になり、資金調達のハードルが非常に高いという点はデメリットと言えるでしょう。

一棟アパートの特徴

一棟アパートは一棟マンションほど価格は高くなく、複数戸を所有することになるため、取得難易度と利回りをバランスを取りやすい投資対象です。デメリットとしては都市部からやや外れた住宅街に位置することや、木造のため法定耐用年数が22年となり、マンションの耐用年数47年と比較して短くなるという点が挙げられます。

【関連記事】アパート経営の始め方と必要な資金は?土地あり・土地なしのケースで解説

3 投資用マンションの入居率を維持する

空室が発生すると家賃収入が減る、もしくは無くなるため、収益率が下がります。しかし、固定資産税などの税金は支払い続けなければなりません。

3-1 空室リスクについて理解して対処する

特に区分マンションへ投資をしており、かつ複数戸所有していない場合、1つの投資対象で空室が出れば家賃収入はゼロになってしまうので、急いで次の入居者を探す必要があります。

しかし、マンションは空室が埋まるまでに期間を要する場合があります。長期間に渡って家賃収入が無い状態が続く可能性もあるため、不動産経営をするうえで空室対策は最も重要な要素となります。

効果的な空室対策とは

空室を作らないためには賃貸需要の豊富な物件を選ぶ必要があります。立地では、駅徒歩10分以内、商業施設や金融機関・医療機関に近いなど生活の利便性の高い場所にする、建物の設備では、セキュリティ面を重視した物件や、水回りや収納が充実した物件、24時間ゴミ出し可能など生活面の快適性で競争力のある物件を選択することなどが挙げられます。また、入居付けが得意な管理会社へ委託するということも大切です。

なお、好立地で賃貸需要を見込みやすい物件を購入しようとすると、土地の価格なども高くなるため、相応の取得費用が必要になり利回りは低下します。入居者の呼び込みにはメリットですが、収益にも影響するため、ローン返済も含めた収支計画をしっかり立てる必要があります。

3-2 管理業務の重要性を知る

賃貸経営の管理業務は下記のように多岐に渡ります。

  • 入居者の審査
  • 家賃の集金
  • 滞納者への督促
  • トラブル・クレームの対応
  • 物件の広告活動
  • 共用設備などのメンテナンス等

管理会社へ委託することで、これらの管理業務は代行してもらうことが可能です。しかし、最終的な判断や責任の部分についてはオーナーに帰属するため、管理会社が適切に対応してくれているかどうか、問題が起きていない段階から把握しておくことが重要になります。

収益性と不動産管理の関係

家賃収入は、入居者の快適な生活の対価です。家賃を高水準でキープするためには管理業務の質が重要になります。管理の質が悪くなると物件の状態も悪くなり、空室が発生したり、家賃の減額も検討する必要が出てきます。

また管理業務を不動産管理会社に委託する場合でも、管理会社の仕事ぶりをきちんとチェックすることが大切です。定期的に現地を視察するなど自分の目でチェックすることも検討しておくと良いでしょう。

4 投資用マンションの事業管理のポイント

不動産投資では「情報収集」が何より大切です。情報を上手く収集すれば、下記のような事業の各段階で有利に仕事を進めることができます。なお、「情報」はその真偽を確かめることも重要です。誤った情報に惑わされないように情報リテラシーを高く保つ必要があります。

  • 投資用物件探し
  • 不動産投資ローンの検討
  • 購入の際の予算計画
  • 諸経費・税金の確認
  • 管理会社の選定

なお、情報収集の際には、情報源を一つに依存しないことが大切です。仕入れた情報が古いケースもあり、一つの物事に対して偏った見方をしてしまっているケースもあります。

たとえば、書籍やセミナーなどで情報収集をする場合、新築マンション投資2社と中古マンション投資1社のように分散をしておくことで、新築マンションと中古マンションのメリット・デメリットをそれぞれ聞くことができ、新築マンションのなかでも異なるマンションブランドの強み・弱みや、異なるエリア(都心・郊外)・物件種類(一棟・区分、ワンルーム・ファミリータイプ等)における投資の良し悪しを知ることができます。

このように、マンション投資では正確な情報を入手することや、十分な比較検討を行うためにも、情報源を1社に依存しないということが非常に大切です。マンション投資会社のなかで特徴的な会社を、以下で何社かご紹介しますので、ご参考になさって下さい。

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4-1 ビジネスパートナー選びやコネクションの重要性を知る

不動産投資においてビジネスパートナーと良好な関係を構築することは重要です。例えば不動産屋との良好な関係を保つことで、条件のいい物件の情報を得やすくなり、入居希望者も積極的に紹介してくれることなどが期待できます。

また、金融機関との良好な関係も情報取集に有益です。融資では本人の信用力が判断されるため、担当者と良好な関係を長年維持することで、融資を受けやすくなることもあります。

金融機関と不動産屋の両方を味方につけることができれば、資金調達から物件選定までの各段階で、心強いサポートを受けることができます。

4-2 キャッシュフローを管理する

資金を管理する場合、キャッシュフローで計算することが大切です。キャッシュフローは、一定期間の資金の収支を意味しますが、これをしっかり把握していないと経営が危険になる場合もあります。特に不動産投資を始めたばかり段階は、キャッシュが出て行くことも多いため、細かい管理が重要になります。

最近はネット上で収支シミュレーションを簡単に行えるようになりました。計画の精度を上げるためにも積極的に利用しましょう。なお、シミュレーションは一度きりで終わらせるのではなく、上記に挙げた賃貸事業の各段階で適宜行うようにしましょう。

5 まとめ

不動産投資では、「物件選び」「入居率の維持」「事業の管理」が基本となります。マンション投資で利益を上げるためにも、今回ご紹介したポイントを参考に、十分に納得の行くまで検討を重ねてからスタートを切るようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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