屋根リフォームの種類や費用の目安は?工事のタイミングや注意点も

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屋根は住宅リフォームの中でも、高額な修理費用が発生しやすい箇所です。屋根リフォームにどれくらいの費用がかかるのか、またどのようなタイミングで実施すれば良いのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで当コラムでは実際に屋根工事の実務作業を経験した筆者が、屋根リフォームに関する概要や注意点などを解説していきます。これから屋根リフォームを検討している方に、参考としてお役立ていただければ幸いです。

目次

  1. 屋根リフォームの種類・費用の目安
    1-1.部分補修
    1-2.屋根塗装(20〜50万円)
    1-3.屋根カバー工法(60〜100万円)
    1-4.葺き替え工事(100万円〜)
  2. 屋根リフォーム工事のタイミング
    2-1.雨漏りの発生
    2-2.塗膜の劣化
    2-3.屋根材や防水シートの経年劣化・破損
    2-4.地震対策を施したい時
  3. 屋根リフォームの注意点
    3-1.高額な修理費用が発生する
    3-2.パミールは屋根塗装ができない
    3-3.アスベスト含有の屋根材は処分費用が高額
    3-4.塗装工事は悪徳業者に注意
    3-5.足場設置時には他工事も検討
  4. まとめ

1.屋根リフォームの種類・費用の目安

1-1.部分補修

屋根は漆喰工事や割れた屋根材の補修など、屋根リフォームは部分補修やメンテナンスといった軽度の補修であれば比較的低価格で工事が行えます。屋根の部分補修やメンテナンスの費用の目安としては、以下の通りです。

  • 漆喰交換:3000〜5000円(1/㎡)
  • スレートの差し替え:4〜20万円
  • 瓦の差し替え:4〜20万円
  • 軒天の部分補修:2〜8万円

瓦屋根の棟と呼ばれる箇所は漆喰の経年劣化が進むと剥がれてしまう恐れがあるため、15年〜20に1度を目安に交換工事が必要です。ただし、屋根の部分補修はメンテナンス要素が強く、屋根トラブルが生じている場合には根本的な解決ができない可能性が高いため注意しましょう。

1-2.屋根塗装(20〜50万円)

屋根材自体には防水性がないため、表面の塗膜が劣化するとサビや腐食といった経年劣化を引き起こしてしまいます。例えば、金属屋根の場合、表面の屋根塗装が剥がれてしまうと空気中の酸素や雨水と金属が化学反応により結合してしまいます。つまり、サビによる腐食が生じやすい環境になるため、サビの進行による穴あきが原因で雨漏り被害が発生するといったトラブルがおきる可能性があるのです。

塗装できる屋根材であれば、屋根塗装によるメンテナンスが実施できます。下記、屋根塗装が施せる屋根材の事例です。

  • スレート(カラーベスト)
  • 金属屋根(トタン・ガルバリウム等)
  • セメント瓦

屋根塗装は直接屋根材を空気や雨水に触れさせないよう、最前線としてバリアに似たような役割を果たします。屋根塗装ができる屋根材は、定期的な塗装を施すと物理的耐用年数の向上を期待できるでしょう。

加えて、遮光や低汚染性といった機能性を持つ塗料も存在します。特に外壁より紫外線や雨水などの過酷な自然影響を直接受ける屋根は機能性塗料と相性が良いのがポイントです。

1-3.屋根カバー工法(60〜100万円)

既存の屋根材の上に新たな屋根を張る屋根のメンテナンス工事を、屋根カバー工法と呼びます。スレート材やアスファルトシングルを使用した屋根で、経年劣化が比較的軽度な場合に用いられる工事です。

屋根カバー工法は既存の屋根材を撤去する工数がないため、安価に屋根のリフォームができます。処分費用が高額なアスベスト材が含まれている屋根の場合、屋根カバー工法であれば廃材が発生する解体を避けてリフォームできる屋根工事です。

また施工時間も早く、短期間で工事が終わるのも屋根カバー工法のメリットでしょう。屋根が二重になるため、遮音性や遮熱性も向上します。

注意点として屋根カバー工法は2回目が施工できない点や、次回屋根リフォームで葺き替えを実施する場合は解体費用が倍になる可能性があります。屋根の重量も重たくなるため、耐震性が落ちるのも押さえておきたいデメリットです。

また屋根材と防水シートの下に備わっている「野地板」が傷んでいる場合には、後述する葺き替え工事の実施が推奨されるでしょう。

1-4.葺き替え工事(100万円〜)

葺き替え工事とは既存の屋根材を撤去し、新たに屋根材を施す屋根リフォームです。既存の屋根材を撤去できるため、防水シートや野地板といった下地の張り替えができる唯一の屋根リフォームとなります。

耐用年数以上経過した防水シートや野地板といった下地部分を一新できるため、雨漏り原因を解消し屋根と住宅の寿命を大きく伸ばせる工事です。また新たな屋根材に交換する際に重量が重たい瓦屋根から軽量の屋根材に変更し、耐震性を向上できます。

セメント瓦といったデメリットの多い屋根材の場合には、耐用年数が長く軽量な屋根材へ葺き替える恩恵が大きいのも押さえておきたいポイントです。注意点として屋根リフォーム工事の中でも高額な費用が発生する点や、工期が長いといったデメリットを抱えています。

雨漏りが発生している屋根は屋根材や防水シートが著しく経年劣化している可能性が高いので、確実に雨漏りを止めるためには葺き替え工事が推奨されるでしょう。

2.屋根リフォーム工事のタイミング

2-1.雨漏りの発生

雨漏りが発生した際には、速やかな屋根リフォームの実施が求められます。なぜなら住宅内部に雨水が浸入すると、屋根以外の箇所を次々と腐食してしまうためです。

例えば、内装天井や外壁は水分を含むとあっという間に腐食して穴が空いてしまうため、雨漏りを放置し続けると崩壊を引き起こすリスクが高まります。さらに水分を含んだ木材はシロアリのターゲットになるため、柱や土台の内部を傷めてしまう可能性もあります。

雨漏りを長期間放置し続けると、基礎の腐食や住宅の傾きといった高額修繕が発生するような重大な欠陥に繋がることも想定されます。重大な欠陥が発生した物件は修繕が難しいうえに資産性も落ちるため、売却の際にも値段が大きく下がってしまいます。

田舎では放置された空き家が崩壊している事例もありますが、崩壊の要因としては長年放置した雨漏りにより引き起こされるケースも多く見られます。雨漏りが発生した住宅は、できるだけ速やかな屋根リフォームの実施が求められるでしょう。

2-2.塗膜の劣化

スレートや金属屋根など表面の塗膜が劣化・退色が生じた場合にも、屋根塗装のリフォームを検討する一つのタイミングです。理由として、退色した屋根は水捌けが悪くなっている可能性が高く、放置すると苔やサビの増殖がしてしまう恐れがあるためです。

特にスレートに付着しやすい苔は、発生すると水がとどまりやすくなります。スレートや金属屋根といった屋根材自体には、防水機能がありません。表面を保護している塗膜が剥がれてしまうと、屋根材の腐食が進行してしまいます。

スレートの場合は保湿と乾燥を繰り返し、屋根材が変形してしまう恐れもあります。また、金属屋根はサビによる腐食が生じてしまいます。塗膜が劣化したスレートや金属屋根は、早めの塗装屋根リフォームを検討したい箇所と言えます。

2-3.屋根材や防水シートの経年劣化・破損

台風被害や経年劣化により屋根材が破損した場合も、屋根リフォームを実施するタイミングとなります。屋根材が破損している場合、適切な排水が行えず雨水の浸入経路になる恐れがあります。

一部分であれば、修理費が安価な部分補修も検討できます。また、経年劣化による屋根の不具合は火災保険の対象外ですが、強風や雹害であれば保険を適用した屋根リフォームができる可能性があります。

過去に台風被害により屋根に不具合が発生している場合は、保険を活用した修理ができるかどうかも、屋根リフォームを依頼する業者へ相談してみると良いでしょう。

2-4.地震・台風などの災害対策を施したい時

地震・台風などの災害対策を施したい時にも、屋根リフォームが検討できます。例えば古い瓦屋根の場合、大きな地震が起きたり、台風の強風によって屋根が損傷してしまう事例が見られています。

このような住宅の災害対策として、全日本瓦工事業連盟では「委瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」によって、災害に強い瓦屋根の工法を定めています。2021年にもこのガイドラインは改定されており、同会の「委令和4年福島県沖を震源とする地震による瓦屋根被害調査報告書」によると、被害にあった19,048棟のうち、ガイドラインに準拠した瓦屋根住宅については外見上の損傷が見られなかったと報告されています。

地震・台風に対する住宅のリフォームの基準は年々上がってきています。住宅が古くなってきている場合には、災害対策として屋根のリフォームを検討したいタイミングとなり得るでしょう。

3.屋根リフォームの注意点

3-1.高額な修理費用が発生するケースも

屋根リフォームは軽度な部分補修をのぞいて、高額な修理費用が発生するケースが多い工事です。特に防水シートが耐用年数をむかえる築20年を大幅に経過した住宅は年劣化が進み、葺き替え工事以外の屋根リフォームができないケースもあります。

葺き替え工事は屋根の状態を一新できる反面、高額な工事になる可能性が高い屋根リフォームです。高額な屋根修理を未然に防ぐためにも、定期的に屋根のメンテナンスを行うことが大切です。

3-2.パミールは屋根塗装ができない

屋根塗装のリフォームが選択肢となるスレート材の中でも、パミールと呼ばれる建材が使用されている場合は、屋根塗装ができません。パミールとは屋根材大手メーカーのニチハから1996年~2008年の間に販売された屋根材です。

当時アスベストの規制により、アスベスト無含有の屋根材として開発された屋根材ですが、強度の問題が指摘され製造が中止されています。

3-3.アスベスト含有の屋根材は処分費用が高額

住宅の屋根材にアスベストが含まれている場合は、高額な廃材処分費用が伴います。アスベストとは健康被害が発生するリスクが高いため、2004年以降に法的に禁止された建材の素材です。(※参照:環境省「安衛法施行令」の改正)

アスベストは処分できる施設が限られており、通常の屋根材と比較すると2倍近くの廃棄処分費用が発生します。目安としては40坪程度の面積で、40〜70万円の処分費用が屋根リフォームと別に必要です。アスベスト含有の屋根の葺き替え工事を実施する場合は、高額な処分費用が発生する可能性が高いことに注意しましょう。

3-4.塗装工事は悪徳業者に注意

外装工事の中でも塗装工事は不正がわかりにくいため、手抜き工事や予定と異なる塗料を使用する悪徳業者が多い工事です。特に屋根塗装は外壁とセットで実施するケースが多いため、経年劣化した外壁の再塗装のついでという形で、悪徳業者が塗装を推奨してくるケースもあります。

必要な工程を飛ばした手抜き施工が実施された塗装は、施工後から徐々に不具合が発覚していきます。最悪のケースでは短期間で再塗装が必要になったり、リフォーム業者が補修に応じてくれないなどのトラブルが発生するケースも見られています。(※国土交通省「住宅に関わる消費者相談体制について(参考資料)」)

3-5.足場設置時には他工事も検討

高所作業に必要な足場は、一度の設置費用が20万円前後と高額です。屋根リフォーム以外に高所作業が必要な工事を後から実施する場合は、工事のたびに足場の設置費用が伴います。

足場設置が必要な工事は、まとめて屋根リフォームの際に実施すると足場の設置費用を最小限に済ませることが可能です。例えば外壁塗装やシーリング交換は高所作業が伴うため、屋根リフォーム時にあわせて工事を実施することで足場設置費用を最小限におさえられます。

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まとめ

屋根の不具合は雨漏りによる住宅の寿命を縮める可能性が高く、住宅リフォームの中でも優先度が高い工事です。実際の費用は工法や屋根材の種類によって異なりますが、定期的にメンテナンスを行っておくことで重大な欠陥を未然に防ぎ、結果的にコストを抑えられます。

一方、重大な欠陥が起きている住宅である場合や、使用されている屋根材の種類によっては、施工費用が高額になることがあります。また、悪徳業者に依頼してしまうと、適切な補修を行ってくれずにトラブルに発展してしまうケースもあります。

住宅の劣化状況にあわせて、適切な工事方法の選択と信頼できる施工業者選びが重要になります。屋根工事の基本情報と注意点を押さえた上で、屋根リフォームの実施を検討してみましょう。

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HIROTSUGU

過去に屋根工事・防水塗装・リフォーム業へ携わった現場経験を元に、20代で中古戸建物件を購入し初期費用を安価に済ませるDIYで不動産賃貸業を開始。不動産投資の他に暗号資産や投資信託、FXなど多彩な資産運用経験を元にフリーライターとして執筆活動を行なっています。