不動産投資の方法には、実際に不動産を所有して運用する方法だけでなく、不動産ファンドに出資して間接的に運用する方法があります。
不動産ファンドがどのような仕組みで運用されているのか、また個人が投資しやすいファンドにはどのような種類があるのか、分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、不動産ファンドの仕組みや少額投資が可能なサービスについて解説します。不動産ファンドに興味のある方は、ご参考ください。
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※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 不動産ファンドの仕組みとは?
- 主な不動産ファンドの種類
2-1.J-REIT(不動産投資信託)
2-2.私募不動産ファンド
2-3.不動産投資型クラウドファンディング - 個人でも投資しやすい不動産ファンド
3-1.匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディング
3-2.J-REIT(不動産投資信託) - まとめ
1.不動産ファンドの仕組みとは?
不動産ファンドとは、ファンド運用者が複数人から資金を集めて不動産を購入して運用し、出資者へ分配金や配当を行う、資金運用方法の一つです。
実物不動産投資は不動産を自分で購入しますが、不動産ファンドは自分で不動産を購入するのではなく、基本的にはファンド運用会社が所有します。なお、各出資者に共有持分として所有権を帰属させる「任意組合型」の不動産ファンドもあります。
いずれの運用方法であっても、ファンド運用会社は所有した不動産を運用し、その運用益や売却益を出資者に対して分配する、という基本的な仕組みに違いはありません。
小口出資を行うため、少額資金でも不動産運用の利益を期待することが出来る点や、個人では取得が難しいホテルや物流不動産、商業施設などを投資対象とすることも出来るため、人気の高い投資手段となっています。
2.主な不動産ファンドの種類
2-1.J-REIT(不動産投資信託)
不動産ファンドの代表的な運用対象として、J-REIT(不動産投資信託)があります。J-REITは運営会社が市場に上場しており、株式のようにファンドの売買が可能です。最低投資金額は10万円台という銘柄もあり、実物不動産と比較して少額資金でも投資が可能です。
市場では常に相場が変動しており、売買の結果次第でキャピタルゲインとインカムゲインの両方が狙えます。
2-2.私募不動産ファンド
私募不動産ファンドは、不動産会社などが自社の顧客に対してなど、限られた範囲の人を対象に募集するファンドです。その種類は多様であり、場合によっては数十億円規模のファンドもあります。
ただし、ファンドの募集情報は公に公開されないため、誰しもに投資機会があるわけではありません。また、最低出資金額が数千万円などの多額になることもあり、ハイリスク・ハイリターンな投資になる傾向があります。
2-3.不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングは不動産特定共同事業法に則り、不動産会社がクラウドファンディング形式で投資家から不動産購入資金を募集します。
最低1万円から投資できるプラットフォームも多く、投資家は出資したお金に応じて、定期的に分配金を受け取ることができます。少額不動産を始めたい方に適した投資対象の一つです。
また、不動産特定共同事業法に基づいた不動産投資型クラウドファンディングには、匿名組合型と任意組合型の2種類があり、大まかには下記の違いがあります。
- 匿名組合型:共有持分を取得しない
- 任意組合型:共有持分を取得する(不動産の所有権が投資家に帰属する)
任意組合型の場合は実際に不動産を所有できるというメリットがありますが、不動産の登記費用や不動産取得税などの税金がかかる点がデメリットと言えます。このような違いから、より手軽に投資可能な形式として、2022年6月時点で多くの不動産クラウドファンディングサービスでは匿名組合型が採用されています。
3.個人でも投資しやすい不動産ファンド
不動産ファンドには先に挙げたようにいくつかの種類があります。その中でも私募ファンドは情報が公に公開されていないため、積極的に投資を検討するのは難しいと言えます。
そこで、1~10万円など比較的に少額からの投資が可能であり、情報が公に公開されている匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITについて、ここでは説明します。
3-1.匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディング
匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングは、不動産会社が不動産特定共同事業法や第二種金融商品取引業登録に則って運用している匿名組合型のファンドです。
1万円など少額から投資が可能であり、投資家は定期的にインカムゲインを得ることができます。任意組合型の不動産投資型クラウドファンディングもありますが、こちらは出資金額が100万円単位など、やや高額な傾向があります。
不動産投資型クラウドファンディングのメリット
不動産投資型クラウドファンディングの大きなメリットは最低投資金額が低く設定されている点です。1万円から投資可能というサービスも多く、特定の不動産を投資対象とした運用方法としては非常に少ない資金での運用が可能となっています。
想定利回りは年利3~8%のものが中心です。なお、運用対象の物件の種類や立地、運用方針(インカムゲイン重視、キャピタルゲイン重視)などによって利回りは変わります。
収益は家賃収入を分配するインカムゲインが中心ですがそれだけではなく、不動産を売却して得た売却益も投資家に分配するサービスもあります。
不動産投資型クラウドファンディングのリスクや注意点
不動産クラウドファンディングは、不動産の運用を不動産会社が行うため、自分で不動産を直接運用できません。不動産のプロが代理で運用を行ってくれる点はメリットですが、必ずしも利益が出るとは限らないため、どのような不動産を最初に選ぶかを慎重に検討する必要があります。
出来るだけリスクを低く抑えたい場合は、例えば、優先劣後出資の割合が大きいファンドや、担保性の高い物件を運営しているファンドを検討されてみると良いでしょう。ただし、低リスクの運用対象となるほど、期待利回りも低く設定される傾向がある点に注意が必要です。
【関連記事】不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の8社を紹介
また、J-REITは売却して現金化が自由にできますが、不動産クラウドファンディングは一部のサービスを除いてファンドのキャンセル(途中解約)や、第三者へ出資分を譲渡することが出来ません。余裕資金で投資を行うか、途中解約にも対応しているサービスを検討されてみると良いでしょう。
【関連記事】途中解約(キャンセル)ができる不動産投資型クラウドファンディング2社
3-2.J-REIT(不動産投資信託)
J-REITとは、日本(JAPAN)のJと「Real Estate Investment Trust」の頭文字を合わせた用語です。不動産投資のための法人を設立し、その不動産投資法人は証券取引所に上場しています。そのため市場での売買が可能であり、通常の株式投資と同じ性質を持っています。
投資家は不動産投資法人の銘柄を購入することで、投資できます。不動産投資法人は投資家からの資金をもとに不動産を購入し運用を行い、家賃収入や売買益を投資家に分配金として支払います。
J-REITのメリット
J-REITは実際に実物不動産を取得しないため、自分で不動産を運用する必要がありません。不動産投資型クラウドファンディングと同じく、少額資金で不動産投資を行えるという点がメリットと言えます。
また、J-REITを運営する不動産投資法人では、不動産運用の利益を90%以上分配すると分配金が経費化されるために、不動産投資法人は利益の大半を分配します。(租税特別措置法 第67条の15 投資法人に係る課税の特例)そのため株式投資分配率よりも高めに設定される傾向があります。
また証券市場に上場して銘柄が売買されているので、自分の購入したJ-REITの銘柄が値上がりすれば売却益を得ることも可能です。さらに、株式投資と同様に、投資した銘柄によってはホテルのサービス券などファンドの種類に応じた優待を受けられることもあります。
J-REITのリスクや注意点
J-REITは市場に上場しており、常に売買されています。そのため市場の空気を敏感に受け、基準価額が大きく値下がりすることもあります。例えば、2020年上半期のいわゆるコロナショック時には東証REIT指数が1ヶ月で約半値まで値下がりしています。
運営対象の不動産の種類によって、相場のボラティリティが高いもの、低いものと差があるので変動の傾向をチェックしておきましょう。J-REITは定期的な分配金を期待することができますが、上下幅が大きい銘柄を買うと、積み重ねた分配金収入を短時間で失ってしまう可能性もあります。
一方、不動産投資型クラウドファンディングでは運用期間中の途中解約(売却・譲渡)が出来ないという点がデメリットでしたが、上場していないため基準価額の値下がりが起きることはありません。このような性質の違いにも注意して投資対象を検討されてみると良いでしょう。
【関連記事】J-REITの人気ファンドは?販売金額上位10本の成績を比較
まとめ
不動産ファンドに投資すれば、自分で不動産を直接購入したり、直接運営したりする必要もなく、手間をかけずに不動産の運用益を期待することが可能です。
J-REITや不動産投資型クラウドファンディングは個人投資家も投資検討しやすい不動産ファンドです。特にJ-REITは市場での売買が可能であることから現金化も容易であり、流動性が高い投資対象となります。
一方、J-REITは不動産市況の変化や相場の変動により、不動産価格が下がれば損失が起こることもあります。ファンドの規模も大きいため、個別の不動産情報を細かく精査したい方や、市況の変化で売買を行いたくない方は不動産クラウドファンディングを検討されてみると良いでしょう。
いずれの場合も、選定する銘柄やファンドについてしっかりと情報を集めることが大切なポイントです。一つのファンドに資金を集中させず、投資先の分散や時期を分散して損失を小さくする対策を忘れないようにしましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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