古くなった不動産を高く売る方法は?3つの改善ポイントとコツを紹介

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日本では新築不動産を好む人も多く、築年数が経過した不動産売却では希望金額を大きく下回ってしまったり、売却が長期化してしまったりなどのケースがあります。

この記事では、築何年以上の不動産が古いと判断されやすいのかというポイントや、古い不動産を売却するために考えられる対策などについて解説します。

目次

  1. 不動産の築年数と価格について
    1-1.築何年からが築古不動産?
    1-2.築古不動産はどのくらい価格が下がる?
  2. 古い不動産の売却で改善できるポイント
    2-1.旧耐震基準の物件
    2-2.戸建は更地にしてから土地として売却する方法も
    2-3.賃貸に出し投資用不動産として売却する
  3. 古い不動産を高く売却する時のコツ
    3-1.古い不動産の取扱経験が豊富な不動産会社に依頼
    3-2.不動産買取のサービスを利用する
    3-3.不動産一括査定サイトで複数社に査定を依頼する
  4. まとめ

1.不動産の築年数と価格について

まず、不動産は築年数が何年たつと「古い」と判断されやすくなるのか、また古くなるとどの程度価格が下がるのかについて解説します。

1-1.築何年からが築古不動産?

不動産の新旧を表現する言葉として「築古」というものがありますが、築何年の建物からが築古に分類されるのかという定義は特に法律や条例などによって定められていません。

しかし、築年数が何年に達すると市場評価が落ちるのかというデータに基づいて判断すれば、どの程度築年数が経過した不動産が築古と感じられやすくなるのか、判断することができます。東日本不動産流通機構の資料によると、2022年7月から9月の首都圏における築年数別の不動産成約価格は以下の通りでした。

※参照:同上

2022年7月~9月の期間という非常に限定的な期間の取引価格になりますが、マンションは築20年以降、戸建は築25年以降の値下がりが顕著に見られます。

そのほか、国土交通省の「我が国の住宅ストックをめぐる状況について」においても下記のような記載があります。

流通市場において、戸建住宅が一律に経年減価し、築20年~25年程度で市場価値がゼロとなる慣行が存在

以上の2点の指摘から、おおよそ20年~25年を目安に築古に分類されやすくなると考えることができます。

1-2.築古不動産はどのくらい価格が下がる?

前項で解説したグラフのデータを表にすると以下のようになります。

中古マンションの成約価格

築年数 成約価格
~築5年 6,752万円
~築10年 6,073万円
~築15年 5,654万円
~築20年 5,426万円
~築25年 4,506万円
~築30年 3,054万円
築30年~ 2,258万円

※参照:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2022年07~09月】

中古マンションの方は築15年と築20年の間で価格の下落率が約4%となっている一方、築20年と25年との間で価格の下落率は約17%になっています。また、築25年と30年との間の価格下落率は約32%です。

築20年以上が経過すると中古マンションは加速度的に値下がりしていき、築30年以上が経過すると値下がりはある程度落ち着くことがわかります。

中古戸建の成約価格

築年数 成約価格
~築5年 4,753万円
~築10年 4,851万円
~築15年 4,280万円
~築20年 4,078万円
~築25年 4,299万円
~築30年 3,301万円
築30年~ 2,467万円

※参照:同上

中古戸建の場合は築10年以降値下がりが顕著になるものの、築15年から25年の間で大きく価格は変わっていません。しかし、築25年と30年との間で価格の下落率は約23%となっており、築30年と30年以上との間にある価格下落率も約25%です。戸建の場合は築25年が1つのボーダーラインになると考えられます。

2.古い不動産の売却で改善できるポイント

古い不動産を売却できるようにするため改善できると考えられるポイントや、売却につながる可能性を高める方法などについて解説します。

2-1.旧耐震基準の物件

築古不動産の中でも、1981年5月末より前に建築確認を取得したものは旧耐震基準と分類されます。旧耐震基準の不動産は震度5強の揺れに耐えうる構造設計がされている一方、新耐震基準の構造は震度6強~7程度の揺れにも耐えうるものです。

旧耐震基準の不動産はローン審査に通りにくいなどデメリットがあり、資金調達の難易度が高いことから買手が付きにくく、値下げせざるを得ない場合もあります。

このような旧耐震基準の不動産を少しでも高く売却するためには、耐震補強を行うのも1つの方法です。しかし、耐震補強工事には大きなコストがかかる上に、建物の外観に影響が出ることもあるので慎重に検討する必要があります。

なお、マンションの場合は1部屋だけ耐震補強工事が施工されてもあまり意味を持ちません。旧耐震基準マンションの場合は、例えば水回りだけはリフォームしておくなど、耐震性とは別の観点から物件を現代に適合させる必要があります。

ただし、リフォーム費用を売却価格に転嫁すると市場相場より高くなってしまうこともあるので、費用対効果のバランスを考えることが重要です。

2-2.戸建は更地にしてから土地として売却する方法も

例えば戸建住宅で古くなっている場合は、建物を取り壊して更地として売却する方法もあります。古い建物が建っている土地よりも更地の方が自由に使えると考える買手もいます。更地にする方が買手候補の幅が広がることもあるでしょう。

ただし、取り壊しには費用が掛かるため慎重に検討する必要があります。リフォームをする場合と同様、これらの費用が売却価格に上乗せできるかどうか確認してから実行されると良いでしょう。

なお、建物を取り壊さなくても「古家付きの土地」として売却する方法もあります。古家付きの土地として売却する場合は、取り壊し費用が掛からず、事情が変わった場合は売却の取りやめができる点などにメリットがあります。

また、土地を探している人と家を探している人の両方が買手候補になる点は、同じくメリットになると言えるでしょう。

2-3.賃貸に出し投資用不動産として売却する

居住用の不動産として売却が難しい場合には、賃貸に出して投資用不動産として売却を行うのも一つの方法です。この場合、実際に居住される方だけでなく投資家も買主候補とすることができるため、購入検討者の幅を広げることに繋がります。

賃貸不動産は収益性をベースに査定が行われるため、投資用物件としての実績があると高値売却に繋がることがあります。なかなか売却ができない物件であれば、検討されてみると良いでしょう。

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3.古い不動産を高く売却する時のコツ

古くなった不動産を少しでも高く売却するため考えられる方法について解説します。

3-1.古い不動産の取扱経験が豊富な不動産会社に依頼

古い不動産を売却するためには、築浅の不動産とは差別化するための工夫が必要になることがあります。差別化するための工夫とは、その物件特有の長所をアピールすることとも言えます。

古い不動産の長所をアピールするためには、古い不動産の売買を取扱ってきた経験やノウハウが必要です。売却を依頼する不動産会社を選ぶ段階で、取扱実績に古い不動産がどれくらいあるか確認しながら比較すると良いでしょう。また、古い不動産のアピール方法について具体的に確認することも有効です。

3-2.不動産買取のサービスを利用する

不動産会社に相談した結果、売却がどうしても難しそうな場合は不動産買取のサービスを利用するのも1つの方法となります。

不動産買取とは不動産会社が売主から直接物件を買い取る方法のことで、買手を探す必要がないため短期間で売却完了できる点が特徴的です。また、不動産買取で売却する場合は、古い不動産のリフォームや取壊しなどは不動産会社がすることになるため、売主はその費用を負担する必要がありません。

ただし、不動産買取で売却する場合は、買手を探して売却する場合よりも価格が2割~3割前後下がることが多くなります。確実に売却できる反面、売却価格が安くなる点には要注意です。

3-3.不動産一括査定サイトで複数社に査定を依頼する

不動産一括査定サイトでは、同時に複数の不動産会社に査定を依頼することができ、査定価格や査定の根拠を簡単に比較することが出来ます。築年数が経過して古くなった不動産も複数の不動産会社へ同時に依頼することで、高値売却や早期売却に繋がることがあります。

不動産会社によって物件タイプやエリアなどの面で得意分野が異なるため、不動産一括査定サイトを活用しながら不動産会社の比較を行うと良いでしょう。なお、前述した買取を検討するのであれば、買取対応しているかどうかも併せて確認されてみると効率的です。

下記、主な不動産一括査定サイトの一覧です。下記のサイトは全国エリアに対応しており、悪質な不動産会社の排除を積極的に行っている特徴があります。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
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まとめ

築年数別の売却価格を鑑みると、不動産は築20年~25年を過ぎると「古い不動産」に分類されると言えます。高く売ることを考えるのであれば、不動産が古くなる前に売却されてみることも考えておくと良いでしょう。

しかし、既に古くなった不動産を売却するのであれば、「古家付きの土地」として売り出す方法や、不動産買取のサービスを利用するなどの方法があります。どちらの方がより希望に沿った売却につながるのか、不動産会社と相談しながら決めていきましょう。

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