モンゴル不動産投資の注意点は?外国人の所有権や売買条件について解説

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モンゴルは不動産需要の拡大に伴うキャピタルゲインを期待できる投資先です。しかし、東南アジア諸国と比較すると、環境や制度などにモンゴル特有と言えるポイントが複数あることも事実です。

リスクを把握するためには、外国人に対する規制なども理解することが重要になります。この記事では、モンゴル不動産投資に関する注意点や規制などについて解説します。

目次

  1. モンゴル不動産投資の注意点
    1-1.空室リスクに要注意
    1-2.出口戦略の策定が重要
    1-3.情報収集に要注意
    1-4.為替リスクがある
  2. モンゴル不動産投資に関する外国人向けの規制
    2-1.外国人は土地を所有できない
    2-2.二重課税に要注意
  3. モンゴル不動産投資の注意点やリスクの対策
    3-1.モンゴルの情報に詳しい不動産エージェントに仲介を依頼する
    3-2.不動産投資型クラウドファンディングで間接的に投資する
  4. まとめ

1.モンゴル不動産投資の注意点

モンゴルはアジアの中でも特に人口増加が著しく、今後不動産需要の拡大が見込まれる国です。しかし、2021年時点で投資を検討するのであれば、複数のリスクに注意を要します。

1-1.空室リスクに要注意

途上国であるモンゴルは、他の先進国と比較して裕福な国というわけではありません。世界銀行の統計によるとモンゴルにおける2018年の貧困率は28.4%で、2021年時点では、長期的な改善目標に向けて政策が推進されている状況です。(※参照:世界銀行「Mongolia Poverty Update」)

モンゴルでは多くの国民が「ゲル」という伝統的なテントに住んでおり、モンゴル政府としては、ゲルから建造物の住宅への定住者を促したい考えを持っています。しかし、2016年〜2018年にかけては、郊外の農村部などでは貧困率が改善したものの、都市部では改善が進んでいません。

新興国では、都心部の高級物件が投資用物件として販売されていることが多く、モンゴルも例外ではありません。モンゴル不動産投資では、首都ウランバートルの高級物件などが投資対象となります。

しかし、高級物件の家賃を払い続けられる人は現地に限られているため、モンゴル不動産投資では空室リスクに要注意です。投資にあたっては、入居者ターゲットと入居者の募集に関して、不動産エージェントや管理会社と話し合う必要があります。

1-2.出口戦略の策定が重要

日本と比較するとモンゴルは厳しい気候条件を持っています。降水量が日本と比較すると非常に少なく乾燥しており、建物の劣化に要注意です。また、夏は気温が40度など大きく上がる一方で、冬は-30度まで下がるなど寒暖差が非常に大きくなっています。

このような気候条件の厳しさから、日本の不動産よりも建物の劣化が早く進むと考えられるため、物件の長期保有を前提とすると修繕費の膨張による赤字収支に要注意です。

モンゴル不動産は今後の値上がりなども期待できますが、物件の劣化リスクなども考慮すると、売却に関する出口戦略も考えておくことが重要になります。

1-3.情報収集に要注意

モンゴルの公用語はモンゴル語です。モンゴル不動産投資では、公的な資料がモンゴル語で表記されている点などに注意を要します。

海外不動産投資の情報を収集する上では、政府統計など公的なデータを比較しつつ、投資先の国を絞ることも必要です。また、マレーシアやフィリピンなど、英語が広く通用する国では統計が英語で書かれていることも少なくありません。

しかし、モンゴル政府が発行している政府にはモンゴル語でしか書かれていないものもあり、モンゴル語にあまり馴染みのない日本人が資料を読解するのは、手間のかかる作業と言えます。

そのほか、現地進出済みの企業でないと、現地不動産会社の見極めが難しい点にも要注意です。モンゴル企業の信用情報は中央銀行が管理しているものの、中央銀行所管の信用情報局会員でないと情報にアクセスできません。

その一方で、特に中小企業を中心としたモンゴル企業の情報は、政府が管理するデータベース以外ではほとんど見つけられない実態があります。モンゴル不動産投資の情報を収集するためには、現地に進出している日系企業など、信頼できる不動産エージェントを見つけることが重要です。

1-4.為替リスクがある

海外不動産投資では、どの国で投資するとしても為替変動のリスクに注意を要します。モンゴルの通貨はモンゴルトグログです。

モンゴルトグログは長期的に価値が下がっており、2021年時点ではあまり強い通貨と言えません。モンゴルトグログの対米ドルレートは以下グラフのようになっています。

モンゴルトグログの対米ドルレート

※画像引用:外務省「モンゴル経済指標

参考までに、外務省のデータによるとマレーシアリンギットは1ドル=MYR4.14で、タイバーツは1ドル=THB31.3となっています。(※参照:外務省「マレーシア(Malaysia)基礎データ」「タイ王国(Kingdom of Thailand)基礎データ

東南アジア各国の通貨と比較しても、モンゴルトグログはあまり価値が高くないと言えます。モンゴル不動産投資を検討するのであれば、利回りだけではなく日本円に換算した時の手残りも考慮して検討しましょう。

2.モンゴル不動産投資に関する外国人向けの規制

モンゴル不動産投資で要注意の規制は、土地の所有に関するものと税金に関するものです。それぞれについて解説します。

2-1.外国人は土地を所有できない

モンゴルでは憲法にて「モンゴルのすべての土地は国家のものである」旨が定められており、土地を国民に配分しています。そして、個人と法人とを問わず外国人には土地の所有を認めていません。

一方で、条件を満たした外国人に対して土地の「利用」のみが認められています。なお、土地の利用にあたっては政府が利用期間を決定するほか、法律上の利用期限は5年間です。利用期限の更新は可能ですが、1度に更新できる期間も5年間となっています。

モンゴル不動産投資では、投資対象が集合住宅に限定される点に要注意です。また、モンゴルでは首都のウランバートルに人口の多くが集中しているため、住宅需要を鑑みると、ウランバートルでの投資が候補として上がるでしょう。

モンゴル不動産投資では、モンゴル国内での選択肢があまり多くない点を念頭に入れつつ物件を選ぶことが必要です。

2-2.二重課税に要注意

モンゴル不動産投資では、モンゴルと日本との双方で税金がかかる点に要注意です。海外不動産投資では、日本と租税条約を締結済みの国で投資した場合には、不動産譲渡税や個人所得税に関して二重課税が回避されます。しかし、モンゴルは日本と租税条約を締結していません。

このため、不動産の譲渡所得税や不動産所得に関する所得税について、モンゴルと日本との両国で納税する必要があります。

ただし、2021年時点では、モンゴル国内で徴収される税金の税率はそれほど高くありません。不動産取得に関する税金はかからないほか、不動産譲渡税の税率は2%です。また、所得税の税率は一律で10%となっているほか、固定資産税の税率も0.6%なので、日本国内と比較すると投資コストとなる税金は大きな負担になりません。(※参照:国土交通省「モンゴルの不動産関連情報」)

3.モンゴル不動産投資の注意点やリスクの対策

ここまで解説したように、モンゴル不動産投資を日本在住の個人投資家が遠隔で行うにはハードルが高く、様々なリスクが考えられます。このような問題点に対して、下記2つの対策が検討できます。

  • モンゴルの情報に詳しい不動産エージェントに仲介を依頼する
  • 不動産投資型クラウドファンディングで間接的に投資する

3-1.モンゴルの情報に詳しい不動産エージェントに仲介を依頼する

海外不動産投資における不動産エージェントには、物件情報の収集から売買契約の作成まで行ってもらえます。

モンゴル不動産に詳しい日本の不動産会社の数は多くありませんが、例えばモンゴル・マレーシア・カンボジア・タイを主な投資対象国とする「ビヨンドボーダーズ」のような不動産会社が該当します。

ビヨンドボーダーズは、日本最大級の海外不動産情報サイト「SEKAI PROPERTY」を運営する不動産投資会社です。海外不動産の購入時には物件選びから賃貸付け・管理・売却までワンストップで依頼をすることが可能です。

これから海外不動産への投資を検討してみたいという方や、まずは情報収集だけでもしてみたいという方向けに、海外不動産セミナーや、現地支社スタッフとビデオをつないでオンラインで物件を内覧することができるオンライン内覧会も行っています。

【関連記事】ビヨンドボーダーズの評判・口コミ・セミナー

3-2.不動産投資型クラウドファンディングで間接的に投資する

もう一つの対策として、不動産投資型クラウドファンディングで間接的に不動産投資を行う方法も検討できます。実際にモンゴル不動産を所有することはできませんが、少額での投資も可能なため、自身での物件購入はハードルが高いと感じられる場合は検討してみましょう。

例えば、モンゴルなど中央アジアに位置する新興国の不動産ファンドを取り扱う海外不動産投資型クラウドファンディング「TECROWD(テクラウド)」は一口10万円から投資が可能です。

1号案件・2号案件の予定分配率は8%となっており、他の不動産クラウドファンディングよりも高い水準となっています。投資物件は、TECRA株式会社の施工物件であり日本の技術、品質基準に適合したものである点も特徴的です。

モンゴルは人口増加率が高く、不動産需要も増加傾向であり、不動産投資の対象国としてのメリットも多い国です。投資ハードルの高さが懸念となる場合には、このような手段も選択肢に入れ、検討してみると良いでしょう。

【関連記事】TECROWD(テクラウド)のメリット・デメリットは?投資リスクや注意点も

まとめ

モンゴル不動産投資において重要なポイントは、信頼できる不動産エージェントを見つけることです。情報収集の難しさから、現地の不動産会社を見極めるためには、現地の事情に明るい不動産エージェントの協力が不可欠と言えます。

そのほか、想定キャッシュフローを把握して物件を選ぶことが重要です。モンゴルは日本と租税条約を締結していないため、税金が二重課税されることになります。他の国と同様のシミュレーションでは正確性を欠いた想定となることに要注意です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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