「ワンルームマンション投資にするべきか、アパート投資にするべきか…」この問題は、不動産投資を検討する方であれば一度は通る道ではないでしょうか?
ワンルームマンション投資の専門会社とアパート投資の専門会社の両方に話を聞きに行ってみても、それぞれが自分たちの投資手法の魅力を力説するので、結局どちらを選べばいいか分からない…、ということに悩まれている方も多いかと思います。
この記事では、ワンルームマンション投資(区分投資)とアパート投資の特徴やメリット・デメリットを比較した上で、投資目的に応じてどちらを選ぶべきかを解説していきます。
目次
- ワンルームマンション投資とアパート投資の比較
- ワンルームマンション投資は始めやすく、長期投資に向いている
- アパート投資は高年収の方や大きな賃料を狙うのに向いている
- 都心・マンション・一棟投資という選択肢も
- マンションとアパートの減価償却期間の違い
- まとめ:特徴をおさえて後悔のない不動産投資を
ワンルームマンション投資とアパート投資の比較
アパート投資のセミナーに行けば「マンションの区分投資で不動産投資を始めると、そのあとも区分投資しかできない」などと言われてしまったり、マンション投資のセミナーに行けば「アパートは物件価格が高くリスクも大きい。不動産投資をするなら都心マンションの方が資産性も高くリスクも低い。」などのように、双方のメリットとリスクが強調されてしまうことがあります。
どちらの主張にも一定の正しさはあるのですが、全ての特徴を言い表しているわけでもありません。まずは、マンション投資とアパート投資の比較から見ていきましょう。
比較項目 | ワンルームマンション投資 | アパート投資 |
---|---|---|
物件価格 | ◯ 物件の取得価格が低い(1,000万円~3,000万円) | × 物件の取得価格が高い(5,000万円~1億円) |
利回り | × 利回りが低い(都内・新築3%~5%) | ◎ 利回りが高い(都内・新築4%~7%) |
賃料以外の収入 | × なし | ○ あり(自動販売機の収益など) |
立地 | ◎ 駅徒歩10分以内など好立地物件が多い | △ 駅徒歩15分以内の物件や郊外の物件も多い |
融資審査 | ◎ 融資額が少ないため、審査が通りやすい | × 融資額が多いため、マンション投資より審査は厳しい |
取得費用 | ◎ 十万円~百万円程度 | × 数百万円~一千万円程度 |
修繕費用 | ○ 修繕費用の規模が少ない | △ 修繕費用の規模が大きい |
費用計上 | × コストコントロールが難しい | ◎ コストコントロールが可能 |
賃料下落 | ◎ 下落スピードは比較的緩やか | × マンションに比べて賃料下落スピードが早い |
建物の裁量 | × 管理組合で決定する | ◎ 自分で意思決定できる |
償却期間 | △ 一度の減価償却額が少ない | ◎ 一度の減価償却額が大きい |
物件の流動性 | ◎ 流動性が高い(売りやすい) | △ 流動性が低い(売りにくい) |
出口戦略 | × 出口戦略は売却がほとんど | ◎ 出口戦略が複数ある |
以下では、それぞれの特徴を解説していきたいと思います。
ワンルームマンション投資は始めやすく、長期投資に向いている
ワンルームマンション投資は、アパート等に比べると少額で始めることができ、空室リスクや賃料下落リスクなどが少ないため、不動産投資の初心者や、長く運用していきたいと考えている方に向いている投資手法です。
ただ、都心の駅徒歩10分以内の新築マンションだと、利回り3%後半~5%弱と低くなってしまう点や、アパート投資に比べると建物管理に関する意思決定が自分だけではできず、管理組合の意向に左右されることがある点や、出口戦略が売却か保有に限られてしまうというデメリットもあります。
一方、2023年時点での中古マンションの需要は多い状況ですので、よほど条件が相場を下回っていないのであれば買い手は見つけやすいと考えられます。好きなタイミングで物件を手放しやすいという点はメリットと言えるでしょう。下記、2012年から2022年までの10年間における、首都圏中古マンション売買の成約件数の推移です。
首都圏中古マンション売買の成約件数
コロナ禍や円安・インフレによる物件価格の高騰などの影響もありましたが、マンションの成約件数には大きな影響は見られていません。物件数が多く、また買い手も多い首都圏中古マンションは、売却も比較的容易であることが分かります。
また、同時期に新規登録された・成約した中古マンションの築年数が上昇しているという点も重要なポイントとなります。
首都圏中古マンション新規登録・成約物件の築年数
同時期のマンションの売買価格も上昇しているため、築年数が経過した物件であっても、強い住宅需要に後押しされてマンションの売買が活況であると言えるでしょう。ただし、過去の傾向は投資判断の参考とはなりますが、将来の価格を保証するものではありません。実際にマンション投資を行う際は、物件ごとのリスクを考慮して慎重に検討していくことが大切です。
これらの特徴を踏まえると、不動産投資をまずは小さく始めて見たいという方や、運用の利回りよりも毎月の賃料収入を重視したいという方には、ワンルームマンション投資が向いていると言えます。
ワンルーム投資の会社としては、東京・横浜エリアの新築・中古ワンルームマンションの販売を手がける湘建という不動産投資会社があります。駅徒歩8分以内という好立地のワンルームマンションにこだわることで、入居率99.7%(2020年11月末実績)を実現しており、物件価格は2,000万円~2,500万円が多く他社と比べて購入しやすい価格帯となっています。
物件の種類については、中古マンションの販売だけではなく、オリジナルブランドの新築マンション開発も手がけていますので、資産運用の目的や目標に合わせて適した物件を選ぶことができます。融資についても、優遇金利1%台前半から、85%が頭金10万円以内でスタートしているといった特徴があります。また、購入後の賃貸管理については、わずらわしい交渉事やクレーム対応などを全て湘建に丸投げすることができ、原状回復費用や設備トラブルの保証なども充実している点がオーナーから高く評価されています。
初心者向けセミナー・個別相談(オンライン対応)を行っているワンルームマンション会社
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アパート投資は高年収の方や大きな賃料を狙うのに向いている
アパート投資の主なメリットは、ワンルームマンション投資に比べると投資額が大きく、利回りを狙うこともできる点や、融資の際の担保評価がつきやすい、出口戦略が豊富といった点などです。また、ローンを返済し終えると土地を所有できるという点もアパート投資の特徴です。一棟アパートと区分マンションの利回りを比較して見てみましょう。
一棟アパートと区分マンションの利回り比較
一棟アパート利回り (%) | 区分マンション利回り (%) | |
---|---|---|
2022年1月~3月 | 8.48 | 7.48 |
2022年4月~6月 | 8.37 | 7.51 |
2022年7月~9月 | 8.17 | 7.35 |
2022年10月~12月 | 8.07 | 7.21 |
2023年1月~3月 | 8.14 | 7.21 |
2023年4月~6月 | 8.06 | 7.02 |
2023年7月~9月 | 8.04 | 6.97 |
2023年10月~12月 | 8.08 | 6.86 |
2024年1月~3月 | 8.08 | 6.84 |
※参照:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)「収益物件 市場動向 四半期レポート 2024年1月~3月期」
不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)の調査によると、一棟アパートと区分マンションの利回りは概ね1%前後の差があることが分かります。1%の差というとそこまで大きく感じられませんが、一棟アパートは物件価格が5,000万円~1億円と高額なため、同規模で区分マンションを運用したとしても、1%の差で毎年50万円~100万円ほどの家賃収入の差が出てきます。リターンを大きく取っていきたい方には、アパート投資が向いていると言えるでしょう。
一方で、その裏返しとも言えるのですが、たとえば都内のアパート投資では、都心に比べて賃貸需要が少ないエリア(都心5区以外の都内エリア、郊外、地方など)にアパートを建てることが多いので、空室リスクがやや大きくなることや、物件の金額が大きいため、たとえば新築アパート経営では不動産を取得する際の初期費用も500万円~800万円程度と大きくなってしまう点、マンションに比べて売買の流動性が低いといった点がデメリットとして挙げられます。
また、平成27年からの相続税改正を契機に、相続対策で郊外・地方にアパートを建てるということが多くなった点や、都心以外の人口はマクロ的に減少傾向にあることが多いので、エリアや賃貸ターゲットに関する目利きが重要であると言えるでしょう。
アパート投資は、マンション投資に比べると投資リスクは大きいので、入念な事前リサーチやエリア選定、入居者のニーズを満たす物件などをしっかりと見極めていくことが必要です。たとえば新築アパートであれば、入居需要が多い駅の駅徒歩10分以内の立地にこだわり社会人女性にターゲットを絞った高品質アパートで入居率99%を実現しているアイケンジャパンなど、実績が豊富な会社にまずは相談してみると良いでしょう。
初心者向けセミナー・個別相談(オンライン対応)を行っているアパート経営会社
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【関連記事】アパート経営に強い不動産投資会社一覧
都心・マンション・一棟投資という選択肢も
ここまでは、ワンルームマンション投資とアパート投資の違いを詳しく比較して見てきましたが、高額な融資を受けられるのであれば、都心のRC造マンション一棟を購入することで「ワンルームマンション投資は利回りが低く、アパート投資では空室リスクが高い」という悩みを解決することも可能です。
都心一棟マンションは、ワンルームマンション同様に空室リスクが比較的少なく、一棟投資なので利回りも5%前後を狙いやすく、融資の際の資産評価においても大きな額を獲得することが可能です。また、アパート投資のように建物管理を自分の意思決定で行うことができる点や、出口戦略が豊富というメリットもあります。
デメリットは、ワンルームマンション投資やアパート投資に比べて、事業を手がけている会社が少なく、依頼する会社によって当たり外れが大きくなりやすいことや、一件あたりの物件金額が2億円~3億円という大きな規模の投資になってしまう点、売買の流動性が低いためワンルームマンションに比べると売却するのに時間がかかる点などがあります。
マンション一棟投資は、アパート投資から始めたがリスクの少ない物件に切り替えたいという方や、不動産投資に頭金として数千万円の自己資金を投入できると言った方に向いている手法となります。
マンションとアパートの減価償却期間の違い
「減価償却費」とは、建物などの減価償却資産の取得価格のうち、価値が減少した部分です。建物は、使用または経年によって劣化し、価値が減少していくと考え、その使用できる年数にわたって取得価格を費用化していきます。
減価償却費は、建物の取得価格を耐用年数で割って1年ごとに算出されます。RC・SRCマンションと木造マンションの耐用年数は以下の通りです。
- 木造住宅用建物(アパート)の法定耐用年数:22年(償却率0.046)
- RC・SRC造マンションの法定耐用年数:47年(償却率0.022)
木造アパートでは22年間しか償却期間が無い代わりに、償却率が0.046と大きく、毎年多くの減価償却費を計上することが出来ます。アパート経営で得た不動産所得を圧縮したり、給与所得と損益通算したりなど、税制上のメリットもあります。
一方、ここで注意したいポイントはデッドクロスと呼ばれる「ローン元金返済>減価償却費」という状態に陥ることです。このような状態になると、所得税や法人税などの税金計算をおこなう決算書上の所得が、実際の手取りキャッシュよりも少なくなってしまいます。
木造アパート経営は、減価償却費計上の法定期間が早めに経過してしまい、デッドクロスが起きやすいという特徴があります。物件を購入する前や、ローンを組む前に、シミュレーションを綿密におこなうようにしましょう。減価償却費とローン元金の返済額のバランス推移を確認し、デッドクロスを回避できるような条件でローンを組むことも大切です。
まとめ:特徴をおさえて後悔のない不動産投資を
よく不動産投資のセミナーに行くと「考えすぎると買えなくなります!まずは行動することが大切です!」などと言われることがありますが、これは間違いです。深く考えずに不動産投資を始めてしまい、あとで数百万円・数千万円の損を出して「やらなければよかった…」と後悔してしまわないよう、慎重に検討することが重要なのです。
不動産投資が「考えすぎると始められなくなるもの」なら、無理にリスクをとって始めなくても良いでしょう。不動産投資は他の投資に比べても非常に金額の大きい投資になりますので、セミナーや書籍・サイトなどでしっかりと情報収集をして、今回のように様々な角度から比較検討を行い、冷静に判断するという慎重さでちょうど良いくらいでしょう。
本記事で整理をしたように、マンション投資、アパート投資のそれぞれにメリット・デメリットがありますので、上記の特徴をしっかりとおさえた上で、投資の目的や自分の投資スタイルと照らし合わせて最も適切な投資手法を選択するようにしましょう。
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