将来や老後のために資産運用をしたいけれど、投資について良く知らないためにためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事ではこれから投資を始めたいという方に向けて、初心者向けの投資方法を5つ紹介します。投資を始める場合に知っておきたいポイントもあわせて紹介しますので、参考にしてください。
目次
- 投資とは
- 投資を始める場合に知っておきたい4つのポイント
2-1.投資は少額から始められる
2-2.投資にはリスクがある
2-3.利息と利率と利回りの違い
2-4.複利と投資期間の関係 - 初心者向けの投資方法5選
3-1.ロボアドバイザー
3-2.積立投信
3-3.クラウドファンディング
3-4.ミニ株・単元未満株
3-5.株式累積投資 - まとめ
1.投資とは
投資は自己資金を投じて資産を増やす行為です。大まかに資産形成の手段には2つの種類があります。
- 貯蓄
- 投資
「貯蓄」とはお金を蓄えることで、銀行預金などがこれに当たります。日常生活の費用などすぐに必要になるお金や教育資金や住宅購入の頭金のように比較的近い将来で必要となる可能性の高い資金は、現金資産としての貯蓄で持っておくのが適しています。
一方、「投資」は老後資金など、今すぐではなく長期的にお金を増やしたい場合に行うのが適しています。資産形成の方法としては、株式や投資信託などの金融商品を購入し、長い期間を掛けて少しずつ増やしていく手段が検討できます。
資産形成においては、貯蓄するお金はすぐに使える流動性の高いお金、投資するお金は中長期的に増やすためのお金と分けて、計画的に資金バランスを調整することが重要となってきます。
2.投資を始める場合に知っておきたい4つのポイント
投資を始める場合に最低限知っておきたいポイントがいくつかあります。それぞれ詳しく見て行きましょう。
- 投資は少額から始められる
- 投資にはリスクがある
- 利息と利率と利回りは違う
- 複利と投資期間の関係
2-1.投資は少額から始められる
投資と聞くと「まとまった資金が必要になるのではないか」と考える方もいますが、投資は少額からでも始められます。
投資信託であれば百円~千円程度で購入することが可能で、株式でも単元未満株やミニ株なら1株であれば、数百円程度から購入できる銘柄もあります。
特に、投資初心者のうちは少額投資から始め、運用しながら投資の勉強を進めて行くことも大切なポイントとなります。投資金が少ないと利益は小さくなりますが、損失額も小さくできるメリットがあります。
2-2.投資にはリスクがある
投資にはリスクが伴います。ただし、日常会話で使用されるリスクの意味と、投資におけるリスクでは、使われ方が多少異なります。
日常で使われるリスクには、「危険」「危険度」「失敗や損をする危険」、という意味合いがあります。一方、投資におけるリスクは「結果の不確実性」を意味します。より具体的にいうとより具体的にいうと「リターン(収益)とロス(損失)の振れ幅」を表しています。
例えば、株式を購入した場合には「株価変動リスク」が伴います。これは「株価が下落する(損失が発生する)可能性」だけではなく、「株価が上昇する(利益が発生する)可能性」もあるということになります。
そのため、リスクが小さいとリターンも小さくなり、リスクが大きいとリターンも大きくなる傾向にあります。投資に伴うリスクとリターンの程度を考え、自分に合った投資方法や金融商品を選択する必要があります。
以下、投資における主なリスクの一例ですので、確認しておきましょう。
- 価格変動リスク:購入した金融商品の価格が変動する可能性があること
- 信用リスク(デフォルト・リスク):株式や債券、金融商品、金融サービスを発行・提供している国や企業が財政難・経営不振・倒産などにより、元本・利息の返済ができなくなる可能性があること
- 流動性リスク:市場において金融商品を購入・売却したいときにできなくなる可能性があること
- 金利変動リスク:国内の金利が変動することによって、債権の市場価格が変動する可能性があること
- 為替変動リスク:通貨の為替相場の変動により、外貨建ての金融商品の価値が変動する可能性があること
2-3.利息と利率と利回りの違い
投資の「利息」「利率」「利回り」といった言葉は、それぞれ意味が異なります。
- 利息:利払い日に受け取る金額そのもののこと
- 利率:元本に対して年間に受け取る利息の割合のこと
- 利回り:投資金額に対する利息も含めた収益の割合のこと
「利息(利子)」は金額そのものを表し、「利率」「利回り」は割合を表しています。投資を始めるのであれば、それぞれの意味をしっかり押さえておきましょう。
2-4.複利と投資期間の関係
「複利」とは、利息にもさらに利息がつくことをいいます。資産運用で得た収益や利息を再び投資することで、利息が利息を生んで膨らんでいく「複利効果」を得ることができます。
例えば、年利3%で1,000万円を運用した場合、1年後に30万円の利息が発生します。その30万円を元本の1,000万円に追加してさらに1年間運用した場合、1年後の利息は30万9,000円になります。
これを5年間継続すると、元本の1,000万円が1,159万円になります。一方、単利(元本に利息を追加せずに運用)の場合、5年後には元本と利息を合わせて1,150万円になります。
つまり、複利効果で運用した場合、増えた利息も投資することになるため、単利での運用よりも資産が多くなるのです。
また、複利効果と投資期間は密接に関係しており、投資期間が長いほど複利効果が大きくなります。投資による資産運用では、複利での中長期的に運用すると、効率的に資産を増やせる可能性が高くなります。
3.初心者向けの投資方法5選
投資初心者の方に向いている投資方法には以下のものがあります。いずれも少額から投資でき、リスクを抑えながら資産運用ができます。
- ロボアドバイザー
- 投資信託
- クラウドファンディング
- ミニ株・単元未満株
- 株式累積投資
3-1.ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、事前にいくつかの質問に答えるだけで、投資家のリスク許容度に合わせた最適なポートフォリオ(資産配分)を提案し、自動的に資産運用までしてくれるサービスです。利用者が質問に回答することで、資産運用の目的やリスク許容度を考慮した資産配分の提案・資産の運用を行ってくれます。
少額から投資をスタートできることや手数料が安いこと、運用の手間が省けるなどのメリットがあります。また、利用者に適した配分で感情に左右されずに資産を運用するため、投資の知識が乏しくても利用しやすいサービスとなっています。
一方、長期的な運用を見据えたものが多いため、短期間で大きな利益を上げることには向いていません。また、資産配分や運用を一任することになるため、投資経験を積めないといったデメリットもあります。
また、投資サービスですので元本割れのリスクがあることは理解しておきましょう。
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3-2.投資信託
投資信託を積み立てる投資のことを投信積立といいます。投資家から資金を集め、運用の専門家が株式や債券などに投資して収益を還元する「投資信託」を、毎月一定額積み立てて購入する投資方法です。
さまざまな証券会社で投資信託の積立が可能であり、100円から投資可能な商品もあるなど、少額から投資できるのがメリットです。
購入する銘柄の選択・変更・運用はファンドマネージャーと呼ばれる専門家が行ってくれるため、投資の知識が少なくても利用しやすく、手間をあまりかけずに運用できるといえます。
また、毎月一定額を購入する投資法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、この手法で価格が変動する金融商品を購入し続けた場合、価格が低いときの購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなります。
ドルコスト平均法は、長期的な資産形成を行なう際の価格変動リスクを低減させる手法の一つです。将来に備えた資産形成をするにあたり、適した投資方法と言えます。
一方、デメリットとして、大きな利益を上げることが難しく、特に短期間で大きなリターンを求めるには向いていない点が挙げられます。また、元本割れを起こす可能性があり、必ず利益が出るというものではない点に注意しましょう。
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3-3.クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネット上で資金提供を募れる仕組みのことです。投資家はクラウドファンディングを通じて個人や企業、特定の事業への投資・貸付を行えます。
1万円程度の少額から始められる投資方法であり、投資をした後は分配金や配当金、利子などを待つだけで運用の手間が掛からないなどのメリットがあります。また、株式投資の平均的な分配金利回りと比較して、予定分配率が高い案件が多いのも特徴です。
一方で、元本割れや貸し倒れが発生するリスクがあることに加え、流動性に乏しく、運用期間が終わるまで換金できないケースが多いなどのデメリットがあります。
また、人気のサービスや案件には応募が殺到することもあるため、利用したくてもできない場合があるため、注意が必要です。
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3-4.ミニ株・単元未満株
証券取引所で株式を売買する場合、1口100株(=単元株)と最低取引単位が決まっています。
しかし、証券会社によっては単元株より細かい単位での取引ができます。この取引方法をミニ株または単元未満株といい、1口1株~10株にて取引できます。
購入株数が少なくて済むため、少額から投資可能で分散投資もしやすくなります。また、通常の株式投資のように配当を受けられるのもメリットといえます。
一方で、短期間で大きな利益を狙うには向いていないほか、取引できる証券会社・銘柄が限定されていること、リアルタイムでの取引ができないことなどのデメリットがあります。
加えて、配当金を得られるものの、株主に与えられる議決権はなく、優待を受けられないケースもあります。
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3-5.株式累積投資
株式累積投資とは、毎月定額で株式を継続的に購入する投資方法で、略して「るいとう」と呼ばれます。
1つの証券口座につき購入できる銘柄の数が決まっており、証券会社が指定する銘柄から好きなものを選んで購入できます。
こちらも月額1万円程度の少額から投資でき、積立投信と同じドルコスト平均法によって損失リスクを低減できます。銘柄の種類も多く、分散投資がしやすいといったメリットもあります。
デメリットとしては、投資信託と比較して手数料が割高になることや、ネット証券での取り扱いが少ないこと、ミニ株・単元未満株と同様、株主優待に制限があることが挙げられます。また、元本割れが発生する可能性もあることを理解しておきましょう。
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まとめ
今回は投資初心者向けの投資方法を5つ紹介しました。いずれの方法にも共通しているのは「少額投資が可能」ということです。
投資にはリスクがつきものであり、元本割れを起こす可能性があります。少額投資は大きな利益は期待できないものの、損失を小さく抑えられるため、これから投資経験を積んでいく初心者の方に向いた投資方法と言えます。
投資をしながら投資や商品について勉強していけば、資産運用の幅が広がります。まずは少額の資金から投資にチャレンジすることを検討してみましょう。
山本 将弘
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