積立投資は定期的に一定額を積み立て購入していく投資方法です。毎月の積立は少額から可能な上、自動引き落としにすれば手間もかからないので、初心者の方でも手軽に継続することができます。一方、積立投資は長期にわたって行うことになるので、使いやすさや手数料などのコスト負担を含めたサービス選びが重要になります。
そこでこの記事では、今注目されている積立投資サービスや証券会社をご紹介します。少額資金からコツコツと資産形成を行いたい方、手数料が安くて便利な積立サービスを探している方は、ご参考ください。
目次
- 積立投資とは
1-1.積立投資のシミュレーション
1-2.積立投資の種類 - 積立投資ができるサービス7選
2-1.ウェルスナビ
2-2.THEO+docomo
2-3.ネオモバ
2-4.SBI証券
2-6.松井証券
2-5.auカブコム証券 - 積立投資の始め方
3-1.利用するサービスを選ぶ
3-2.口座開設などの準備をする
3-3.計画を立てて投資を始める - まとめ
1 積立投資とは
積立投資とは、株式や投資信託などの金融商品を「定期的」「一定額」で購入する投資方法です。金融商品は市場の状況に合わせてその価格が上下しますが、積立投資では商品価格の高いときには少ない個数を、安いときには多くの個数を購入することになるので、リスクとリターンを平準化することができます。これは、「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、長期投資では欠かせないリスク対策の一つとなっています。
また、積立投資は少額ずつ投資を行うのが基本です。毎月数千円、数万円の積立を行っているうちに、将来的に投資資金が大きくなり、それに伴って運用益も大きくなっていきます。「小さく始めて大きく育てる」タイプの投資なので、誰でも始めやすいというメリットもあります。
さらに、多くの証券会社や金融機関では、毎月の買い付けや口座への入金などを自動的に行ってくれるので、運用の手間もほとんどかかりません。仕事が忙しく投資を行う時間のない方でも長期的に無理なく継続することが可能です。
1-1 積立投資のシミュレーション
積立投資は複利の考え方で運用益を大きくしていくのが基本です。
例えば毎月1万円ずつ、10年運用するケースを考えてみましょう。想定利回りが年3%の場合、元本が120万円だとすると、運用益は19万7,414円で、10年後の資産は139万7,414円になります。
一方、同じ条件で20年運用した場合、元本は240万円、運用益は88万3,000円で、資産は323万8,000円となります。同じ10年でも運用益の伸び率が高くなっていることがわかります。
このように積立投資では、運用期間が長く継続するほど資産額の伸びが大きくなるため、長期での運用を行うのが一般的です。なお、積立投資のシミュレーションは、金融庁ホームページでも行えるので、試算をしたい方は試してみてください。
1-2 積立投資の種類
積立投資は、短期の投資とは違い、あくまで金融商品の長期運用によって利益を得ます。そのため、投資対象になる金融商品は、保有することで配当を得られる株式や投資信託がメインとなります。
株式や投資信託を対象とした積立投資の種類には、証券会社各社が提供している積立投資サービスのほか、投資を一任する「ロボアドバイザーサービス」、現金ではなくポイントを使って投資できる「ポイント投資サービス」などがあります。
また、積立投資では、長期にわたって分配金や譲渡益を非課税にできる「つみたてNISA」を活用する方法もあります。この制度を活用することで、20年間で最大800万円までの非課税枠を利用することができます。
2 積立投資ができるサービス7選
証券会社や金融機関では様々な投資サービスが提供されていますが、その中でも特に積立投資との相性の良いサービスを厳選してご紹介します。
2-1 ウェルスナビ
WealthNavi(ウェルスナビ)は、運用者数39万人(2024年3月31日時点)、預かり資産額1.2兆円を達成(2024年5月10日時点)しているロボアドバイザーで、世界50ヶ国・12,000銘柄に分散投資を行っているのが特徴です。
ウェルスナビではリスク許容度に応じて、利用者の運用方針・年齢・年収などの条件に最適なポートフォリオを提案してくれます。手数料は預かり資産の1%(現金部分を除く、年率・税込1.1%)。3000万円を超える部分は0.5%(現金部分を除く、年率・税込0.55%)です。
ウェルスナビは他社サービスと比べて連携している金融機関やサービスが多く、月1万円から自動積立も行えるため、投資の準備や運用に時間を取られたくないという方に向いています。
2-2 THEO+docomo
THEO+docomoは、AIを搭載したロボアドバイザーで、最低投資額1万円、運用報酬年1%、追加の手数料なし、変更・解約・出金の申込みは365日24時間いつでも可能と、少額から取り組みやすいサービスです。THEO+docomoはTHEOの運営会社の株式会社お金のデザインと株式会社NTTドコモとの協業サービスで、新機能であるdカード(dカード、dカード GOLD)によるおつり積立機能と、ドコモ口座との連携が可能なことが特徴となっています。
運用面では、最大約30銘柄もの世界のETFを組み合わせて、年齢や金融資産額に応じた231の運用ポートフォリオを構築し、少額から国際分散投資を行うことが可能です。また、搭載されたAIが、世界中の膨大な自然言語情報や市場データを収集・分析し、その情報をもとに銘柄や資産クラスが一定期間後に大幅に下落するかを判断。大きな下落リスクのある銘柄の比率を下げ、保守的なポートフォリオへと変更してくれます。これまで機関投資家しか利用できなかったハイクラスな資産運用を個人でも利用できるようにしたサービスです。
2-3 ネオモバ
ネオモバではTポイントを利用して株に投資できるサービスです。1ポイントから株式への投資が可能なので、買い物やサービス利用で集めたポイントをこまめに積み立てることで資産を作っていくことができます。
普段からTポイントが集まりやすいという方は、Tポイント投資を行うことで負担の少ない資産形成を狙うことができます。
また、ネオモバでは株を定期買付できる「定期買付サービス」も提供されています。株で積立投資がしたい場合に活用できるサービスです。
2-4 SBI証券
証券会社では、「長期・積立・分散」の投資がしやすいようにサービスを拡充させています。特にネット証券大手のSBI証券の「つみたてNISA」は、100円からつみたてNISA対象ファンドに投資できます。
SBI証券のつみたてNISAは、取り扱っている商品数が100本以上で、積立の方法も毎日・毎週・毎月と様々です。また、積立設定をまとめてできる「カートつみたて」機能や、NISAの非課税枠を残さずに使い切るための「NISA枠ぎりぎり注文」など、ユーザーの利便性を高めるサービスが豊富に提供されています。
SBI証券では、つみたてNISAのほかにも、ウェルスナビの利用や、金・銀・プラチナなどへの積立投資も可能です。低い手数料で多くの商品が選べるため、自分の状況やスタイルにあった投資がしやすくなっています。
2-5 松井証券
松井証券の「つみたてNISA」は、月100円から積立投資を行うことができるサービスです。金融庁の定める投資信託商品181本のうち152本をカバーしており、業界でも取扱商品数は最多クラスです。積立のタイミングは「毎月」のみですが、投資を行う日は自由に設定できるので、給料日やボーナスのタイミングに合わせて設定できます。
また松井証券では、オリジナルのロボアドバイザー「投信工房」が投資のシミュレーションや商品の提案をしてくれるため、初心者でも安心して積立投資を始めることができます。積立のほかにも多くの商品を取り扱っており、情報ツールの使いやすさやサポートにも定評があるため、自身で学びながら投資をしていきたい方に向いたサービスです。
2-6 auカブコム証券
auカブコム証券の「つみたてNISA」は、金融庁の定めている基準を満たした「長期・積立・分散投資」に適した銘柄に対し、最低100円から積立投資ができるサービスです。つみたてNISAの専用口座で運用することで、非課税枠を利用することができます。積立代金は、銀行預貯金口座またはauカブコム証券の証券口座から自動引落ができるため、手間をかけることなく積立を行うことができます。また、解約や引き出しも制限はありません。
auカブコム証券「つみたてNISA」の最大の特徴は、サービスの利用により、通常の現物株式の売買手数料に最大5%の割引を受けられることです。そのため、すでにauカブコム証券で取引をしている方や、今後取引を考えている方にとっては特にメリットがあります。
3 積立投資の始め方
積立投資を始めるための手順について概説します。
3-1 利用するサービスを選ぶ
積立投資を始めるためには、投資対象を定め、利用する証券会社やサービスを選ぶ必要があります。積立投資の多くは株式や投資信託が対象です。取り扱っている銘柄や、取り扱っているその他金融商品の種類には各社で違いがあるため、事前によく検討・確認しましょう。
また、つみたてNISAは普通のNISAとどちらか一方の口座しか作ることができません。加えて複数の証券会社でNISA口座を作ることはできないので、つみたてNISAの利用にあたっては注意してください。
積立投資を行う際には、自身で商品を選んで運用するのか、専門家やロボアドバイザーに一任するのかを考えておく必要があります。サービスによって手数料や想定利回りには違いがあるため、しっかり比較して検討しましょう。
3-2 口座開設などの準備をする
利用するサービスが決まれば、投資を始めるための準備として、口座開設やサービス利用のためのアカウント作成が必要です。ポイント投資の一部はポイントサービスのアカウントがあればすぐに始めることはできますが、積立投資サービスの多くは証券会社の口座作成や専用口座の作成が必要です。
口座開設の際には、個人情報やメールアドレスの他に、マイナンバー証明書類と本人確認書類等が必要です。口座開設は、Web上の専用サイトや、証券会社や金融機関の窓口、郵送などの方法で行うことができます。口座開設の手続き完了までは、1~2週間ほどの時間がかかります。
3-3 計画を立てて投資を始める
口座開設の後、マイページで積立についての設定を行います。口座に入金し、積立の期間やタイミング、金額を決定すれば積立投資のスタートです。設定した内容に従って積立投資が始まるので、事前によく計画を立てて行いましょう。インターネット上のさまざまなシミュレーションや各社が提供しているロボアドバイザーを利用するとスムーズな計画作りが可能です。
サービスによっては、運用開始に必要な最低投資金額が決まっている場合があるので、事前によく確認しておきましょう。
まとめ
積立投資は、一定額を定期的に長期間投資し、運用することで資産を形成する方法です。リスクが低いことに加え、複利効果により、運用期間が長期になるほど資産も大きくなりやすいので早めに検討・開始することも大切です。
積立投資ができるサービスには金融機関・証券会社が提供しているものからポイント投資できるものまで様々なタイプがあるので、自身の投資スタイルやライフステージに合わせて選ぶことが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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