不動産投資で重要なのが物件管理ですが、海外不動産の場合には国内とは違った問題があります。何かトラブルが起きてもオーナー自身がすぐに様子を見に行くことができなかったり、国によって異なる商習慣の違いに悩まされたりなど、実に様々です。
そこで今回は、信頼して任せることができる不動産管理会社の選び方をご紹介します。管理会社の探し方のポイントから注意点まで、わかりやすく解説しています。
目次
1 日本の管理会社を探す
日系企業や日本の管理会社で、海外の不動産管理を手掛けている会社があります。サービスの品質や信頼面では、日本人スタッフに任せる方が安心できるというオーナーも多くいます。
まずは、日本人スタッフのサービスが受けられる管理会社の探し方から見ていきましょう。
1-1 情報収集はセミナーを活用
ネットでは不動産投資に関する多くの情報を入手することができますが、海外の不動産会社に関する情報は、外国語がネックとなり入手が難しくなります。特に物件購入後の不動産管理では、信頼できる管理会社をどのように探すかが課題となります。
もちろん購入した物件のデベロッパーや仲介業者から紹介してもらうことはできますが、デベロッパーに関しては、物件が売れた後の管理会社の選定にはあまり力を入れないという会社が少なくありません。さらに物件開発が進む東南アジアなどではキャピタルゲインを中心に考えるオーナーも多く、そのために賃借人に関する管理体制が整っていない場合もあります。
そこで、海外不動産会社の情報収集には、セミナーの利用がおすすめです。海外不動産に関するセミナーでは、「管理会社はどのようにして探せば良いのか」「どんな会社を選べば良いのか」などの方法を具体的に知ることができます。たとえば、HEDGE GUIDEでも無料セミナー情報を掲載しているビヨンドボーダーズなどのように現地に支社を持つ不動産会社は、日本と異なる海外の商習慣について熟知しており、購入の相談から出口戦略含めてワンストップで相談することができます。
1-2 日本の不動産会社から探す
日本と海外の国との商習慣の違いから、そのサービスの質に満足できないと感じる日本人オーナーは少なくありません。定期的な報告や連絡がほしくても、報告が遅れたり、連絡が来なかったりなど不便に感じるケースも多いでしょう。
そのようなサービス面では、日本の不動産会社は真面目に取り組むため安心することができます。もちろん全ての日系企業が信頼できるわけではないですが、信頼できる管理会社に依頼すれば、現地に常駐するスタッフが細やかな対応をするなど必要な情報もすぐに入るようになります。
海外物件を取り扱う日本の不動産会社の中には、管理業務も手掛ける業者もあるため、気になる会社には問い合わせしてみると良いでしょう。デベロッパーとして開発から手掛ける不動産会社なら管理業務も専門とするところもあります。
このほか自社が紹介するコンドミニアムの管理業務のみ取り扱うという会社もありますが、他の物件でも管理をする会社もあります。
1-3 現地の日系不動産会社に依頼する
また現地の日系不動産会社に依頼する方法もあります。例えばタイは、日系不動産会社が数多くあります。タイの不動産管理会社は時間にルーズなことで有名ですが、日系企業なら時間や期限を遵守したサービスが期待できます。もちろん日本語で対応するため、契約する際、細かなニュアンスを明確に伝えることで後々のトラブルを避けることができます。
2 現地の管理会社を探す
日本の管理会社はサービスの品質面や信頼面で安心できる一方で、管理費用が高いなどコストの問題があります。
そこで低コストを重視するなら現地の管理会社に依頼するのがおすすめです。サービスの品質は必ずしも高くはないですが、現地に精通しているため客付けが早いなどのメリットもあります。
2-1 日本の不動産会社に紹介してもらう
現地の管理会社を探すには、まず日本の不動産会社に管理会社を紹介してもらう方法が挙げられます。たとえば、先ほどの「ビヨンドボーダーズ」や、「フォーランドリアルティネットワークジャパン」などに相談をすれば、現地でのネットワークを活用した物件や管理会社を紹介してもらうことができます。
2-2 海外不動産投資エージェントに相談する
投資用の海外不動産を購入する際、エージェントを利用する場合があります。そこで管理会社の選定に関しても、エージェントに相談すると良いでしょう。エージェント自身が管理を手掛ける場合もあり、現地で評判の良い管理会社を紹介してもらうことが期待できます。
また、日本人のエージェントは意思疎通面は問題ないですが、情報量を重視するなら現地人のエージェントに依頼してみても良いでしょう。もちろんリスクもありますが、現地人のみが知る格安の管理会社を紹介してもらうこともあります。
なお、海外の不動産探しではエージェントとの信頼関係の構築がとても重要です。複数のエージェントを天秤にかけて選ぶのはマナー違反とされており、むしろ信頼を失うことにつながります。日本と商習慣は異なりますが、プライベートでもエージェントと親しくなれば、強い信頼関係が構築され、海外での不動産投資の成否を分けるポイントにもなります。
現地人のエージェントを選ぶ際にも、やはりレスポンスの早さがポイントになります。「必要な情報をすぐに届けてくれるかどうか」「定期的に報告をしてくれるかどうか」などが判断基準です。対応の早いエージェントであれば、管理会社選びにおいてもレスポンスの良い業者を探してくれます。
2-3 ネットで「property management company」と検索する
複数の管理会社がしのぎを削る都市部では、「現地名+property management company」とネットで検索すると候補となる管理会社がヒットします。例えば「Bangkok property management company」と検索すれば、タイの首都バンコクの賃貸管理会社が検索結果に表示されます。その中から複数選んでメールを送るというのも、一つの方法です。
管理会社の担当者と何度かメールのやり取りをすれば、その会社の接客態度を掴むことができます。こまめに返信してくれる会社は、対応の早さや信頼度が期待できます。その上で現地の賃貸事情や空室率など具体的な質問をして、管理会社同士を比較してより良い会社を選びます。
3 現地の管理会社を探すポイント
前述した通り、日本で当たり前のサービスは、海外では当然ではないということがあります。そこで海外での不動産管理会社を探す際のポイントを2つご紹介します。
3-1 電話対応は迅速か
基本的に海外の不動産会社は日本と比べれば時間にルーズです。しかし、日本にいるオーナーにとっては、何かトラブルがあればすぐに連絡がほしいと思うでしょう。そのためには、できる限りレスポンスの良い会社を探す必要があります。
そこで実際に会社に電話に入れて、対応の良し悪しを調べてみると良いでしょう。「担当と変わります」と言ってから何分待たせられるのか、質問に対する応えが返ってくるのに何分かかるのかを調べます。応えの内容が問題ではなく、応対に要する時間をチェックするわけです。これだけでも、レスポンスの良し悪しを確認することができます。
レスポンスの早い会社であれば、客付けやトラブル対応でも、迅速な処理が期待できます。これらの対応が遅くなると、賃貸収入の減少につながることもあるため、レスポンスの良い管理会社を選ぶことは海外不動産投資ではとても重要なのです。
3-2 建物管理の方法を具体的に聞く
ベトナムやラオスなどの一部の東南アジアでは不動産投資という概念そのものが定着していない地域があります。そのような国では、日本なら大規模修繕計画を立てて行うケースでも、建物の管理まできちんと行わないケースがあります。
そこで現地の不動産会社に建物の管理に関する仕事内容を聞いてみると良いでしょう。この際、エージェントを通して質問をすると、質問の意図など細かなニュアンスまできちんと伝えることができます。
「定期的なメンテナンスでは何をしているか」「建物の価値を維持するために重視していることは何か」などを尋ねてみましょう。建物管理のノウハウがなければ、質問に対する明確な答えは返ってきません。このほか管理まで扱うデベロッパーにも同様の確認をしておく必要があります。
4 海外のビジネス慣習について知っておきたい3つのコト
現地の管理会社を探す際には、日本とは異なる商習慣に戸惑うことがあります。ここでは日本と海外で何が違うのかを確認しましょう。
4-1 担当者が休みだと業務が止まる
日本では仕事の都合で有給が取れないケースは多いですが、海外では仕事をどれだけ抱えていても休みを取ることが多々あります。また、個人個人で仕事の責任がはっきり分けられているため、自分の担当者が休んだ場合、新たな賃借人を探しているときでも業務が中断することがあります。
そこで、担当者が休んだときの対応や会社としてのバックアップ体制を確認しておくと良いでしょう。海外の会社との付き合いでは日本ではあり得ないと思うことでも、念のため確認することが大切です。
4-2 メールのレスポンスが遅い
これまで述べてきた通り、日本と比べれば海外のメール対応は遅いといえます。日本なら即日返信があるような問い合わせでも、海外では数週間かかるケースも珍しくありません。
そこで現地の管理会社へ問い合わせする中で、そのレスポンスの良さをチェックしてみましょう。メールのやり取りをする際、知りたいことを小分けにして複数回聞くようにするとよいでしょう。外国語が得意でない場合には、現地のエージェントに頼むと良いでしょう。
メールのレスポンスはその会社の対応の良し悪しを判断する基準となります。設備の修理が必要な時や、住人同士でトラブルがあった時など、すぐに対応してくれるかどうかが重要です。
4-3 担当者の責任範囲を確認する
海外では自分の仕事の責任範囲がはっきりとしています。日本では頼まれれば他の業務を手伝うこともありますが、海外は契約に定められている業務以外には手をつけないのが常識です。管理会社だからいって、全てやってくれるとは限りません。
たとえば賃借人からの苦情が出た場合、「その対応は別の業者に頼んで欲しい」と言われることがあります。国によっては管理業務を細かく分けて、それぞれ対応する業者と契約をすることもあります。
そこで、依頼する管理会社はどこからどこまでの業務を担当するのかを細かく確認する必要があります。求める業務内容をカバーしているかどうか、必要があれば他にも管理会社を探すことになるのかを確認することが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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