アメリカ不動産投資、不動産弁護士を雇うメリット・デメリットは?

アメリカ不動産の購入を検討している人の中には、海外不動産を購入することに対して、知識や手続きの面で不安を感じる人もいるのではないでしょうか。

不安がある場合は、不動産弁護士を雇用するのが有効です。不動産弁護士を雇用すれば、不慣れであっても法的リスクを回避しながら不動産取引を進められます。

なお、アメリカでは、不動産取引にあたり不動産弁護士の雇用を法律で義務付けている州もあるので、事前に確認が必要です。

この記事では、不動産弁護士の業務内容や、不動産弁護士を雇うメリット・デメリットについて解説します。

目次

  1. 不動産弁護士の業務内容
    1-1.オファーレターの内容精査
    1-2.オファー価格の交渉
    1-3.売買契約書をはじめとした契約関係書類の内容精査
    1-4.決済前の修繕箇所に関する費用負担按分の交渉
    1-5.隣地との境界に問題が起きた時の対応
    1-6.購入決済に関する代理手続き
  2. 不動産弁護士を雇うメリット・デメリット
    2-1.不動産弁護士を雇うメリット
    2-2.不動産弁護士を雇うデメリット
  3. まとめ

1.不動産弁護士の業務内容

不動産弁護士が不動産の購入において請け負う主な業務について、それぞれ詳しく解説します。

1-1.オファーレターの内容精査

オファーレターとは、不動産の買主と売主とが、物件価格や購入条件などについて交渉するときにやり取りする書面のことです。アメリカでは買主が売主に対して物件の購入申し込みをすることを、「オファーを入れる」と言います。

買主がオファーを入れるときには、価格や条件について交渉が可能です。また、買主のオファーに対して売主が逆に条件提示することもあります。売主による条件の提示を「カウンターオファー」と呼びます。

買主と売主とがそれぞれ提示するオファーについて、違法な内容がないかなど確認するのが不動産弁護士の仕事です。不動産弁護士を入れれば、気づかぬうちに違法な取引をしていたなどのリスクを防げます。

1-2.オファー価格の交渉

前述したオファーのやり取りについて、価格面の交渉を不動産弁護士に任せることも可能です。委任する場合は、不動産弁護士が前面に立って交渉してくれます。

1-3.売買契約書をはじめとした契約関係書類の内容精査

不動産弁護士を雇うと、売買契約書をはじめとした各書類の内容精査を依頼可能です。アメリカの商取引では、書類は非常に大きな意味を持ちます。これは万が一トラブルになった場合、すべて契約書などの内容に基づいて判断されるためです。

また、アメリカの不動産取引は州によって必要な書類が異なります。別々の州にまたがって不動産を購入するときには、別種の書類にサインするので内容確認が煩雑です。こうした場合は不動産弁護士を雇えば手間を削減できます。

1-4.決済前の修繕箇所に関する費用負担按分の交渉

アメリカ不動産の売買では、契約不適合責任(=瑕疵担保責任)という考え方がなく、売買契約を締結した後に買主が物件を点検調査するのが通例となっています。引渡し後に不具合が見つかった場合は、あらかじめ確認しなかった買主の責任となります。

決済前に修繕の要否を確認するため、物件の点検調査は重要です。なお、この点検調査をインスペクションと呼びます。

インスペクションをした結果、修繕を要する箇所が見つかった場合は、修繕費用の負担区分について売主と交渉が必要です。不動産弁護士を雇えば、この交渉を任せられます。

1-5.隣地との境界に問題が起きた時の対応

アメリカでは、1つの家を何度も修繕しながら使い続ける習慣があるので、築年数が数十年単位の住宅も多数流通しています。特に古い住宅では、隣地との境界に関する問題が起こることも考えられます。

住宅の売買に際して、万が一隣地との問題が発生した場合は、不動産弁護士に対応を任せることが可能です。

1-6.購入決済に関する代理手続き

日本からアメリカ不動産を購入する場合は、購入決済に際して現地に行けないこともあるでしょう。不動産弁護士を雇えば、代理で立会いしてもらうことが可能です。

2.不動産弁護士を雇うメリット・デメリット

2-1.不動産弁護士を雇うメリット

不動産弁護士を雇えば、法律や規制などに関する知識がなくても法的リスクを抑えた取引を進められ、契約書の内容確認や売主との交渉など、専門的な知識を要する場面で対応を任せられます。

特に外国人が不動産を購入するときには、現地の法律などを網羅的に把握するのは困難です。英語に不慣れだとコミュニケーションを円滑に取れないため不安になる場面も予想されますが、不動産弁護士を雇えばスムーズに手続きを進められます。

また、州によっては不動産弁護士を雇うことを州法で義務付けているところもあります。義務化されている州では、買主と売主との双方に弁護士がつきます。州法は年度によって変更されることもあるので、あらかじめエージェントに確認しておきましょう。

2-2.不動産弁護士を雇うデメリット

不動産弁護士を雇うデメリットは、取引とは別途で弁護士費用がかかることです。realtor.comによると、不動産弁護士費用の相場は$800〜$1,000となっています。

なお、前述したように、不動産弁護士を雇うことは一部の州を除いて必須ではありません。日本人であっても、取引の詳細はエージェントに任せておけば十分と考える人もいます。例えば土壌に問題があるなど特殊な物件を取引するのでなければ、雇わないことも選択肢の1つです。

ただし、契約書などの内容について専門家の確認が入らなくなるので、自分で内容確認することは必要になります。最低限、キャンセル条項などは詳細まで確認しておきましょう。

【関連記事】アメリカ不動産投資で大切なエージェント選びのポイントは?注意点も解説

まとめ

訴訟が多く書類が非常に重要な意味を持つアメリカでは不動産を購入するため不動産弁護士を雇うことも有効です。しかし、不動産弁護士の雇用は一部の州を除いて必須ではありません。

また、アメリカ不動産投資をしている日本人の中にも、特に雇用せず取引している人がいます。費用が安くはないことから、何か問題が起きてから雇用を検討するのも1つの方法です。

しかし、弁護士を雇用しない方針であれば、信頼の置けるエージェントを探すことに注力することが必要です。取引をスムーズに進めるためには、エージェントの経験や能力などが重要になります。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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