ハワイは太平洋に位置するハワイ諸島にあるアメリカ合衆国の州で、特に日本人に人気のあるリゾート地です。不動産投資やセカンドハウスなどの目的でハワイ不動産を購入したいと思う人は少なくありません。
しかし、ハワイの不動産を購入しようと考えても、日本国外の不動産を購入する流れや手順、大まかな費用など、海外不動産の購入手順が分からない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ハワイ不動産を購入する手続きや費用などについて解説します。ハワイ不動産の購入を検討している方はご参考下さい。
目次
- ハワイ不動産購入の手順
1-1.購入目的の設定
1-2.予算の設定
1-3.エージェントを探す
1-4.金融機関を探す
1-5.物件を探す
1-6.物件の内覧
1-7.購入申し込みと交渉
1-8.売買契約の締結
1-9.エスクローオープンと手付金の送金
1-10.ローン審査手続き
1-11.インスペクションの実施
1-12.公証役場で認証
1-13.物件の購入決済
1-14.クロージングステートメントにサイン
1-15.物件所有権の登記 - ハワイ不動産の購入にかかるおおよその費用
- ハワイの不動産が購入できる日本の不動産投資会社
- まとめ
1.ハワイ不動産購入の手順
ハワイ不動産の購入には、購入申し込みから所有権移転登記の完了までに30日〜45日かかります。なお、購入申し込みの前にはエージェントの選定や物件選びなどが必要なので、購入検討から最低2ヶ月程度は時間が必要です。
以下、ハワイ不動産購入の手順について、具体的に解説していきます。
1-1.購入目的の設定
最初に、ハワイ不動産の購入目的の設定が必要です。購入目的が決まっていないと、エージェントは買主に対してどんな物件を提案すれば良いか迷ってしまうためです。
購入目的が明確でないと表面的な情報で物件を判断してしまう可能性が増え、最終的に失敗する確率が高くなります。
ハワイ不動産を購入する目的として多いのは、例えば以下のようなものです。
- 継続的な家賃収入
- 物件の転売による利益
- セカンドホームの購入
目的によって適した物件やエリアなどが異なるので、購入を成功させるためにも、まずは目的を明確にしましょう。
1-2.予算の設定
つづいて、物件購入の予算を明確にします。エージェントから物件の提案を受ける上では、物件の購入予算も重要なポイントです。なお、日本人が利用できるローンは、だいたい物件価格の50%が目安です。ローンを利用するならば、用意できる自己資金の倍額が物件購入予算となります。
1-3.エージェントを探す
日本では、大半の取引において、1社の不動産仲介業者が売主と買主双方の間を取り持ちます。しかし、アメリカでは売主と買主にそれぞれ1人ずつエージェントがつくケースが多くなります。
なお、アメリカ不動産の物件情報は、MLS(=マルチプル・リスティング・サービス)というネットワークで共有されています。どのエージェントも登録されている全ての物件を取り扱い可能となるため、原則エージェントによって購入できる物件が大きく変わることはありません。
なお、ハワイは日本人に馴染みが深く、現地では多くの日本人が不動産業を営んでいます。英語でのコミュニケーションに不安があるなら、日本人のエージェントに絞って選んでも良いでしょう。
1-4.金融機関を探す
ローンを利用するなら、金融機関はいくらまで確実に融資してくれるのか、あらかじめ約束を取り付けておくことが重要です。
融資額が決まったら、金融機関からレターを発行してもらいます。ローンを利用するならば、このレターがないと売主に購入申し込みできないこともあるので、必ず取得しておきましょう。
なお、ハワイ不動産の購入にはSBJ銀行や東京スター銀行などがローンを提供しています。どちらも融資比率は最大で物件評価額の50%です。どの金融機関を利用するかは、エージェントと話し合いながら決めると良いでしょう。
1-5.物件を探す
エージェントと金融機関が見つかったら、いよいよ物件探しに入ります。エージェントには、購入希望の物件についてできる限り具体的に要望を伝えることが重要です。主に以下のポイントについて伝えておくと良いでしょう。
- 購入目的
- 物件購入予算
- 利回り目的の場合は希望利回りの目安
- 物件タイプ
- 物件が立地しているエリア
エージェントからは物件の提案を複数もらっておき、優先順位に沿って絞り込んでいくと、物件選びがスムーズになります。
1-6.物件の内覧
ハワイ不動産の購入を検討する際、可能な限り物件を視察しておくことが重要です。ハワイならばどこでも問題ないというわけではなく、物件やエリアごとに特徴があります。現地へ向かう時間や費用が捻出できるのであれば、できるだけ現地調査を行いましょう。
1-7.購入申し込みと交渉
物件の選定が完了したら、購入申し込みに移ります。ローンを利用する場合は、申し込みに際して金融機関から取得した融資承認のレターを提出します。
申し込みと同時に売主と価格や売買条件について交渉することも可能です。売主との交渉はエージェントを介して行います。売主に要望を伝えると、売主側から条件について返答が来ることもあり、これをカウンターオファーと呼びます。
なお、交渉時点で他の購入希望者がいた場合は、交渉が打ち切られてしまうこともあるので、留意しておきましょう。1つの物件に対して複数の購入希望がある場合は、売主は最も条件のいい買主に売却できるからです。
1-8.売買契約の締結
交渉を経て売買条件について売主と合意したら、売買契約を締結します。なお、ハワイ不動産の売買契約は、全文英語表記で書類の種類も多いため、英語に不慣れな場合は内容を把握するのに時間がかかるでしょう。
しかし、売買契約の内容については、最低限の要点だけでも必ず把握しておきましょう。売買契約で特に重要なポイントは以下の通りです。
- ローンを利用する場合はローン特約の有無と内容
- 契約キャンセルの条件
- 契約キャンセルした場合の手付金の扱いなど
- 物件に不具合があった場合の修繕費用負担区分
ローンを利用する場合は、万が一ローン実行されなかった場合に契約をキャンセルできるのか、キャンセル可能であれば、手付金は返還されるのかについて確認が必要です。その他契約キャンセルできるのはどういった場合なのかも併せて確認しておきましょう。
また、売買契約を締結したら、物件の劣化状況などについて検査をします。検査の結果見つかった補修箇所について、売主と買主とのどちらが費用負担するのか、契約書に記載がない場合は、締結前に確認しておきましょう。
契約書に「as is(現況有姿)」と記載ある場合は、劣化箇所があっても、買主が費用負担することになります。なお、売買契約書のサインは日本国内でも可能です。郵送やクラウドサインなどで対応できます。
1-9.エスクローオープンと手付金の送金
売買契約書にサインしたら、エージェントを介して契約書をエスクローに送ります。エスクローとは、不動産取引の公正さを保つため、不動産取引の間に入る第三者です。
お金のやり取りは全てエスクローを介して行います。また、精算明細の作成や物件所有権の登記手続きなどもエスクローの役割です。
このため、手付金は売主の口座ではなくエスクローが指定する口座に送金します。手付金の金額は売買契約の内容次第ですが、概ね物件価格の3%〜5%などが目安となります。
なお、基本的には買主が直接エスクローの口座に送金することになりますが、エスクローの口座はアメリカの銀行口座なので、注意しましょう。海外送金は銀行の窓口で手続きしますが、窓口担当者によっては、海外送金について対応したことがない人もいます。
銀行を訪問したけれど、送金手続きができなかったということも起こるので、事前に電話で確認しておくと良いでしょう。送金手続きにあたっては、送金指示書・明細・サイン済み売買契約書などの提出を求められるので、あらかじめ用意しておきましょう。
また、手付金は契約締結後3日以内に着金必須など、送金期限がタイトに設定されます。売主との交渉が終わった時点で、海外送金について銀行に確認しておくと、手続きがスムーズです。
1-10.ローン審査手続き
売買契約の締結が完了したら、ローンの本審査について手続きに入ります。審査については、基本的に日本国内でのローン審査と大きな違いはありません。収入を証明する書類や身分証明書などについてあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
1-11.インスペクションの実施
手付金の送金が完了したら、インスペクションを実施します。アメリカでは、日本と違って契約不適合責任(=瑕疵担保責任)という考え方がありません。後で物件に不具合が見つかったとしても、あらかじめ不具合を確認しなかった買主の責任となります。
このため、修繕を要する箇所がないか、物件引渡しの前に点検検査をします。点検検査はインスペクターと呼ばれる専門家が行い、インスペクターはエージェントが手配してくれることがあります。
修繕箇所が見つかった場合は、修繕対応の有無や費用負担区分について売主と交渉が発生することもあります。
なお、インスペクションの費用は買主負担とするケースが多いため、利用する際は資金の準備をしましょう。物件の規模にもよりますが、インスペクションの費用は$1,000前後が目安となります。
1-12.公証役場で認証
物件購入にローンを利用する場合は、金融機関による抵当権設定手続きのため、公証役場での認証が必要です。なお、認証窓口は平日の日中しか対応していないので、あらかじめ日時を確保しておきましょう。事前に電話やメールでの予約手続きが必要です。
また、認証手続きの費用は買主負担で、手続き当日に現金で支払います。手続き費用は物件価格によって異なるため、日本公証人連合会のサイトなどで確認しておきましょう。
1-13.物件の購入決済
インスペクションを終えたら、物件の購入決済に入ります。物件価格+諸費用から手付金を差し引いた残額について、売主と合意した期限までに送金します。
送金額の明細がエスクローから提出されるので、明細に記載された金額の送金が必要です。なお、明細書のことを「クロージングステートメント」と呼びます。
送金手続きは、できれば手付金の送金手続きをした時と同じ金融機関窓口を利用すると良いでしょう。
なお、決済資金送金にあたっては、クロージングステートメント記載の金額に、最低5%〜10%程度上乗せして送金するようにしましょう。海外送金は着金までに日をまたぐため、着金時には送金時から為替が変動することもあるためです。
為替の変動によって着金額が必要額に満たないと、再送金が必要で送金手数料が二重にかかってしまいます。決済にあたって余剰金が出た場合は、後日エスクローから買主に返金されるので問題ありません。
1-14.クロージングステートメントにサイン
決済資金が着金すると、送金前にエスクローから受け取ったクロージングステートメントが更新されます。更新後に売主と買主とがサインすることで、クロージングステートメントは物件を購入した証明として機能します。
ローンを利用している場合は、金融機関からサイン済みクロージングステートメントの提出を求められるので、いつ完成するか、あらかじめエージェントに確認しておきましょう。
1-15.物件所有権の登記
購入決済が完了すると、エスクローが物件の所有権移転登記を行います。所有権移転登記が済んだら、登記済証として「Warranty Deed」という書類が提出されます。Warranty Deed は物件の所有権を主張するために必要な書類なので、必ず保管しておきましょう。
2.ハワイ不動産の購入にかかるおおよその費用
例えば、5,000万円相当のハワイ不動産を購入した場合にかかるおおよその費用は以下の通りです。
- 物件価格:5,000万円
- 手付金:250万円など(売買契約に準拠)
- インスペクション費用:10万円など
- 公証手続き費用:29,000円(5,000万円の物件の場合)
- エスクロー手数料、物件所有権登記対応費用、その他費用:250万円(合計で物件価格の5%前後)
- 合計:5,262万9,000円
なお、エージェントに対しても手数料を支払いますが、アメリカ不動産の購入手続きにおいては、取引慣例上、買主はエージェント手数料を支払いません。エージェントの手数料は、買主の分も売主が負担します。
3.ハワイの不動産が購入できる日本の不動産投資会社
最後に、ハワイ不動産を販売している日本の不動産投資会社をご紹介します。
オープンハウス
オープンハウスは、ハワイを含むアメリカ不動産の販売・管理・売却などで国内トップクラスの実績がある不動産会社です。
アメリカ現地の不動産市場に深く入り込み、人口動態や需給バランス、空室率、学区などの生活環境、周辺取引事例といった広範囲に渡るデータを駆使することで投資に適した地域、物件を見極めています。
購入時にはグループ会社のアイビーネットの融資プランを活用することで、購入する不動産を担保として最大で70%まで融資を受けられ、利息のみを返済すればいいため毎月の返済額も抑えることができるという特徴があります。
オープンハウスでは、初心者向けにアメリカ不動産の基礎がわかる「不動産投資セミナー」を定期的に開催しています。アメリカ不動産と日本の不動産の違い、税効果などだけでなく、アメリカ不動産のリスクや起こりうるトラブルなどについても解説しているため、きちんと理解を深めてから投資を始めたい、メリットとデメリットを慎重に検討したい、という方は検討してみましょう。
【関連記事】オープンハウス(アメリカ不動産投資)の評判・概要
まとめ
ハワイ不動産の購入を成功させるために重要なポイントは、購入目的の設定とエージェント選びです。購入目的が変われば適した物件も変わるため、最初に明確化することが重要になります。
また、エージェントの質は、提案物件や手続きが滞りなく進むかどうかに影響します。エージェントを選ぶときは、何人かを比較して決めると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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