「不動産の面白さを伝えたい」「安定性と収益性のポートフォリオが組める投資案件を提供していく」COZUCHI代表インタビュー

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LAETOLI株式会社 武藤 弥(むとう わたる)氏

コロナ禍をきっかけに不動産投資にもDXの波が押し寄せ、オンラインで少額から投資ができる不動産投資型クラウドファンディングも急激に利用者やサービスが増えています。

その主要サービスの一つである「COZUCHI(コヅチ)」は、2022年5月5日に募集を開始した「代々木公園事業用地ファンド」において、わずか3時間37分で過去最高額36億円の募集金額を達成し、投資家や業界関係者から驚きの声が上がりました。

今回は、そのCOZUCHIを運営するLAETOLI株式会社の代表取締役 武藤 弥(むとう わたる)さんに、COZUCHIの理念や方針、今後予定している案件やサービス、実現したい世界観などについて詳しくお話を伺いました。

話し手:LAETOLI株式会社 代表取締役CEO 武藤 弥さん

    2001年早稲田大学理工学部建築学科修士課程了。不動産ディベロッパーにて開発業務等に従事。その後独立し、2003年家具ブランドIDEEとともに、アールプロジェクト株式会社を設立し、取締役就任。リノベーション事業や商業施設の開発事業等を行う。2009年株式会社シェアカンパニー設立、代表取締役に就任。同時期2011年株式会社TRIAD設立、取締役副社長に就任。2021年8月LAETOLI株式会社代表取締役CEOに就任する。

記事目次

  1. COZUCHIのコンセプトや特徴について
  2. 代表変更の理由や企業理念・方針の変更などについて
  3. COZUCHIのファンド情報の中でどこに注目して見ると良いか?
  4. 過去最高募集額36億円の代々木公園事業用地ファンドについて
  5. 今後予定している案件や取り組みたいことについて
  6. 今後の目標や注目しているテーマなど
  7. 投資を検討されている方に向けて、COZUCHIの活用法やメッセージ
  8. 編集後記

1 COZUCHIのコンセプトや特徴についてご教示下さい

COZUCHIは常に投資家の皆さんとフェアであることを大切にしています。

投資とはリターンが期待できる一方、一定のリスクもあるため、COZUCHIを信じて同じ船に乗ってリスクをとっていただいた投資家の皆さんへは、フェアにリターンを配当していこうと決めています。それが「上限のない配当ポリシー」という言葉で体現していて、過去実際に運用が終了したファンドでは実績利回り10%を超える高い利回りで配当を行っています。

ちなみに、私たちがなぜ高い利回りで案件をご提供できるかというと、要は物件を安く買うことができているからです。個人やJリートなどが買いづらい中規模の物件のなかでも、さらにプレイヤーが少ないところで安く仕入れを行っていますので、元本の毀損リスクは抑えながらも高い利回りを実現できていると考えています。

また、「スマホで手堅く資産運用COZUCHI」とのコピー表現のように、まだ投資経験が少ない人やCOZUCHIをこれから始める人も、身近なスマホから気軽にCOZUCHIという船に乗ることができる、そんな手軽さもコンセプトの一つとしています。

2022年5月現在、これまで償還実績100%を維持している点も安心して始めていただく特長の一つだと思います。

2 代表変更の理由や企業理念・方針の変更などについてご教示下さい

代表変更の理由について

元々、私(武藤)はTRIADの副社長でありましたが、前代表が小林であった時から、資本政策含めどのような組織形態であればグループ全体として最適な運営が出来るのか、検討していました。

小林はコンプラやカスタマーサクセスなどの運営面において能力が長けており、ポジションを任せたいと当初から考えていました。その後、役員構成が決まり組織体制が明確になったタイミングで、小林が監査役としてディフェンス側にジョインしてもらい、組織体制を刷新しました。

企業理念、方針の変更について

変更は特にありませんが、サービス名をWARASHIBEからCOZUCHIに変更し、配当のようなお金のリターンだけを得るのではなく、社会的意義があるとか、面白さなども組み合わせて、広義の意味でリターンとして得ていきたいという想いがあります。

3 他社と比べて特殊な案件やスキームが多いように感じますが、投資家はファンド情報の中でどこに注目して見ると良いでしょうか?

それぞれのファンドのストーリーや戦略もご覧いただけたら嬉しいですね。

COZUCHIではファンドの内容について出来る限りの情報開示を行うことを意識しています。不動産は誰の人生でも関わるものであり、人の感情や想い、様々な背景が入り混じっています。

たとえば、共有持分の不動産は相続の際に権利関係が複雑になってしまうことも多いのですが、親族同士での仲が良好でないと感情論が優先されてしまって物事が前に進まないケースもあります。

所有者間で合意が取れていない状況では銀行のローンを付けるのは難しいのですが、私たちのように第三者が間に入って取引を進めることで、話し合いや取り決めを冷静に進めることができるといったように、感情論の次のフェーズに行けるところがあって、それが私たちのスキームの非常に面白いところなのかなとは思っています。

こういったファンドの背景や注目した理由、なぜ安く仕入れることができるのか、リスクヘッジ含む戦略はどのように考えているのか、など不動産のストーリーをファンド毎でお伝えしていますので、ぜひ不動産のドラマを知ってもらえるとよりCOZUCHIを楽しむことが出来ると思います。

4 過去最高募集額36億円の代々木公園事業用地ファンドについての所感

COZUCHI 代々木公園 事業用地ファンド

COZUCHI 代々木公園 事業用地ファンド

募集前の試算では、2~3週間かけて集まる金額は26億円という結論でしたが、マーケティング上の取り組みや情報開示の強化、自己信託という新しいスキームの導入などの結果、開始3時間37分で36億円を集めることができました。この結果を大変うれしく思っていますし、自信もつきました。これでクラウドファンディングのフェーズが大きく進むと思っています。不動産の市場規模は大変大きく年間2500兆円超のトランザクションがあります。そのうち大手10社が占める取引量は10兆円もいきません。つまり大変すそのの広い産業と言えます。

不動産の小口化商品がその中で占めている割合はまだまだごくわずかにすぎません。クラウドファンディングが大型の案件を今後手掛けることは十分可能だと考えています。私募のファンドなどで数千億規模のファンドなどはざらにあります。その市場のごく一部をクラウドファンディングが取り組んでいるということで、まだまだ拡大の余地はあると考えています。年内には100億円規模の案件も取り組んでいくことを目指したいと考えています。

また、代々木公園PJは築古の区分所有マンションの再開発をどう促していくかという試金石にもなると考えています。権利関係の複雑性等により、老朽化した建物、耐震や災害に脆弱な建物、都市をどう再生していくかということが課題です。

たとえば、日本の都市は戦後70年で一気に作ってきたため、70年前の築古物件も数多く残っています。旧耐震という震度5で倒壊しなければ良いという建物もたくさんありますが、その建物が区分所有のマンションだとオーナー全員の合意を取らなければ改修できなかったり、再開発のための金融も整っていなかったりという課題があります。そういったところに対する金融を用意することはとても重要で、COZUCHIでは今後も取り組んでいきたいと思っています。

また、今回3000人以上の方に投資をしていただいたのですが、投資家はステークホルダーであると同時に市民でもあり、そういった方々が街の再活性化に初期の段階から関わっていくということも、とても意味があることだと考えています。

クラウドファンディングを通じて、投資家さん自身がまちづくりの当事者になってくるとすごくいいですし、そのまちのファンになる方も出てくる。投資には、リターンを目指すということだけなく、社会的にいいこともしたいし、子供にいいものをしてあげたいとか、色んな複合的要素があると思うんですよね。そこもすごく重要で、COZUCHIとしてもちゃんとした思想を持って、案件の提供や提案をしていければなお良いかなと思っています。

5 今後予定している案件や取り組みたいことをご教示ください

引き続き大きなリターンを狙っていく複雑な案件と並行し、一方で、安定資産で長期的に安心してじっくり持てるような案件を増やしていきたいと考えています。例えば、大勢の方の手が届かない丸ビルとか六本木ヒルズのようなSクラスビルとか。多少劣化はしているものの、すごい良い駅の駅前にあって、稼動が安定していて土地の価値も安定しているという物件もあります。

そのような資産は利回りとして考えると高くはないですが、安定した資産へ投資したい方のニーズにも応えられますし、まず夢があってみんなが憧れるような不動産ですよね。

投資家の皆さんの様々なニーズに応えられるよう案件の幅を広げていきたいと考えています。

6 今後の目標や注目しているテーマなどがあればご教示ください

ビジョンは5年程度で1,000億円の預かり残高を目指していきたいです。トランザクションを増やすことがより良い案件を引き寄せることにもつながりますし、事業の安定性にもつながると考えています。

また、現在は「匿名組合型」の商品を提供していますが、「任意組合型」の商品も提供することを検討しています。

「任意組合型」は、出資の法的性質や財産の共有方法が異なっており、匿名組合型とは別のスキームとなります。一般的には相続対策や減価償却などの税制上のメリットがあると言われており、節税効果を期待する投資家の皆様において、ニーズにあった投資環境を提供できるのではないかと考えています。

また、不動産の弱点の一つは、流動性が低くキャッシュ化するのに時間がかかるという点ですが、任意組合型の商品提供と並行して、不動産を売りに出せばすぐに買いが入ってキャッシュ化できるような、セカンダリマーケットの実現にも取り組んでいければと考えています。

7 COZUCHIを通して実現されたい世界観や未来についてご教示ください

中長期的には、安全性のあるランドバンキング的なフィールドを切り開けたらと考えています。例えば、銀行に預金する代わりに不動産にお金を置くことで、銀行預金よりも利回りがよく、かつ安全に資産を保有できるような仕組みです。

今の時代、銀行預金って安全ですが普通預金で0.001%しか利息がつかず全く増えないですよね。時間外にATMで出金すると、それだけで数百円手数料がとられて実質収支マイナスになってしまい、結果的に収支マイナスとなってしまっている人が本当に多いように感じます。

基本的には安定して利息が得られる不動産に資金を置いていて、COZUCHIが定期的に行うリスクはあるものの高いリターンが期待できるようなファンドが公開されたときに、「またCOZUCHIが面白いことやってるぞ」と安定不動産に置く資金を一部アクティブにするような、投資家が自由にリスクを選択することができるフィールドを創りたいです。

そこで投資した結果、現状の金融ロジックでは取り扱みにくい不動産にお金が流れていって、街が活性化し、最終的に不動産に関与する全ての方々が豊かになっている、そんな未来をつくりたいですね。

7 投資を検討されている方に向けて、COZUCHIの活用法やメッセージなどをお願いします。

本来不動産はとても安定した資産だと考えています。登記という国が認めた所有権や債権者を明確に公示する仕組みがあり、また、不動産はなくならず、盗めず、厳然と存在します。そこに対する投資は会社や人に対する投資よりはるかにリスクが限定されていると考えています。

一方、不動産は高額のために、少額の資金での投資は難しく、銀行からの借り入れなどでレバレッジをかけてリスクを多くとって投資する方法しかありませんでした。そのため多くの個人の方の投資対象として扱われてこなかった。それをクラウドファンディングは開放したと考えています。

都心の価値が落ちづらい土地で安定的に低利回りでもよいから堅く運用し、一方でアップサイドがあるようなオポテュニティ案件に一部投資を行う。安定とアップサイドをバランスよくポートフォリオを組んで投資を行っていただくことが良いと考えています。

今年後半からは、任意組合型の投資スキームもCOZUCHIで開始する予定です。任組で安定利回りを確保いただき、不動産の税効果もとっていただく。ランドバンキング的発想と、アップサイドを取りに行く投資的発想を組み合わせていただくことが良いと考えています。

8 編集後記

「投資家とフェアでありたい」「不動産の面白さを伝えたい」「クラウドファンディングを通じたまちづくりや再開発、文化的な価値のある建築の保存なども模索したい」「不動産のセカンダリーマーケットを実現して流動性を高めたい」「不動産でバランスよくポートフォリオを組めるようにしたい」。今回のインタビューでは、武藤さんがCOZUCHIを通じて実現したい様々な想いや構想に触れることができました。

インタビューの中で、武藤さんは「不動産クラウドファンディングは今が黎明期」ということもお話をされていました。COZUCHIは、不動産が本来有する大きなポテンシャルを、クラウドファンディングという手法を通じてどこまで引き出せるか、ということに今まさにチャレンジしようとしているのだと感じます。

投資家サイドとしても、COZUCHIの投資案件を高い利回りや大きな募集金額だけで評価するのではなく、不動産を取り巻くドラマに着目したり、プロジェクトの社会的な意義・価値に共感したり、不動産を通じてどう豊かな人生や社会を実現していくかといったことまで想いを巡らせたりしながら、COZUCHIや不動産との多様な関わり方を模索してみることができるのではないでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」