不動産売却・査定で売主が工夫しておきたいポイントは?売却経験者の体験談も

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不動産を売却する際は不動産会社に査定を依頼するケースが多いでしょう。不動産会社による査定価格が売買価格の目安となるため、適切な価格を算出してもらえるよう、査定前に売主側で準備しておくことが重要です。

そこで今回のコラムでは、売却や査定の際に売主が工夫しておきたい6つのポイントについて解説します。

目次

  1. 不動産を売却する際の不動産査定とは
  2. 不動産査定の際に工夫しておきたいポイント
    2-1.複数の不動産会社に査定を依頼する
    2-2.タイプの違う不動産会社を選ぶ
    2-3.物件をきれいにしておく
    2-4.室内が広く見えるようにしておく
    2-5.物件のアピールポイントをまとめておく
    2-6.賃貸用物件は入居率を上げておく
  3. 不動産売却経験者の体験談・口コミ
    3-1.不動産会社との関係性における工夫
    3-2.アピールポイントに関する工夫
    3-3.物件の状態についての工夫
  4. まとめ

1 不動産を売却する際の不動産査定とは

不動産査定とは、物件の状態や不動産市場などから不動産会社に査定価格をつけてもらうことです。不動産を売却するときの価格は売主が設定しますが、相場価格から外れてしまうと適正価格で売却するのが難しくなります。そのため、査定価格をつけてもらうことで売り出し価格や売買価格の参考にすることができるのです。

下記は、不動産を売却する代表的な流れです。

  1. 不動産会社の情報を集める
  2. 不動産会社を絞り込み、机上査定を依頼する
  3. 不動産会社から査定結果が届く
  4. 査定結果を確認して不動産会社を絞り込み、訪問査定を依頼する
  5. 不動産会社が訪問査定に訪れる
  6. 不動産会社から査定結果が届く
  7. 査定結果を確認し、売却活動をしてもらう不動産会社を選ぶ
  8. 不動産会社と媒介契約を締結する

机上査定と訪問査定の2つの査定方法には、下記のような違いがあります。

机上査定(簡易査定)

築年数や専有面積、間取り、最寄り駅からの距離、最近の取引事例などの情報を用いて査定価格を算出する方法です。簡易査定とも言います。

訪問査定

不動産会社の担当者が物件の状態などを確認して査定する方法です。机上査定より正確に査定価格を算出することができます。

依頼したい不動産会社が決まっていたり、迅速な売却を求めるのであれば、最初から訪問査定を受けることも可能です。ただし、複数の不動産会社の査定結果を比較したい場合や、おおよその相場価格を確認してから売却活動を行いしたい場合は、机上査定から訪問査定という流れが主な方法となっています。

2 不動産査定の際に工夫しておきたいポイント

査定価格を適切に算出してもらうためのポイントはいくつかありますが、代表的な6つを紹介します。

2-1 複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産会社によって査定方法や査定基準が異なるため、不動産会社に査定をしてもらう場合は1社ではなく、複数の会社に依頼することがポイントの一つになります。

多くの不動産会社に査定してもらう方が、相場を把握しやすくなり、売買価格を決めやすくなります。つまり、より適正な価格で、よりスピーディに売却できる可能性が高くなるのです。

複数の不動産会社に査定を依頼するのは時間や労力が必要ですが、不動産一括査定サイトを活用する方法があります。物件やオーナーの情報を一度入力するだけで、査定を依頼できる複数の不動産会社の情報を知ることができます。

下記は、国内大手5社の不動産一括査定サイトをまとめた表です。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
SUUMO(スーモ)不動産売却[PR] 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
すまいValue[PR] 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国875店舗。利用者の95.5%が「安心感がある」と回答
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス[PR] 株式会社LIFULL 全国3826社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
リガイド(RE-Guide)[PR] 株式会社ウェイブダッシュ 17年目の老舗サイト。登録会社数900社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
HOME4U[PR] 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国2100社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

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まずは5~10社程度に机上査定をしてもらい、査定結果や担当者とのやり取りを通じて訪問査定をしてもらう不動産会社を絞り込んでいきます。訪問査定は対応する数が多くなると負担が大きくなるので、自身が対応できる時間なども考慮しながら、まずは3~5社程度を目安に依頼されてみると良いでしょう。

2-2 タイプの違う不動産会社を選ぶ

前項では、査定は複数の不動産会社に依頼するのがポイントの一つと紹介しましたが、不動産会社のタイプを分けるのもポイントになります。

不動産会社には、主に全国展開する大手企業と地域密着型の中堅・中小企業などがあり、査定の仕方や広告展開、売却活動などが異なります。不動産会社のタイプを分けると、各社の視点の違った意見を聞くことができるのです。

不動産会社のタイプ 特徴
全国組織の大手企業 ネームバリューがあり、大掛かりな広告展開もできるのが特徴です。そのため幅広いターゲットに訴求できます。ただし、地域によっては得意ではないエリアもあります。
地元密着型の中堅・中小企業 エリアの特性などを把握していることが多く、ターゲットを絞った売却活動をしてもらえます。エリア限定で物件を求めている人の情報を、ストックしているケースもあります。

さまざまなタイプの不動産会社の担当者と接することで、その後の不動産売却に役立つこともあります。

2-3 物件をきれいにしておく

訪問査定での担当者は、後の購入検討者が抱く印象も考慮しながら査定を行います。適切に不動産を評価してもらうためにも、訪問査定の際は物件の清掃や整理整頓を行っておきましょう。

例えば、一戸建ての場合は居住スペースだけではなく、外壁や屋根、庭、駐車場、玄関前なども査定対象になります。必要以上の修繕をする必要はありませんが、敷地内に不用品があったり、雑草が生えている場合は処分するようにしましょう。

また、区分マンションの場合は室内だけではなく、廊下やエントランス、エレベーターなどの共有部分もチェックします。エレベーター内や廊下にゴミが落ちていないか可能な限り状態を確認し、必要に応じて管理組合へ相談されてみると良いでしょう。

2-4 室内が広く見えるようにしておく

室内を整理整頓しておくのに加えて、部屋を広く見せるための工夫もしておきましょう。例えば、室内が暗く見えると狭く感じるので、窓際の荷物を片付けておくことやカーテンの色を明るくしておくという方法もあります。また室内の照明を明るいものに変えるのもいいでしょう。

室内の荷物が多い場合は、訪問査定の日に合わせて収納スペースにしまったり、レンタルスペースに移動させておくことも検討してみましょう。

2-5 物件のアピールポイントをまとめておく

物件には、オーナーにしか分からない、住んでみないと分からない魅力があります。そのため、事前にアピールポイントをまとめておき、不動産会社の担当者に伝えてみましょう。

査定が上がるポイントとなりそうなのは、下記のようなことです。

  • 給湯器を新品に交換している
  • 除湿効果のある壁紙を貼っている
  • 眺望が良く、夏になると花火が見える
  • 朝から夕方まで日が入る
  • 交通量が少なく、騒音がほとんど聞こえない
  • 公園が近く、子育てには助かる
  • 駅からの道が平坦で歩きやすい
  • 管理組合がしっかりしている
  • 防犯カメラが設置されているのでセキュリティが高い
  • 目の前のバス停には1時間に5本のバスが来る
  • 小学校までの交差点には見守り隊が毎日いてくれる
  • 風通しが良く、梅雨の時期でも湿気を逃すことができる、など

どのポイントを採用するかは不動産会社によって異なりますが、売主として気づいたことを伝えることで売却価格の引き上げにつながる可能性があります。

一方で、設備の不具合や住んでみた気付いた不便な点など、デメリットについてもまとめておきましょう。特に不具合については売却後のトラブルに繋がる恐れもあるため、認識している場合には必ず不動産会社を通して買主へ伝える義務があります。

2-6 賃貸用物件は入居率を上げておく

居住用物件とは異なり、賃貸用物件の場合はさらに査定前に工夫できるポイントがあります。下記を確認してください。

  • 入居率を高めておく
  • 家賃の下落を抑えておく
  • 家賃滞納者がいる場合は対策を講じる
  • 設備を最新型に更新しておく、など

家賃が下落傾向にあったり、空室が多かったり、さらに家賃滞納者がいる場合などは、買い手が現れにくくなります。そのため、これらの問題を解決しておくことで、売却をスムーズに行える可能性を高めることができます。

このときに気をつけたいのは、入居率を高めるために家賃を下げてしまうことです。家賃を下げてしまうと利回りに影響してしまうため、売却価格が低くなります。家賃を下げずに入居率を高める工夫には、下記のようなものがあります。

  • 敷金や礼金を免除する
  • フリーレント期間を設ける
  • 室内のリフォームを行う
  • 入居祝金を進呈する
  • 家電をプレゼントする、など

3 不動産売却経験者の体験談・口コミ

実際に不動産売却をした方が査定の際にどのような工夫をしたのか、体験談や口コミを見ていきましょう。以下は、不動産総合ポータルサイトのSUUMOが運営する不動産一括査定サービスの「SUUMO不動産売却」に寄せられた不動産売却経験者の体験談です。

3-1 不動産会社との関係性における工夫

「不動産会社の担当と密に連絡を取り合い、高く売れるアドバイスをいろいろともらった。」(一戸建て売却/175㎡)

「不動産販売会社に不動産価格や高く売却できる時期などを相談した。」(一戸建て売却/100㎡)

3-2 アピールポイントに関する工夫

「近隣に学校や病院があることや、大学までの通学が可能なことなど、家族世帯の利便性を強調した。」(一戸建て売却/60㎡)

「地元の不動産雑誌に掲載してもらい、スーパーなどが近隣にあることを強調した。」(土地(更地)売却/150㎡)

3-3 物件の状態についての工夫

「住み替えは女性の意見が主導であることが多いので、女性が良いと思ってくれる家の特徴を自らアピールした。掃除も念入りにおこなった。」(マンション売却/70㎡)

「まだ生活はしていたため物があり、片付けるのに限界があったから、目に見えそうな所の埃などをきれいにして清潔感をだした。」(マンション売却/25㎡)

※上記はすべて個人の感想です。売却を検討される際は、ご自身でもよくお調べの上ご判断下さい。

体験談からわかる売却のポイント

実際に行われた工夫を見てみると、不動産会社と積極的にコミュニケーションを取ったり、住んでみてわかった物件のアピールポイントや物件の状態について詳しくまとめられていることが分かります。売却活動を不動産会社へ任せっきりになるのではなく、自分事として能動的に売却を行っている、ということが共通していると言えるでしょう。

日中の仕事がある方は不動産会社とのコミュニケーションを取る時間がなかなか取れない方も多いかと思いますが、そのような場合は電話できる時間をあらかじめ伝えておいたり、メールでの連絡を主に行うなど、連絡手段の相談もしてみましょう。

SUUMO不動産売却

SUUMO不動産売却SUUMO不動産売却は複数の不動産会社へ査定依頼ができる、株式会社リクルートが運営する不動産一括査定サイトです。不動産会社での査定は全て無料で受けることができ、売却するかどうかは査定依頼の後で決めることが可能となっています。

SUUMO売却査定で査定を依頼できる業者は、全国の約2,000店舗です。特に注目したいのが、「大京穴吹不動産」「長谷工の仲介」「三菱UFJ不動産販売」などの大手企業や、中堅および地場の小規模事業者など規模に関わらず幅広い不動産会社を網羅している点です。つまり、全国組織の大手企業や、地域に強い中小企業のどちらにも査定してもらえるため、異なった角度からの意見を聞けるメリットがあります。

まとめ

不動産には定価がないため不動産会社に査定価格を提出してもらうのが通常ですが、より高く売却するためには、売主として工夫できることがいくつかあります。今回は、部屋を広く見せる工夫など代表的な6つのポイントを紹介しました。

また、不動産総合ポータルサイト「SUUMO」に届いた、実際に不動産を売却した方の体験談や口コミも紹介しました。実際に行われた工夫を見てみると、売却活動を不動産会社へ任せっきりになるのではなく、自分事として能動的に売却を行っていることが分かります。

不動産査定を依頼する際は、相場に沿った適正な価格を算出できるかどうかという点が大切です。今回ご紹介した工夫のポイントを参考に売却を進めてみましょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。