マンション価格が上がっているエリアは?注目エリア4つの推移を検証

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2022年時点、東京都を中心としてマンションの値上がり傾向にあります。マンションはどれくらいの値上がりが起きていて、値下がりが起こる可能性はあるのかなど気になる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、三大都市圏と北海道についてマンション価格の推移を検証するとともに、マンション値上がりの原因について解説します。

目次

  1. 各都道府県のマンション価格推移
    1-1.日本全国のマンション価格推移
    1-2.東京都のマンション価格推移
    1-3.大阪府のマンション価格推移
    1-4.愛知県のマンション価格推移
    1-5.北海道のマンション価格推移
  2. まとめ

1.各都道府県のマンション価格推移

1-1.日本全国のマンション価格推移

最初に、日本全国ではマンション価格がどのように推移しているのかを検証します。国土交通省が発表している不動産価格指数情報によると、日本全国におけるマンション価格指数の推移は以下グラフの通りです。

日本全国のマンション価格指数推移

※国土交通省「不動産価格指数」を参照し筆者作成

上記のグラフは、2010年の平均価格を100とした場合のマンション価格指数推移です。日本全国のマンション価格指数は2018年1月の時点で138.1でした。1年ごとに10~15ほどの上昇を続けており、2022年5月に180を突破、同年8月には183.1まで上がっています。2018年1月以降、日本のマンションは5年弱で約1.3倍まで値上がりしたことになります。

なお、不動産価格が値上がりしている背景には、日本銀行が金融緩和を決めたため住宅ローン金利が下がったことが要因としてあります。日本銀行が金融緩和を始めたのは2016年9月でしたが、2017年以降のマンション価格は毎年値上がりを続けているのです。

なお、コロナウイルス感染症が流行して景気が落ち込んだ2020年以降も値上がり傾向にありありました。新型コロナウイルスの感染対策によって都心部からの転出超過が起きていましたが、マンション価格指数の推移からはあまり関連が見られなかったのも特徴的です。

一方、金利水準が低いことでマンション価格の上昇を下支えされているということであれば、ローン金利の上昇がマンションの値上がりに歯止めをかける可能性は高いと考えられます。

金融緩和を決めた日本銀行の黒田総裁は2023年4月で任期満了を迎えます。2023年以降もマンション価格が上がり続けるかどうかは、次期総裁の方針の影響を受ける可能性はあると言えるでしょう。

1-2.東京都のマンション価格推移

つづいて、同じく国土交通省が発表している統計に基づいて東京都のマンション価格推移を検証します。

東京都のマンション価格推移

※参照:同上

東京都のマンション価格指数も日本全国のマンション価格指数と似たような動き方をしています。2019年以降は毎年6から10前後価格指数が上がっている状況です。

新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年上半期は比較的値動きも落ち着いていましたが、2020年末以降は再び上昇基調となりました。

2020年1月の指数は151.4でしたが12月の指数は158.8であり、コロナウイルス感染症流行の影響が最も大きかった2020年にも東京の不動産価格指数は7上がったことになります。

また、2018年1月の価格指数と2020年1月の価格指数には11.8の差がありますが、2020年1月と2022年1月の価格指数差は20.5であり、コロナ禍前後で比較すると後の方が値上がりの勢いが強いのも特徴的です。

1-3.大阪府のマンション価格推移

大阪府のマンション価格指数推移を検証します。大阪府における2018年以降のマンション価格指数推移は以下グラフの通りです。

大阪府のマンション価格推移

※参照:同上

大阪府のマンション価格指数も、2018年以降の推移は全国・東京と同じような形になっています。2019年の春までは上下動が多かったものの、2019年夏以降は緩やかな値上がり時期も見受けられるのが特徴的です。

グラフが全体的に緩やかな右肩上がりになっている東京都と比べると、大阪府のマンション価格指数は少し違う値上がり推移をたどっていると言えるでしょう。

2022年8月時点の価格指数を比較すると、東京都は180.9なのに対して大阪府は184.1です。東京都では2022年の春以降、少し踊り場に入ったような値動きをしていますが、大阪府では値上がり続けている様子が伺えます。

また、2021年と2022年の値動きを見ると、大阪府では4月~6月あたりでそれまでと比べて少し大きめの値上がりをしやすい傾向があります。

1-4.愛知県のマンション価格推移

つづいて愛知県のマンション価格指数推移を検証します。愛知県における2018年以降のマンション価格指数推移は以下グラフの通りです。

愛知県のマンション価格推移

※参照:同上

ここまで解説した日本全国・東京都・大阪府と同様に、愛知県のマンション価格指数も上昇基調にあります。愛知県における2022年8月のマンション価格指数は188.9であり、三大都市圏の中では最大値です。

愛知県のマンション価格指数は2019年の夏以降2020年秋までほぼ横ばいでしたが、2020年10月から11月にかけて8上昇しています。また、その後は2021年5月まで横ばいを続けるものの、6月に4上昇するなど数ヶ月おきに大きな値上がりが起こってその後横ばいになるという動きを繰り返しています。

1-5.北海道のマンション価格推移

最後に北海道のマンション価格指数推移を検証します。北海道における2018年以降のマンション価格指数推移は以下グラフの通りです。

北海道のマンション価格推

※参照:同上

上記のグラフは北海道全体のマンション価格指数推移を示したものです。札幌など大都市以外の不動産も調査対象に含まれています。

北海道における2022年8月以降のマンション価格指数は287となっており、同年同月における三大都市圏のマンション価格指数を100前後上回っています。

北海道では2019年・2020年ともに横ばいの時期が長く値上がり幅は緩やかでしたが、2021年の1月から2月にかけて14.1上昇すると、4月から6月にかけて28上昇するなど、突如として急激な上昇を見せました。

北海道におけるマンション価格指数上昇の背景には、札幌及び周辺エリアの再開発と北海道新幹線延伸計画などがあると考えられます。そのほか、2022年9月に発表された基準地価では、札幌市の隣に位置する北広島市の上昇率が日本全国でトップとなりました。

また、北広島市では、プロ野球チームの北海道日本ハムファイターズが本拠地とする予定の「北海道ボールパーク」が2023年3月に開業します。新球場のオープンが地価上昇に貢献していると考えられます。

まとめ

2022年時点では東京都や大阪府など三大都市圏を含む日本全国でマンション価格が上昇しています。2020年はコロナウイルス感染症の流行により、市場が冷え込むという見方もあったものの、統計を見る限りマンション価格指数は2022年まで上昇を続けているのが実態です。

マンション価格が上昇している理由は住宅の需給バランスです。マンションを購入する動機として、低金利や定年に合わせたローン完済の希望などを挙げる人は多く、少なくとも低金利が続く限り需要はあまり落ち込まないと考えられます。

一方で、コロナ禍によって外出が制限されたことや建築資材高騰などの影響により、2020年と2021年はマンションの供給戸数が落ち込みました。結果的に需要が供給を上回ったためマンションの値上がりが起きていると予測されます。今後、日本銀行がいつまで低金利を続けるかによってマンション価格の動向についても影響があると考えられるでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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