マンション投資として投資できる物件には単身者向けのワンルームマンションとファミリー向けのマンションとがあります。どちらの方がハイリスクなのか、自分に向いているのはどちらの物件なのかなど疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
ワンルームマンションとファミリー向けマンションとの比較では、一概にどちらの方がハイリスクとは言えないため、排除したいリスクや狙っていく利益などの優先順位をつけることが重要です。
本記事では、ワンルームマンションとファミリー向けマンションとでメリットやリスクを比較して解説します。マンション投資を検討している方はご参考ください。
目次
- ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
1-1.ワンルームマンション投資のメリット
1-2.ワンルームマンション投資のデメリット - ファミリー向けマンション投資のメリット・デメリット
2-1.ファミリー向けマンション投資のメリット
2-2.ファミリー向けマンション投資のデメリット - まとめ
1.ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
ワンルームマンション投資には、必要な初期費用が少ない点などにメリットがあるものの、毎月の手残り額があまり多くない点に注意が必要です。
1-1.ワンルームマンション投資のメリット
ワンルームマンション投資では、ファミリータイプと比較して下記のメリットがあげられます。
- 物件価格が安い
- 好立地の物件が多い
物件価格が安い
ワンルームマンション投資が持つ大きなメリットとして、物件価格が安いため投資の初心者にも手が出しやすい点が挙げられます。
ワンルームマンションは会社勤めの単身者などが入居者のターゲットとなります。ワンルームマンションには住戸の面積が25㎡など小さいものも多く、面積が小さい分だけ物件価格は安くなるため、取得の難易度が低いことは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、低価格で投資できるものの、狭すぎる物件を購入すると入居者探しに苦戦するため要注意です。例えば、会社勤めの単身者は駅からの距離や生活利便施設の有無など、利便性を重視して部屋を選ぶことが多いものです。
単身者は、利便性が高ければ多少狭い部屋でも入居を決めることがありますが、例えば20㎡以下など狭すぎる物件は入居先の選択肢に入らないこともあります。価格に囚われるのではなく、住戸の大きさ・利便性・価格などのバランスを考えて物件を選ぶことが重要です。
好立地の物件が多く値上がりも期待できる
ワンルームマンションの入居者ターゲットとなる単身者は、利便性を重視して物件を選ぶため、ワンルームマンションは好立地の物件が多くなります。
立地の良さは不動産価格に大きな影響を与えます。マンションを含む不動産は築年数の経過とともに価格が下がっていくものです。しかし、立地が良い物件では、周辺エリアの発展とともに価格が上がっていくこともあります。
1-2.ワンルームマンション投資のデメリット
次に、ワンルームマンション投資のデメリットについてもみて行きましょう。ここでは下記の2点を取り上げています。
- 表面利回りは低い傾向がある
- 物件によっては空室リスクが高くなることも
実質利回りは低い傾向がある
ワンルームマンション投資で要注意のリスクとしては、実質利回りの低さが挙げられます。実質利回りとは、家賃収入から毎月支払う必要経費を差し引いた後の手残り額を、物件の取得費で割り戻したものです。
実質利回り=年間家賃収入-年間経費÷物件の購入価格+購入時諸経費
賃貸住宅の家賃は複数の要素によって決まりますが、住戸の面積も家賃額に大きな影響を与えます。狭小な物件も多いワンルームマンションでは、家賃が安いことも少なくないため、キャッシュフローを出しにくい点に要注意です。
都心の物件は固定資産税などの経費も高くなります。投資前にはシミュレーションを作成し、適切なキャッシュフローを得られるかどうか、慎重に確認をしましょう。
物件によっては空室リスクが高くなることも
ワンルームマンション投資では、大学のキャンパスに近い物件では大学生の入居を見込めるため、大学のキャンパスに近い物件は人気が高いものです。
大学のほかにも、例えば大企業の工場などに近いエリアの物件では、その企業に勤務する単身者の入居を見込めます。
しかし、大学や大企業の工場など特定の施設に賃貸ニーズを依存している物件では、その施設が移転してしまった場合に、空室リスクが高くなる点に要注意です。特に、駅から遠いなど立地が良くない物件で入居者を特定施設に依存すると、万一の場合に空室リスクが上がります。
可能な限り入居率を維持するためには、特定の施設にとらわれず、立地を見極めて物件を選ぶことが重要です。
2.ファミリー向けマンション投資のメリット・デメリット
ファミリー向けマンション投資には、入居者の入居期間が長期化しやすいメリットがあります。しかし、1度入居者が退去した時の対応などには要注意です。
2-1.ファミリー向けマンション投資のメリット
- 入居期間が長期化しやすい
- 売却先の選択肢が複数ある
入居期間が長期化しやすい
ファミリー向け物件の入居者は、子持ち世帯などになることが多くなります。子どもがいる家庭では、保育園の変更や子どもの転校などを伴うため、単身者と比較して入退去の頻度は少なくなります。
このため、ファミリー向けの物件では、1度入居者が入るとなかなか退去しない傾向が強いものです。不動産投資では、入居者の入居期間が長期化することは、家賃収入の維持につながるためメリットが大きくなります。
売却先の選択肢が複数ある
ワンルームマンションに投資した場合は、物件を売却するときの売却先も投資家になることが多いものです。その一方で、ファミリー向け物件の場合は、投資家だけではなく実需の目的で家を探している人も売却の対象になります。実需とは、投資運用ではなく実際に自分が居住することを目的として家を使用することです。
売却先の選択肢が複数あれば、物件の売却活動を始めてから売却が完了するまでの期間が短くなる可能性も高くなります。投下した資金を早期に回収して次の投資を検討できるのは、ファミリー向けマンション投資のメリットです。
2-2.ファミリー向けマンション投資のデメリット
ファミリー向けマンション投資のデメリットについても詳しくみて行きましょう。ここでは以下の2点を取り上げています。
- 入居者を見つける難易度が高い
- 修繕費等の経費が高額になることがある
入居者を見つける難易度が高い
ファミリー向けマンション投資のリスクとして注意すべき点の1つ目は、1度空室が発生すると、次の入居者が見つかるまでの期間が長期化しやすいことです。
ファミリー向け物件では、入居者は賃貸マンションと分譲マンションとを比較することが多くなります。入居者募集に際してライバルが多くなるため、ファミリー向けマンション投資では、ワンルームマンション投資と比較して入居者を見つける難易度が高いものです。
ファミリー向けマンション投資では、できる限り収益を拡大するために、ファミリー向けマンションの入居者募集に長けた管理会社に管理委託することが重要になります。
修繕費等の経費が高額になることがある
ファミリー向けマンション投資における注意点としてもう1点あげられるポイントは、修繕費など物件の維持管理経費が高額になりやすい点です。
ファミリー向けマンションはワンルームマンションと違って面積が広く、居室も複数ある物件が多くなります。例えば壁紙クロスを張り替えたり、フローリングのワックスがけをしたりなど、入居者が退去した後の退去処理について、対応範囲が広くなりがちです。
ワンルームマンションと比較すると、ファミリー向けマンションでは物件の維持管理経費が高額になります。ファミリー向けマンション投資では収支の管理に要注意です。
まとめ
ワンルームマンション投資には、必要な初期費用が少なく、立地の良さからキャピタルゲインを狙いやすい点などにメリットがあります。その一方で、キャッシュフローが少ないため、手元の現金を増やしたい場合などには向いていない点に要注意です。
ファミリー向けマンション投資には、入居者が入れば収支が見込みやすいメリットがあります。しかし、1度空室が発生すると空室期間が長期化しやすいリスクには要注意です。
ワンルームマンションもファミリー向けマンションも、空室期間を短くしたい場合は立地にこだわって物件を選ぶことが重要になります。これらの点に注意して、投資先のマンションを慎重に選んでみましょう。
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