インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数と同じ値動きを目指す投資信託です。この記事では、インデックスファンドの平均利回りと、純資産総額の上位5ファンドの概要・騰落率について解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- インデックスファンドの平均利回りは3~5%程度
1-1.対象資産別リターンランキング - インデックスファンド純資産ランキングのベスト5
2-1.1位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
2-2.2位 ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)
2-3.3位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
2-4.4位 ニッセイ外国株式インデックスファンド
2-5.5位 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド - まとめ
1.インデックスファンドの平均利回りは3~5%程度
インデックスファンドの平均利回り(年率)は、長期的に見ると3~5%程度が目安になります。ただし、対象となる資産によって利回りは異なるので注意が必要です。一般的に株式や不動産を対象にしたインデックスファンドの利回りは高く、債券を対象にしたインデックスファンドの利回りは低くなります。
なお、投資信託における利回りは、分配金と売買益の双方を用いて計算されます。つまり、投資信託の利回りは売却による損益確定をもってはじめて確定するのです。そのため運用中のファンドを分析する際は、一定期間内の基準価額増減幅を表す「騰落率」から利回りを推定する必要があります。
株式や不動産などとは、一般的に用いられる「利回り」の認識が異なる点に注意が必要です。
1-1.対象資産別リターンランキング
2021年7月末時点における、過去1年間のリターンランキングは、以下の通りです。
- 外国株式 39.1%
- REIT(不動産投資信託)35.5%
- 国内株式 30.6%
- エマージング株式 29.8%
- ハイイールド債券 18.1%
- エマージング債券 10.4%
- 外国債券 7.4%
- 国内債券 0.4%
2020年前半は、新型コロナウイルスの感染拡大により株式市場は下がりましたが、その後に大きく戻ったので、外国株式やエマージング株式のリターンが高くなっています。ただし、これはあくまでの過去1年間の結果なので、今後も高いリターンが続くとは限りません。インデックスファンドに投資するときは、10年以上の長期で考えて運用するようにしてください。
2.インデックスファンド純資産ランキングのベスト5
インデックスファンドの純資産残高が多い5つのファンドの騰落率と特徴について解説します(数値は2021年7月30日時点)。
2-1.1位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 純資産残高 5,490.60億円
- 騰落率(過去1年)44.3%
米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。同ファンドの信託報酬は0.0968%以内と業界最低水準。「eMAXIS Slim」は、「業界最低水準の運用コストを目指す」というコンセプトのシリーズです。
S&P500種株価指数は7月に過去最高値を更新するなどパフォーマンスも好調で、同ファンドには2021年7月まで37カ月連続で資金流入が続いています。高水準の資金流入が続いているので、しばらくインデックスファンドの純資産残高トップの座をキープする可能性は高いと筆者は考えています。
2-2.2位 ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)
- 純資産残高 4,356億円
- 騰落率(過去1年)33.8%
国内のREIT(不動産投資信託)に投資し、東京証券取引所が算出・公表している「東証REIT指数(配当込み)」に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
東証REIT指数は、2021年になってから力強い戻りが続いています。7月30日時点における年間上昇率は21.10%となり、日米の代表的な株価指数である日経平均株価-0.59%、NYダウ14.14%を大幅に上回っているのです。「ダイワ J-REITオープン(毎月分配型)」の7月末時点における過去1年間の騰落率も、33.8%と好調です。
今後も同ファンドへの資金流入が続く可能性は高いと見ています。
2-3.3位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 純資産残高 3,209.67億円
- 騰落率(過去1年)46.5%
「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」と連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は、米国株式市場の大型株から小型株までを網羅した株価指数で、米国株式市場の投資可能銘柄、約4,000銘柄に幅広く分散投資できます。
誰もが知っている大型株だけでなく、米国株式市場に上場している中小型株も網羅しているので、S&P500種株価指数よりもリスクを抑えた運用が可能です。過去1年間の騰落率も、46.5%と高いリターンをだしています。
2-4.4位 ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 純資産残高 3,119億円
- 騰落率(過去1年)43.3%
MSCIコクサイ・インデックス(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。MSCIコクサイ・インデックスは、日本を除く先進国の株価動向を示す代表的な指数。日本を除く先進国22カ国に上場する大・中小型株のうち、約1,300銘柄を採用しています。
「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の7月末時点における国・地域別の組入比率は、以下の通りです。
- アメリカ 72.5%
- イギリス 4.5%
- フランス 3.6%
- カナダ 3.5%
- スイス 3.1%
米国中心ですが先進国の株式に幅広く分散投資でき、過去のパフォーマンスも良好なので、今後も同ファンドに資金流入が続く可能性は高いと考えます。
2-5.5位 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 純資産残高 2,729.4億円
- 騰落率(過去1年) 44.05%
米国の代表的な株価指数であるS&P500種株価指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。「SBI・V」シリーズは、米バンガード社のETF(上場投資信託)を組み入れた低コストのインデックスファンドシリーズで、同ファンドの信託報酬も0.0938%程度と業界最低水準の運用コストになっています。
S&P500種株価指数は7月に過去最高値を更新するなど、パフォーマンスも好調。低コストのインデックスファンドとして、今後も人気は継続すると考えられます。
まとめ
インデックスファンドはコストがアクティブファンドよりも低いので、人気が高まっています。さらに、今年になって米国の株価指数が過去最高値を更新するなど、パフォーマンスも高くなっています。
ただ、10年以上の長期での運用を心掛け、短期的な利回りに一喜一憂することなく、淡々と運用を続けるようにしてください。
山下耕太郎
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