アパートローン、借りる前に必ずチェックしておきたい5つのポイント

アパートローンは住宅ローンと違い事業性や物件の担保力をもとに融資を行いますので、融資金額も毎月の返済額もかなり大きなものになります。そのため金利や収支の試算などのシミュレーションは慎重に作成しておきたいものです。

では、どのような点に注意してアパートローンを借りればいいのでしょうか?今回はアパートローンを本当に借りても大丈夫なのか、借りる前にチェックしておきたい5つのポイントをご紹介します。

目次

  1. アパートローンは月返済額20万円以上も。借りる前に十分なチェックを
  2. 【チェックポイント1】物件の収益性
  3. 【チェックポイント2】毎月の家計の収支
  4. 【チェックポイント3】生命保険の保険料
  5. 【チェックポイント4】融資金利と返済期間
  6. 【チェックポイント5】返済比率
  7. まとめ

アパートローンは月返済額20万円以上も。借りる前に十分なチェックを

区分のマンション経営が1,000万円台から2,000万円台くらいで始められるのに対し、アパート経営の場合、建築費で5,000万円から1億円かかることが多くなります。もちろんアパートも小さなものもありますが、ほとんどのアパートは4部屋以上が多く、よほど小さなアパートでない限り、一般的な相場としてワンルームマンション価格の倍以上はかかると思ってよいでしょう。

返済額はワンルームマンションの場合は月々6万円~9万円くらいの額ですが、アパート経営では20万円以上になります。以下に4室のアパート経営をした場合とワンルームマンションを区分所有した場合の代表的な事例を表にまとめてみました。

物件価格帯 月々の返済額 家賃収入
アパート経営(4部屋) 5,000万円~ 20万円~ 24万円~
(1部屋6万円の家賃場合)
マンション経営(区分ワンルーム) 2,000万円~ 7万円~ 6万5,000円~

アパート経営は返済額が大きい代わりに、部屋数が複数取れるため返済額を上回るだけの収入を得られる点が魅力です。例えば家賃6万円取れる部屋が4室あれば満室状態で毎月24万円の家賃収入になります。頭金などを多く入れている場合は毎月10万円位のキャッシュフローを得られている事例も多くあります。

しかし、その分空室リスクも大きくなります。例えば仮に3部屋空室になった場合は6万円×3室=18万円は手持ち資金から返済に充てることになります。このように空室になった場合の補填金額が大きいため、借りても大丈夫かをしっかり確認することが重要なチェックポイントになります。

では詳細にチェックポイントを見てみましょう。

チェックポイント1 物件の収益性

一つめのチェックポイントは物件の収益性です。収益性といっても単純な家賃収入と返済の差ではなく、立地や入居率、家賃収入、利回りなどがあり、全てが完ぺきとはいかないとしても、細かくシミュレーションしておくことが大切です。

駅からどれくらいの距離なのか、入居率や家賃収入は相場とあっているか、利回りは平均より大きく上回っていないかなどを計画段階でそのエリアの不動産会社に確認しておくことをお勧めします。

不動産投資でありがちな失敗事例は、家賃の下落率の設定があまかったり、入居率がそのエリアの実際の相場とかけ離れた数字で試算してあったりするなどのミスです。このようなミスがあると数年たった時に、家賃を下げなければ賃借人が付かず、そのため満室でも赤字になったり、空室状態が長く続いたりする事態を招きます。

そうなるとそもそもの計画が間違っていた、ということにもなりかねません。計画を立てる段階で信頼できる不動産会社や建築会社に相談することが失敗しないための秘訣と言えます。

失敗事例

建築費用4,500万円でローンを組んだ場合(*金利1.5%、期間22年で試算)
アパート1棟4室 1室家賃6万円→5年後4万7,000円まで下落
   

スタート時 5年後
家賃収入/1ヵ月 24万円 18万8,000円
返済額 20万229円 20万229円
収支 +3万9,771円 -1万2,229円

この失敗事例ではスタート時と5年後では約5万円もキャッシュフローが違っています。家賃設定をあまく見積もることで、およそ1部屋分の家賃となるキャッシュフローの差が生まれています。

チェックポイント2 毎月の家計の収支

二つめのチェックポイントは、不動産や運用の収支などではなく、現在の毎月の家計の収支です。アパート経営では空室などになった際の補填の金額が大きいため、ある程度の準備金がなければ耐えられないからです。

もし今の生活で頭金が準備できていなかったり、毎月、あるいは毎年大きな赤字が出ていたりする場合は、生活を改善し自己資金を準備できるまで待った方が良いでしょう。

また、家計の収支をプラスにする発想がアパート経営をする上で役に立ってきます。不動産のシミュレーションだけでなく家計の収支もしっかりチェックするようにしましょう。

チェックポイント3 生命保険の保険料

平成27年の生命保険文化センターが作成した生命保険に関する全国実態調査では、国内全世帯の年間の平均保険料は38万5,000円となっています。保険は見直してみると保険料を削減できる部分が見えてきたりしますので、一度見直してみましょう。家族一人当たり数千円安くなったとして、世帯で1万円安くなれば年間で12万円余剰資金ができることになります。

仮に世帯主の生命保険料が数万円しているのであれば、思い切って団信に集約することも一つの手でしょう。そうすることで年間数十万円の資金を浮かすことが可能になるかもしれません。同じ保障内容でも保険料が安くなる保険も出てきていますので、保険の見直しはぜひやってみましょう。

チェックポイント4 融資金利と返済期間

家計のチェックや物件の絞り込みができたら、次は融資内容をチェックします。主には融資金利と返済期間には注意を払いましょう。シェアハウス問題でも問題の一つになっているように、高い金利は収支を圧迫しますので、慎重に検討したい点です。

アパート経営は区分マンションと違い金額が大きくなりますので、少しの金利の違いで返済額が大きく違ってきます。また期間についても注意が必要です。アパートローンは住宅ローンのように30年や35年といった期間でローンが組めるわけではありません。アパートローンの期間は建物の法定耐用年数で決まります。

この表からわかるように、仮に木造のアパートであればローンの期間は22年が返済期間の目安となってきます。また中古物件になるとさらに返済期間は短くなりますので、注意が必要です。                                  

構造 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨 27年
重量鉄骨 34年
鉄筋コンクリート 47年

では、金利が違うとどれくらい返済額が変わってくるのかについても試算してみましょう。仮に融資額4,500万円を金利1.5%で22年間のローンを組んだ場合と、同じ物件で金利3%のローンを組んだ場合を比較してみます。
               

金利1.5% 金利3%
月々の返済額 20万229円 23万3,053円

金利が1.5%違うことで月々の返済額が約3万円違ってくることがわかります。年間では約36万円キャッシュフローが違ってくることになりますので、この差は大きいと言えるのではないでしょうか。

多くのアパートローンの金利は1%台~2%台で組めますので、一つの目安として金融機関から3%を超える金利の提示があった場合は金融機関を変えてみるか物件を見直すことをお勧めします。

チェックポイント5 返済比率

金利や期間がある程度確認出来たら、返済比率を確認しましょう。返済比率とは収入に対する返済額の割合のことです。自宅のマンション購入などでは、会社から支払われる給与収入から算出します。

例えば年収が700万円の人で自宅購入の住宅ローン返済を毎月10万円しているのであれば、年間で120万円返済していますので、120万円÷700万円=17.1%(小数点第2位以下切り捨て)となります。

次にアパート経営の場合を見てみましょう。アパート経営の場合は区分マンションと違い、家賃収入に対する返済額を算出します。実際に試算してみます。例えば、5,500万円のローンを組み、1室6万円の家賃が取れる部屋が6室あるアパートを建築したとします。

金利1.5%、ローン期間22年で借り入れた場合で試算してみます。年間の家賃収入は6万円×6室×12ヵ月=432万円、年間の返済額は240万2,748円になります。その場合以下の表のようになります。
    

年間の家賃収入(A) 年間の返済額(B) 返済比率(B/A)
432万円 293万6,688円 67.9%

このように返済比率を計算し、返済比率を7割以下に抑える運用ができるようであれば取り組んでも良いのではないでしょうか。

まとめ

アパート経営をする際、融資を受ける5つのチェックポイントについて検証しました。アパート経営は規模が大きくなりますので、土地あり、土地なしを問わず5,000万円以上の価格帯になることはよくあります。

家賃設定や立地を間違えると後で取り返しがつかないことにもなりかねません。利回りや立地だけにこだわるのではなく、家計の見直しや、融資条件まで細かくチェックして取り組むようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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