ロボアドバイザーサービス「THEO(テオ)」を運営する株式会社お金のデザインは7月21日、「『お金』と『人生』に関する意識調査」の結果を公表した。今年5月に「お金」と「人生」のつながりや、それがどのように人生や幸せに影響しているのかを明らかにすることを目的にテオのユーザーを対象に調査、20代~80代の8671名から得た回答を集計した。「幸せな人生」について、20代のみ「お金に不自由しない人生」がトップ3に入らないなど、20代の回答は他の世代に比べ特徴的な結果となった。
「幸せな人生」についての考えを質問したところ、すべての世代で「自分らしく過ごせる人生」が1位となった。次いで、30代・40代は「お金に不自由しない人生」「自分の大切な人と過ごせる人生」が、50代以上では「お金に不自由しない人生」「自分の興味・関心に取り組める人生」がトップ3を占めた。30代以上は幸せな人生を構成する要素としてのお金を重要視している人が多いと見受けられる。
一方、20代は「自分の興味・関心に取り組める人生」「自分の大切な人と過ごせる人生」がトップ3を占め、「お金に不自由しない人生」は4番目となった。「人生におけるお金の意味合い」も、30代から60代は「生活をしていくために必要なもの」が1位を占める中、20代と70代以上では1位に「大切な人や物、自分を守るために必要なもの」と、価値観の違いがクッキリ。結果から、同社は「20代はお金が幸せを構成する要素として最重要ではなく、“自分がやってみたいことに挑戦できる”“自分が好きなことができる”という要素に重きを置いている」と推測している。
今年2月からのウクライナ情勢をきっかけとして、幸せの価値観に対する変化の有無を質問したところ、全体で約半数の人が「変化があった」(「とても変わった」「やや変わった」の合計)と回答。世代ごとに比較すると、20代は「変化があった」が42.8%だったのに対し、70代以上は60.8%と20ポイント近い差がつき、30代~60代にかけても段階的に割合が増えている。
また、幸せの価値観は、ウクライナ情勢前後でトップ3の価値観は「お金に心配のない生活がおくれる」「プライベートが充実している」「変わらない日常を過ごせる」が占めているが、「変わらない日常を過ごせる」ことが3位から1位に大きく順位を上げた。
「将来、日本の給料(報酬)水準はどう変化すると思うか?」という質問では、「上がる(16.9%)」を「下がる(41.9%)」が大きく上回る結果に。「将来の日本の給料水準は下がる」と回答した割合は、20代の54.1%から年代が上がるにつれて段階的に下がっていき、若い世代ほど日本の給与水準が下降していくと考えていることがわかる。
給与水準の変化の理由に、「経済成長率の影響」が最も多く挙げられ、次いで「人口動態の変化による影響」「金融政策の影響」となった。少子高齢化など日本が抱える社会問題や、それに伴う日本の労働生産性低下により、経済成長が難しくなるだろうという見通しがあるようだ。同社は「若い世代ほど日本の給与水準が下がっていくと予想していることは、バブル期の経済の高成長を知っているシニア世代に比べ、経済成長に対する希望的観測を持てない結果では」と推察している。
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