サービスの充実化で初心者もNFTを楽しめる時代に突入

今回は、ハードウェアウォレットを通じてWeb3事業に取り組むLedger株式会社から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. NFTの成長と課題
  2. NFTの魅力と楽しみ方
  3. 新しいサービスとNFTの未来
  4. セキュリティ対策の重要性とハードウェアウォレット
  5. Ledger Market、他のマーケットプレイスと何が違うのか?

暗号資産市場にベアマーケットが到来する中、NFTの成長には驚かされる。コロナ渦で注目を集めたNFTは、とりわけ日本において、衰えるどころか参入者が日々増え続けているのだ。NFTを深堀してみると、NFTコレクターは、投資としてお金を稼ぐ目的を大きく超える魅力を見出していることがわかる。NFTは、世界中の富豪や有名人からも注目を集めており、活気と勢いのある市場だ。

しかし、NFTを購入するプロセスは、暗号資産初心者にとってハードルが高い現実がある。事実、購入したいNFTを見つけるまでの準備として、暗号資産の送受信やウォレットの接続方法から学ぶ必要があるのだ。一方で、これらの参入障壁を取り除くために、様々なプロジェクトや企業がサービスを展開し始めた。

本稿は、先月Ledgerが発表したばかりのNFTマーケットプレイス「Ledger Market」など新しいサービスを紹介しながら、初心者がNFTを楽しむ方法やセキュリティの重要性を解説する。

1. NFTの成長と課題

2021年は、NFTにとって飛躍の年となった。2017年に、ブロックチェーンの誕生と共に生まれたNFTだが、当時は完全にビットコインの時代。話題に上がるのは、暗号資産やコインばかりで、用途が不明瞭なNFTの魅力を理解する人は少なかった。

しかし、2020年のコロナウイルスの蔓延により、人々の暮らしが激変。世界中で外出禁止令が発令され、仕事も会議もパソコンで対応することになった。人々は、強制的にバーチャルの世界へ投げ込まれたのだ。さらに、状況が長期化したことから経済や収入も不安定になり、投資や暗号資産が注目され始めた。人々が将来の不安やウイルスへの恐怖と戦う中、エンターテインメントと投資の中間的な存在であるNFTが注目を集めるようになったのは、自然な流れだったのかもしれない。

新しいプロジェクトが次々に発足し、有名人や海外のセレブなど影響力のある人々がNFTに参入。NFTの魅力を理解する人が爆発的に増えた一年であった。この成長により多額の資金がNFTに流れ込み、NFTの売買で利益を得た人も多く存在する。問題となったのは、NFTの急成長に、利用者の知識が追いついていないことである。ありとあらゆる詐欺が発生し、被害者の数も右肩上がりに急増。利用者へ、NFTにおけるセキュリティを正しく教育する必要性が高まっている。

また、NFT購入までのプロセスは複雑である。今後、NFTがさらに成長するためには、新規参入者の獲得が必要不可欠であり、暗号資産を知らない人でもNFTを購入できる環境を作り上げなければならない。

2. NFTの魅力と楽しみ方

NFTの醍醐味は、お金儲けだろうか?実は、NFTは単なる投資以上の価値と可能性を持っている。例えば、NFTプロジェクトのコミュニティに参加して、同じNFTホルダーと繋がることで、仲間と共にプロジェクトを盛り上げることができる。多くのNFTは、コミュニティを重要視しており、購入者が共通の趣味を持ち、好みが似た人々と交流する場所や機会を提供している。コロナウイルスの蔓延によって、家族や友人と直接会う機会が激減したことが、バーチャルコミュニティへの参加の追い風となったのだ。

また、PFPと呼ばれるプロフィール画像として実用性を持つコレクション価値も存在する。NFTでよく使用されるSNSといえば、DiscordやTwitter。プライベートと分けて個人情報を保護するためにも、プロフィール画像に顔写真を載せることは避ける傾向にある。解決策として、持っているNFTをプロフィール画像に設定することが主流となった。ユニークなNFTをプロフィール画像にすることで、それがアイデンティティとなり、他のユーザーから認識される利点もある。この流れにより、たくさんのNFTプロジェクトが、プロフィール画像用のNFTを作成するようになった。

NFTプロジェクトの価格変動に注目するだけでなく、コミュニティに参加することが、NFTを最大限に楽しむためのポイントである。とはいえ、暗号資産初心者にとって、ソーシャルメディアのコミュニティに抵抗を感じる人も多いだろう。近年では、参加型の暗号資産関連イベントやNFTファンが集まる機会も増えている。正解がないNFTの世界では、好きなNFTを好きに楽しむことができるのも魅力の一つである。

3. 新しいサービスとNFTの未来

現在のNFT購入と売却では、ウォレットをOpenSeaと呼ばれるプラットフォームに接続する方法が主流である。暗号資産初心者にとって、スムーズにNFT購入の工程を進めることは、ほぼ不可能と言っても過言ではない。事実、知識のない暗号資産初心者を狙ったフィッシング詐欺はNFT業界が抱える大きな問題であり、これらを解決すべく、よりNFTの取引をシンプルかつ便利にするサービスが増えている。

例えば、ニューヨークで行われたNFT.NYCでは、Ledgerが新しいNFTマーケットプレイスを発表した。暗号資産からNFTの取引まで、一箇所で管理することが可能となり、ユーザーが複数のインターフェイスを使い分ける必要がなくなるのだ。

その他にも、NFTを単なるコレクションではなく、ステーキングしてトークンを稼ぐことができるプロジェクトなど、よりユーティリティを追求する流れが加速している。

また、NFTホルダーの多くが、メタバースが広く活用されてバーチャルの世界がさらに身近になることを見込んでおり、所有するNFTを活用する方法に注目している。テクノロジーの進化や生活、労働環境がよりバーチャル化することによって、NFTへの新規参入者は今後も増え続けるだろう。そして新規参入者の増加に伴って、詐欺被害者も増えることが予想される。セキュリティ対策への正しい知識は、NFTを楽しむ上で必要不可欠である。

4. セキュリティ対策とハードウェアウォレット

購入したNFTが、数日後に数十倍になることもあるNFT業界。驚くほど高額なNFTが日々取引されている。お金が集まる場所には、詐欺師も当然注目しており、NFTの偽プレゼント企画等でユーザーの資産を盗もうとするフィッシング詐欺が多発している。例えば2022年2月、OpenSeaでフィッシング被害があり、170万ドル相当のNFTが盗まれた。

NFTを盗まれると、金銭的被害のみならず、コミュニティやバーチャルの世界で築き上げたアイデンティティや地位を失うこととなる。大前提として、セキュリティ対策の要となるウォレット選びには十分なリサーチが必要だ。

例えば、Metamaskなどソフトウェアウォレットはインターネットと接続される以上、ハッカーから攻撃を受ける可能性がある。暗号資産管理用のパソコンを用意すれば、リスクが多少軽減されるものの、初期費用やコスト面では大きな負担となる。

これらの問題を解決できる選択肢として、ハードウェアウォレットが存在する。秘密鍵をオフライン状態で保管するハードウェアウォレットでは、ハッカーが秘密鍵を盗み出すことが出来ないため、安全にNFTを保管することができる。

さらに、Ledgerのハードウェアウォレットは、Metamaskと接続することが可能であり、スムーズにNFTを取引することも可能だ。分散型の世界では、盗まれた資産を取り戻すことはほぼ不可能である。大切なNFTを盗まれる前に、ハードウェアウォレットを使用して資産を保護することが大切だ。

5. Ledger Market、他のマーケットプレイスと何が違うのか?

出典:Ledger

ハードウェアウォレットを販売するLedgerは、安全に暗号資産やNFTを利用できる環境作りに取り組んでいる。2022年6月にニューヨークで開催されたNFT.NYCでは、新サービス「Ledger Market」を人気NFTプロジェクトDeadfellazやNFTブランドRTFKTとのコラボレーションとともに発表した。

現在のNFTでは、セキュリティではなく利便性が優先されており、詐欺が多発している。さらに、NFTブランドやアーティストにとって、セキュリティが低いにも関わらずこれ以外の選択肢がないのだ。それに加え、大量のNFTプロジェクトが集結する大きなマーケットプレイスでは、ほとんどのプロジェクトは陽の目を浴びることがない。事実、OpenSeaにおいて98.2%のNFTプロジェクトは購入されていないのだ。改めて、98.2%という数字には驚かされる。

新しく発表されたLedger Marketは、3つの柱を持つ。第一に、Ledgerが誇る世界最高レベルのセキュリティを構築すること。NFTは、単なる投資ではなく、特別な愛着を持つ人も多いため、詐欺師によって盗まれることは回避しなければならない。第二に、クリエーターからブランド、新規参入者まで、あらゆる人が利用可能であることだ。第三に、NFTのミントから保管まで、完全な所有権とコントロールを有することである。これらが組み合わさり、Ledger Marketが成り立つのだ。

Ledger Marketは、アーティストやクリエーターがNFTを作成そして販売するためのNFTマーケットプレイスである。他のマーケットプレイスとの大きな違いは、セキュリティだ。

例えば、OpenSeaにソフトウェアウォレットを接続した場合、ウォレットがハッキングされるリスクに加えて、ブラインド署名により内容を把握していない不利なコントラクトに署名をしてしまう可能性がある。所有する資産へのアクセスを許可する旨が記載されたコントラクトに署名したら、詐欺師は簡単にウォレット内の資産を盗み出されてしまうのだ。

一方、Ledger Marketでは、使用するLedger Nanoデバイスで秘密鍵を安全に保管しながら、サードパーティのウォレットに接続せずにNFTを売買することが可能となる。サードパーティを使用しないため、突然アカウントが凍結したり、制限をかけられることはない。さらに、ブラインド署名と呼ばれる、内容が不透明なコントラクトに同意する必要がなくなるのだ。NFTの初心者からエキスパートまで、安全に楽しめるオールインワンのシステムである。

この機会に、今後も成長が期待されるNFTの世界を覗いてみてはいかがだろうか。

【公式サイト】Ledger Nano S Plus購入ページ
【参照サイト】Ledger Market

The following two tabs change content below.
Ledger

Ledger

2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。【公式サイト】