LAETOLI株式会社は12月29日、不動産投資型クラウドファンディングサービス「COZUCHI(コヅチ)」の新規案件「相模原リニア開発プロジェクト」の情報を公開した。募集金額6億7500万円、想定利回り年利7.5%、想定利回り7.5%の内訳はキャピタルゲイン0%、インカムゲイン7.5%のインカムゲイン重視型。予定運用期間12ヶ月で、ファンド運用開始予定日は22年1月31日。投資申込は2022年1月6日午後7時から17日午後1時まで受け付け、抽選で決定する。申し込み金額は1万円から、最大投資金額3千万円。
ファンド名の「リニア」は、リニア中央新幹線事業を指す。同事業は時速500kmで走行する超電導リニアモーターカーを導入することで東京都を起点に、神奈川県・山梨県・長野県・愛知県(名古屋)を経過地に大阪までを結ぶ高速輸送計画。このリニアトンネル工事で排出される残土の受け入れ地約6万2433㎡を投資対象とする。
対象の土地は、神奈川県相模原市に位置し、かつては採石場として使われていた。JR東海が手掛けるリニア開発事業の残土受け入れ地としての契約に基づき既に利用が始まっており、同社は「リニア開発事業が進んで行くことで中長期的な収益が見込まれる」と説明する。
リニア開通により東京~名古屋間は最速40分、東京~大阪間は最速67分で結ぶ予定となっており、東名阪の時間距離を短縮することで、経済社会活動の効率性を高める目的。現在はJR東海がリニア中央新幹線の営業主体および建設主体となり、東京・名古屋間の早期開業に向け事業を進めている。
計画路線全長286kmうち約8割がトンネルとなる予定で、トンネルを採掘する際には大量の残土が排出されることとなり、残土の受け入れ場所が必要となる。残土受け入れ地には土砂災害リスクなど環境と安全性に配慮しながら、開発側にとっては残土の運搬に非常にコストがかかるため、採掘場所からの距離も重要な点となる。
相模原の物件は、神奈川県〜山梨県間を繋ぐ藤野トンネルの非常口で残土排出場所でもある「大洞非常口」から徒歩1分の距離。このため運搬がしやすく、トラックの運搬だけでなく、ベルトコンベアを利用した残土受け入れの自動化も検討中という。もともと採石場として利用されていたため、採石されてできた穴を埋める必要があった。こうした条件から、同社は残土受け入れ地として非常に優位性が高いとして、取得に至った。
採石場は本来、採掘事業を終える際に災害防止や景観の観点から自治体のガイドラインに従い緑化して復元する必要があるが、この物件は採石事業を営んでいた元所有者が破綻した関係で復元がなされないまま放置されていた。今回のプロジェクトの事業者である株式会社TRIAD社はリニア事業での活用を想定し、2014年に取得。その後、残土受け入れ事業の体制を整えるための戦略的子会社としてフジノロック社(TRIAD100%出資)を新たに設立し、放置されていた採石場の土砂災害等を防ぐため、森林法や行政の指導のもと2億円以上の費用をかけて防災工事を行った。
現在はリニアトンネル工事における残土の受け入れが始まっており、受け入れが完了した際には残土で穴が埋まり、必要な防災対策をした後に植林を行うことで、周辺の森林と同等に復元することが可能となる見込み。
なお、優先出資が満たない場合はTRIAD社が追加で劣後出資を行い、ファンド成立と優先劣後方式における投資家の安全性を高める予定。募集段階の劣後割合は10%。
これまでも“意味のあるお金が豊かに循環するフェアな社会”を実現すべく、まちづくりや地域活性化につながるプロジェクトへの投資を通じて、社会貢献と利益獲得という、想いと豊かさが巡り合うサステナブルな世界の構築を目指します。
コヅチは“まちづくりや地域活性化につながるプロジェクトへの投資を通じて、社会貢献と利益獲得という、想いと豊かさが巡り合うサステナブルな世界の構築を目指す”という理念を掲げ、土地と建物の所有者が違う「底地」や、名建築とされながら老朽化が進んでいた「中銀カプセルタワービル」などを投資対象とした案件を手掛けている。今回の残土受け入れ地は投資対象としては一見、異色だが、大規模開発と環境の復元の双方に繋がるという意義を考慮したい。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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