不動産投資で成功する大家、失敗する大家の違いとは?

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不動産投資の世界では、同じ物件に投資をしても、成功する大家と失敗する大家がいます。その違いはどこから生まれるのでしょうか? 以下に挙げる成功する大家と失敗する大家のそれぞれの行動を見ながら違いを探っていきましょう。

  1. 成功する大家は、事前準備の大切さを知っている
  2. 失敗する大家は、条件交渉をしない
  3. 成功する大家は、リスクについて常に考えている
  4. 失敗する大家は、税金や会計について勉強しない
  5. 成功する大家は、出口戦略を決めている

成功する大家は、事前準備の大切さを知っている

成功する大家は、必ずといっていいほど勤勉家です。独自の不動産投資の手法を築いて収益を上げている方も多いですが、ほとんどの方がその前にしっかりと下調べを行って、自分に合ったやり方を探しています。いきなりプロにはなれませんが、セミプロには近づくことはそう難しいことではありません。

不動産投資は、スタート地点に立つ前にどれだけ準備をしたかで大きな差がつきます。たとえば、物件選びや融資の際には必ず「属性」というものを見られます。勤務先、年齢、年収、資産状況、借入状況など、不動産投資を開始した際にどれだけ有利に進められるかは、この属性に大きく左右されます。これを理解している方は、不動産投資を開始する前に、一つでも多くの良い属性を獲得するための努力を惜しみません。

また、その他にも、物件を紹介してくれる不動産投資会社やディベロッパーの口コミ・評判や過去の取引事例、取引後の値上がり・値下がり、現在訴訟を抱えていないかなどを徹底的に調査して、付き合うべき会社かどうかを見極めることも大切です。不動産投資では、書籍がセールス媒体として活用されている側面もあるので、各社の特徴を知るために数十冊の本に目を通すことや、不動産投資セミナーも1社や2社ではなく、5社・10社と複数見て回ることが大切です。

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他にも、不動産投資は物件選びや視察、交渉などにそれなりの時間を割く必要がありますし、数千万円・数億円の大きなお金を動かすので、人生設計にも大きな影響があります。そのため、事前にまわりの協力も取り付けておくことも大切です。

このように、実際に不動産投資を始める前に、投資の基礎知識の習得、属性の獲得、不動産投資会社の選定、協力者の確保など事前に準備するべきことはたくさんあります。

失敗する大家は、条件交渉をしない

事前準備を入念に行い、いざ物件を紹介される段階になったときにも、成功する大家と失敗する大家で違いが見られます。

成功する大家は、物件に対する自分なりの適正な価格感を持っており、その価格に近いところに着地させるための価格交渉や条件交渉を行い、失敗する大家は目の前の営業マンや会社の言うことを鵜呑みにしてそのまま契約を締結してしまいます。

価格交渉は非常に重要です。価格が数千万円の物件であっても、タイミングや属性によっては数百万円の値引きを引き出すことができますし、仮に価格が落ちなかったとしても購入した相手にその後の借りを残すことができます。

仮に購入価格が下がれば、仲介手数料や消費税(売り主が事業者の場合)、ローンの返済利息などまで下がることになります。そのため、100万円の値引きに成功すれば150万円~200万円分の費用が浮かせることができるのです。

不動産投資では数千万円~数億円の大きな買い物をすることになるので、どうしても金銭感覚が麻痺してしまいがちですが、本来100万円という単位は非常に大きな金額です。このお金にこだわれるかどうかが、成功する大家になれるか失敗する大家の分かれ目となってきます。

また、価格交渉以上に重要なのが金利に関する交渉です。以下は、3000万円の不動産投資ローンを返済期間35年で借りる際に、金利が0.5%上がるごとに返済総額がいくら増えるかをシミュレーションしたものです。

金利 返済総額
金利1.5% 38,579,239円
金利2.0% 41,739,109円
金利2.5% 45,044,397円
金利3.0% 48,491,124円

表を見ると、金利が1.5%から3.0%に上がると返済総額は1000万円近く増えてしまいます。逆に、金利が0.5%下がれば、返済金額は300万円以上も下げることができるのです。

価格交渉と金利交渉をうまく運んで、3000万円の物件の購入価格を100万円下げて金利を0.5%低くすることができれば、交渉を何もしない大家よりも500万円近くの投資費用を浮かせることができていますので、この時点で成功の確率も段違いとなっています。

さらに、成功している大家の多くは、購入後もローンの金利見直しや他行への借り換えでさらに低い金利を目指したり、売却時にもできるだけ高く売るために格安でリフォームを行ったり、手数料が安く信頼ができる不動産投資会社を探したりするなどの努力を怠りません。

上記一つ一つのアクションが100万円前後の収益改善につながりますので、購入時から交渉や比較検討を何もしない大家よりも、最終的に1000万円近くの収益改善ができているというわけです。

成功する大家は、リスクについて常に考えている

成功している大家が考えているのは収益改善だけではありません。むしろ、それ以上に考えているのが不動産投資のリスクについてです。

不動産投資には様々なリスクが存在します。突然の事故や病気、失業などで定収入を失うリスクや、金利が急上昇して返済金額が増えるリスク、物件の入居が決まらない空室リスク、地震や火災などの天災リスク、入居者が死亡してしまう事故物件のリスク、規制や不景気などで不動産の価格が下落するリスク、人口が減少して賃貸ニーズが縮小するリスクなど、多種多様なリスクが存在します。

これら全てのリスクに対応することは難しいですが、このなかでも特に気をつけなければいけないのは、失業リスクや空室リスク、金利リスクなどのあおりを受けて、結果として不動産投資ローンの返済が滞るというリスクです。

不動産投資は融資によって成り立っているものですので、融資元の金融機関には特に気を配る必要があります。返済が一度でも滞ってしまえば、その後の不動産投資を継続させていくことや拡大させていくことは困難だと考えたほうが良いでしょう。つまり、不動産投資ローンの返済は必ず遵守しなければいけないものなのです。

失敗する大家は、こういったリスクについてあまり深く考えずに、ぎりぎりのラインで毎月のやりくりをしてしまい、何かあったときに即座に対応できずに返済を滞納してしまうことが多いのです。しかし、そもそも会社員や公務員が金融機関からローンを借りやすいのは、「毎月の定収入があって、返済を滞らせるリスクが低いから」ですので、この前提条件を覆してしまうと、ローンを借りること自体が難しくなってしまいます。

成功している大家は、この点をよく理解していますので、どんな事態になっても返済が滞らないようにある程度の余裕資金を手元に置いています。また、金融機関とも懇意にしていて、返済が滞る可能性がある場合や想定されるリスクがある場合は事前に相談をするようにしています。金融機関にとっても、きちんと返済してもらうことが何より優先されますので、事前に相談をしておいてもらえれば、ある程度の融通をきかせることが可能となります。

失敗する大家は、税金や会計について勉強しない

不動産投資には、登録免許税や不動産取得税、固定資産税、相続税など税金に関する話が多く出てきます。また、不動産価格の決定方法である収益還元法やDCF法、確定申告や貸借対照表、キャッシュフローの話など会計に関するトピックも豊富です。

失敗する大家の多くは、この税金と会計に関する話を当事者として関わることが少なく、大抵は不動産投資会社や税理士の先生に丸投げをしてしまっています。しかし、これは非常にもったいないことなのです。

税金の金額は、やり方次第で大幅に圧縮することができますし、年によっては減税が実施されることもあります。税金の動きに常に目を光らせておけば、物件の売買や運用とは関係ないところでも収益を改善する機会をつかむことができるというわけです。

また、不動産投資は事業ですので、確定申告の際に経費が認められます。たとえば、毎月の自宅の賃貸費用のうち不動産投資の事業運営に使用しているスペースの割合(たとえば30%)を経費として申請できますので、これだけで毎月数万円・年間で数十万円を経費として申請することができます。このように、何が経費になって何が経費にならないかをしっかりと理解しておけば、1年間で数十万円~100万円以上の課税所得を圧縮することができます。

さらに、会計の貸借対照表が理解できていると、融資審査の際に有利に働かせることができます。金融機関は、貸し倒れリスクが少ない先にお金を貸したいと考えており、貸借対照表などの財務指標からその兆候を読み取ろうとします。

たとえば、預金や証券など1年以内に換金化ができる「流動資産」の金額が、1年以内に支払わなければならない「流動負債」の金額の2倍以上あれば健全な財務状況である、といったような会計上のポイントを知っていれば、融資審査までにその比率となるような資産状況を形成することができるようになります。

このように、税金と会計に関する知識は、不動産投資を行う上で非常に強い武器となります。失敗する大家は、ついつい「毎日忙しいし、難しいことや面倒くさそうなことは専門家に任せてしまおう」と考えてしまいがちですので、「難しいことや面倒くさそうなことだからこそ、他の人が敬遠して自分の強みになる」と考えて、勉強をしてみると良いでしょう。

成功する大家は、出口戦略を決めている

不動産投資では、出口戦略が最終的な成否を大きく左右します。ワンルームマンションであれば、いつ売るか、いくらで売るか、保有し続けるかといった選択肢になりますし、一棟投資であれば建て直しや土地のみの売却といったことも視野に入ってきます。

いずれにせよ、不動産投資からいつまでにどれくらいのリターンを得たいのか、撤退するとしたらいつまでにどれくらいの損失を出した時か、といったことを購入時の段階からイメージしておくことで、数年後にいざその状況になった時に迅速に判断を下すことができます。

不動産投資は、状況が変わるまでに数年の猶予がありますが、一度判断を先延ばしにしてしまうと、ずるずると決定できないまま数年間を過ごしてしまうことになります。「あの時売れば良かった」と言わなくて済むように、いつまでにいくらで売りたいということをしっかりと決めておき、自分で決めたルールにしたがって、堅実に投資を繰り返していくことが成功する大家になる秘訣と言えるでしょう。

まとめ:成功大家になるために

成功する大家には、不動産投資を始める前に事前準備を怠らない、価格交渉や金利交渉をしっかりと行う、リスクを想定してあらかじめ対処しておく、会計や税金の知識を武器にする、出口戦略を決めて行動するといった特徴があります。逆に、失敗する大家には、準備をせずに不動産投資に臨み、人の話を鵜呑みにしてしまう、自分なりの価格感を持っていない、リスクを想定せずに行動する、難しそうなことや面倒なことを専門家に任せきりにしてしまう、出口戦略を考えずにチャンスを見逃してしまう、といった特徴があります。

不動産投資を始めるにあたって、これから自分の取ろうとしている行動が、成功する大家と失敗する大家のどちらにあたるかを確認しながら、一つ一つ進めてみると良いのではないでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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