つみたてNISA、ロボアドバイザー、ラップ口座を比較。メリット・デメリットは?

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つみたてNISA、ロボアドバイザー、ラップ口座は、リスクが分散された投資を中長期的に行うことができるため、投資初心者の方にも使いやすいサービスです。今回はこれらのメリットとデメリットについて解説します。自分に適した資産運用法を選ぶようにしてください。

※2022年3月29日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. つみたてNISAとは
  2. つみたてNISAのメリット
    2-1.運用益や分配金が非課税
    2-2.少額から始められる
    2-3.買いのタイミングに迷わないですむ
  3. つみたてNISAのデメリット
    3-1.期限が決まっている
  4. ロボアドバイザーとは
  5. ロボアドバイザーのメリット
    5-1.投資家の運用スタイルに合った商品を提供してくれる
    5-2.感情に左右されない資産運用ができる
  6. ロボアドバイザーのデメリット
    6-1.元本保証ではない
  7. ラップ口座とは
    7-1.ラップ口座のメリット
    7-2.ラップ口座のデメリット
  8. まとめ

1.つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度で、2018年1月にスタートしました。少額からでも運用を始められる投資信託やETF(上場投資信託)が対象で、投資初心者をはじめ幅広い年代の人にとって利用しやすい仕組みとなっています。

非課税投資枠は年間最大40万円で、保有できる期間は投資した年から20年間となっています(合計800万円)。対象となる投資信託は、販売手数料がかからないノーロードファンドで、信託報酬が安い商品、また頻繁に分配金が支払われない商品などの条件が法令で設けられています、

2.つみたてNISAのメリット

つみたてNISAのメリットについて解説します。

2-1.運用益や分配金が非課税

つみたてNISAは運用益や分配金が20年間非課税になります。通常、投資信託で得た運用益や分配金には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAを利用すれば20年間税金がかからないのです。

2-2.少額から始められる

つみたてNISAの対象商品はインデックスファンドがメインで、ネット証券を利用すれば100円といった少額から購入できます。年間40万円と上限は決まっていますが、金額を少額から自由に選べるというのはつみたてNISAの大きなメリットです。

2-3.買いのタイミングに迷わないですむ

つみたてNISAは一度設定すれば自動的に買いつけてくれるので、投資信託を購入するタイミングを判断する必要はありません。また、販売会社によってはボーナス受給時などに合わせ、他の月よりも多い額を指定することも可能です。

3.つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリットについても解説します。

3-1.期限が決まっている

つみたてNISAの非課税期間は20年と決まっていて、その期間が終了すると一般口座や特定口座に払いだされます。また、つみたてNISAは2042年までの制度と決まっているので、購入を行うことができるのは2042年までです。ただし、2042年度中に購入した投資信託については、20年間(2061年まで)非課税で保有することが可能です。

4.ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、投資家の代わりにAI(人工知能)が資産運用のアドバイスや運用支援をしてくれるサービス。利用者のリスク許容度に合わせて、最適なポートフォリオ(資産の組み合わせ)を提案してくれます。

ロボアドバイザーの種類によっては、商品の購入や運用をお任せで行ってくれます(投資一任型)。資金を入金するだけで運用ができるので、投資初心者でも簡単に資産運用ができるのです。

5.ロボアドバイザーのメリット

ロボアドバイザーのメリットについて解説します。

5-1.投資家の運用スタイルに合った商品を提供してくれる

ロボアドバイザーは、利用者それぞれの投資目的や運用スタイルに合った商品を提案してくれます。

ロボアドバイザーの投資対象の多くは、海外ETFか投資信託です。海外ETFや投資信託には多くの種類があるので、投資家が自分に合ったものを見つけるのは困難です。たとえば、国内の投資信託は約6,000本もあるので、自分に適したファンドを選ぼうとすると時間や手間がかなりかかります。

しかしロボアドバイザーを利用すれば、自分に適したファンドを選んでくれるのです。

5-2.感情や恐怖に支配されない資産運用ができる

投資一任型ロボアドバイザーを利用すれば、資産運用に自身の感情が入らないというメリットもあります。

マーケット環境は変化しますが、投資家は常に冷静に対応できるわけではありません。株価が暴落して含み損が膨らんでいる時は早めに損切りをしてしまいがちですし、株価が上がっている時には「もっと上がるかもしれない」と考えて高値づかみをしてしまう恐れもあります。

ロボアドバイザーを利用すれば淡々と資産運用を続けられるので、感情によって損失が膨らむ可能性を抑制できるのです。

6.ロボアドバイザーのデメリット

ロボアドバイザーのデメリットについても解説します。

6-1.元本保証ではない

ロボアドバイザーが銘柄を選んでくれても、元本や成果が保証されるわけではありません。特にロボアドバイザーの多くは、10年以上の長期投資を前提としています。短期的には損失が膨らむ可能性もある点に注意が必要です。

7.ラップ口座とは

ラップ口座とは、証券会社などにある程度まとまった資金を預け、資産を管理・運用するサービスです。ラップ口座は投資一任契約なので、投資のプロが顧客に代わって資産運用を考えます。

7-1.ラップ口座のメリット

投資家は証券会社と投資一任契約を結ぶので、資産運用から管理・報告まですべて任せることができます。そして、投資家の意向をふまえたリスク許容度に応じた国際分散投資ができます。

7-2.ラップ口座のデメリット

資産運用をプロに任せられるといっても、元本が保証されているわけではありません。株式や債券の値動きによっては主に投資している投資信託の基準価額も下落し、損失が発生する恐れもあります。

そして、手数料は売買ごとの手数料ではなく、資産残高に応じて定期的に一定量率が課される体系になっているので、毎年一定のコストがかかります。また、運用益に対して成功報酬がかかる場合もあるので注意が必要です。投資一任型ロボアドバイザーと似たサービスですが、ラップ口座のほうが手数料は高めです。

ただ、SBI証券が2022年3月にリリースした「SBIラップ」というサービスは、手数料が0.66%(税込)+信託報酬0.295%(税込・平均値)と大手ロボアドバイザーの運用手数料1.1%+信託報酬という手数料体型と比べると安めの水準となっています。

まとめ

つみたてNISA、ロボアドバイザー、ラップ口座のいずれも、ほったらかしで投資ができるというメリットがあります。手間をかけないで運用ができるので、自分で投資対象を選べない人や忙しい人に適した投資手法だといえます。

ただし、いずれの手法も元本が保証されているわけではありません。必ず余裕資金で長期目線をもって運用し、短期的な値動きに一喜一憂しないようにしてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011