国内テクノロジー企業の注目銘柄は?株価推移や業績、今後の見通しも

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テクノロジー企業とは、主にIT技術を活用してビジネスを行っている企業をいいます。米国のGAFAM「Google(Alphabet)、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)はその代表的な企業といえます。

また、テクノロジー企業はIT・ハイテク企業ともいい、半導体、家電・電機業界、通信機器業界などを含む場合があります。それでは、国内の注目テクノロジー企業を紹介します(数値は2022年3月29日時点)。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 東京エレクトロン(8035)
  2. ソニーグループ(6758)
  3. アドバンテスト(6857)
  4. キヤノン(7751)
  5. 富士フイルムホールディングス(4901)
  6. まとめ

1.東京エレクトロン(8035)

  • 株価 62,940円
  • PER 23.39倍
  • PBR 9.66倍

半導体製造装置で世界4位。エッチング装置やコータデベロッパーなど前工程に強みを持っています。東京エレクトロンは国内でトップの半導体製造装置メーカーで、世界でもトップクラスのシェアを誇っています。

1990年代の半導体は、NECや東芝、日立製作所など日本企業が世界のトップを独占していました。しかし、現在では米国のインテルや台湾のTSMC、韓国のサムスン電子などが圧倒的なシェアを占めており、日本の企業では世界トップを争う半導体メーカーはありません。

しかし、東京エレクトロンは半導体製造の「前工程向けの装置」に強みを持っており、特化型の事業に集中投資することで高収益を達成した企業です。

半導体はスマートフォンやノートパソコン、電気自動車など、今後大きな成長が期待できる産業分野で必要不可欠です。ただ、2022年はFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測やウクライナ情勢の緊迫化によって半導体関連株も売りが優勢になっています。

東京エレクトロンの株価は今年1月4日に69,170円まで上昇し、上場来高値を更新しました。しかしその後は下落し、5万円台前半まで下落しました。3月に入って6万円台を回復しているものの、ウクライナ情勢の動向に影響を受ける環境は続きそうです。

2.ソニーグループ(6758)

  • 株価 12,950円
  • PER 18.98倍
  • PBR 2.87倍

AV機器大手。ゲームや音楽、映画分野に重点を置いており、海外でのブランド力も高い企業です。

2022年2月に、2022年3月期の営業利益を1兆400億円から1兆2000億円と、15.4%上方修正しました。映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」などが好調だったことや、「GSN Games」の事業譲渡で702億円を計上したからです。そして、年間の配当金を65円とし、2021年3月期の55円から増配となっています(参照:ソニーグループ「2021年度 第3四半期 決算説明会資料」。

ソニーの株価は2022年1月5日に15,725円まで上昇し、昨年来高値を更新しました。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測によって米国のIT・ハイテク株などが下落したことによってソニーの株価も下落。同3月9日には10,930円まで下落しました。

ロシアのウクライナ侵攻によって株式市場は不安定な状況が続いているので、しばらく上値の重い展開が続きそうです。

3.アドバンテスト(6857)

  • 株価 9,590円
  • PER 21.79倍
  • PBR 6.71倍

半導体製造装置で世界大手。非メモリー用が中心で、DRAM(揮発性の半導体メモリ)用では世界首位の企業です。デバイスの接続部品と検査装置を手掛ける米国社を買収し、ハイエンドテストで競争力を強化しています。

2021年3月期の当期純利益は69,787百万円と過去最高益を更新しましたが、2022年3月期は81,000百万円と予想されており、連続で過去最高益を更新することが見込まれています。

ただ、株価は2022年1月4日の11,380円から、3月8日には7,770円まで約32%下落。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測とウクライナ情勢の緊迫化が上値を抑える要因となっています。

米国の半導体関連株も下落しており、しばらく上値の重い展開が続きそうです。

4.キヤノン(7751)

  • 株価 2,995円
  • PER 16.30倍
  • PBR 3.33倍

カメラ、複合機の最大手で、ミラーレスカメラに注力。また、監視カメラや半導体露光装置、医療機器も展開しています。高配当銘柄として人気がありましたが、2020年に業績悪化により減配。2020年10月30日には1,627円まで株価が下落しました。

ただ、その後は値段を戻し、2021年半ばから2,500~3,000円のボックス圏での推移が続いています。2020年12月期の純利益は83,318百万円まで落ち込んだものの、2021年12月期は214,718百万円まで回復する見込みです。

2022年3月29日時点の配当利回りは3.33%で、以前よりも低くなっているものの、依然として高配当銘柄であるといえます。

企業業績も回復しつつある中、株価が下落する局面では配当狙いの買いが入ってくる可能性は高いと筆者は見ています。

5.富士フイルムホールディングス(4901)

  • 株価 7,606円
  • PER 20.73倍
  • PBR 1.37倍

写真や医療機器、液晶フィルムを展開していて、傘下に事務機器大手の旧富士ゼロックスがあります。複合機は回復が遅れているものの、医療機器やバイオ医薬品受託など医療分野が大きく伸びています。

富士フイルムは写真のフィルムのイメージが強い企業ですが、化粧品や医薬品などフィルムと関係ない分野が大きく伸びています。現在は「総合ヘルスケアカンパニー」への転身を進めています。

ただ、株価は下落傾向が続いています。2021年9月17日に10,055円をつけて上場来高値を更新しましたが、2022年3月9日には6,514円まで下落しました。複合機の回復が見込まれる2023年3月期以降の業績に期待です。

まとめ

テクノロジー企業はFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測やウクライナ情勢の緊迫化によって、2022年は上値の重い展開が続いています。ただ、企業業績がしっかりしている企業も多いので、下落局面では買いが入ってくる可能性は高いと考えています。

株価が下落した局面での押し目買いが有効な業種といえるでしょう。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011