アパート投資は入居者を確保できなければ家賃収入を得ることができません。入居者は物件を選ぶ際にまず立地条件から物件を選びますので、高い入居率を維持するためには土地にこだわる必要があります。
高い入居率を維持できる土地・建物は、買い手にも事欠かないので、売却時などにも価格が大きく落ちることはなく、資産価値としても高い不動産となります。
そこで今回は、アパート投資を始めるにあたって入居者を確保しやすく、資産にもなる土地の選び方についてご紹介したいと思います。
目次
1 なぜ資産になる土地を選ぶ必要があるのか
アパート投資を行う場合は土地と建物の両方が必要になります。築年数が経過した場合に資産価値の変動が生じやすいのは土地と建物のどちらかご存知でしょうか?
築年数の経過した物件は、減価償却という制度によって、建物の資産価値が徐々に下がって最終的には0円になります。しかし、土地は需要や実勢の相場などに応じて資産価値が変動するものの、建物のように資産価値が0円になることはありません。
物件価格に占める土地価格の割合が少ないアパートを購入して経営した場合は、将来的に建物を潰して土地を売却する際は損をする可能性があります。そのため、物件価格に占める土地価格の割合の多いアパートを購入することが、アパート経営における資産価値減少のリスクを抑えることにつながります。
また、需要が高く将来的に価値が上がる可能性の高い土地を選んでおけば、家賃収入だけでなく売却益も期待できるようになるでしょう。
2 資産価値の下がりにくい土地の3つの特徴
資産になる土地を選ぶことがアパート経営における資産価値減少のリスクを抑えることや売却益を生むことにつながることが分かりました。しかし、具体的にどのような土地が資産価値の下がりにくい土地なのでしょうか?
資産価値の下がりにくい土地には以下のような3つの特徴があります。
- 交通面での利便性が高い
- 生活面での利便性が高い
- 環境面での安全性が高い
それぞれの詳細について見ていきましょう。
2-1 交通面での利便性が高い
通勤や通学に電車を毎日利用する人にとっては、交通面の利便性の高さは物件選びの際に重視するポイントの1つです。そのため、交通面での利便性が高い土地は需要が高いことから、資産価値に大きな影響を与えます。
土地の資産価値に影響を与えるのは、駅からのアクセスの良さだけではありません。例えば、街中心部へのアクセスの良さや敷地前の道路が広いかどうかなども土地の価値を左右する重要な要素です。
交通面での利便性が高い土地は、需要が高いことから土地価格が値下がりしにくいというだけでなく、右肩上がりに土地価格が上昇する可能性もあります。また、需要が高い土地を売却する際にすぐ買い手が見つかるなど、不動産売買の流動性が低いというデメリットを補ってくれることになるでしょう。
2-2 生活面での利便性が高い
若者の車離れや都内の駐車場の価格が高いことなどを背景に、車を所有しない人も増えてきました。そのため、日常生活が徒歩圏内で済むような土地の需要が以前よりも以前よりも高くなってきています。
例えば、スーパーやコンビニ、ホームセンター、ドラッグストア、郵便局、市役所、病院といった施設は日常生活に必要になる可能性が高い施設であるため、これらの施設が近くにあると生活面での利便性が高い土地と言えます。
交通面・生活面での利便性が高い土地は、再開発によってさらに利便性が高くなる可能性もあります。一般的な土地と比較すると、これらの利便性が高い土地は初期投資が大きくなりますが、将来的に資産価値が減少するリスクが低く、値上がりの可能性も秘めていることを考えると、これらの利便性の高さは土地選びの必須項目と言えるでしょう。
2-3 環境面での安全性が高い
いくら交通面・生活面での利便性が高い土地であったとしても、その周辺で犯罪が多いなど、治安面に問題がある場合は、土地の資産価値は低くなってしまいます。治安面の良さなどの環境面での安全性の高さは、交通面・生活面での利便性の高さと比較すると、優先度は低くなりますが、資産価値に影響を与える項目の1つです。
環境面での安全性の高さを決めるのは土地の治安の良さだけではありません。文教地区と呼ばれる学校や図書館、博物館などの教育・研究・文化活動にふさわしい環境が整っているような土地も環境面での安全性が高い土地と言えます。
環境面での安全性の高い土地は、子供のいる家族や一人暮らしの女性、高齢者でも安心して過ごすことができる環境であるため需要が高くなります。交通面・生活面での利便性の高さだけにこだわるのではなく、環境面での安全性の高さにこだわることが土地の資産価値を高めることにつながるでしょう。
3 人気エリアでも注意すべき土地の4つの特徴
資産価値の下がりにくい人気エリアの土地は、価格が高く手放す人も少ないため、なかなか手に入りません。価格の下がっている掘り出し物を見つけたと思って購入してみたところ、接道義務を満たしていない土地であるため建て直しができないなど、購入後にトラブルに発展してしまう土地もあるため注意が必要です。
人気エリアでも注意すべき土地には以下のような4つの特徴があります。
- 地盤に問題がある
- 用途地域が住居専用ではない
- 接道義務を満たしていない
- 建築条件が付いている
それぞれの詳細について見ていきましょう。
3-1 地盤に問題がある
地盤があまり良くない土地は、地震が発生した場合に地盤沈下や液状化が起こる可能性があるため、資産価値の高い土地とは言えません。また、地震だけでなく、台風の影響による浸水被害などが生じやすい土地も資産価値の高い土地とは言えません。
このように地盤があまりよくない土地は、たとえ交通面・生活面での利便性が高く、環境面での安全性が高いエリアであったとしても資産価値が低くなってしまう可能性があります。また、災害被害が発生した場合には、膨大な修繕費が発生する可能性もあるため注意が必要です。
3-2 用途地域が住居専用ではない
用途地域とは、土地利用において住居や商業、工業が混在してしまうと、互いの生活環境や業務の利便性が悪くなってしまうことから土地を13種類の用途に分けることで、効率的な活動を行うことができるように都市計画法で定められています。
用途地域は、住居地域、工業地域、商業地域の大きく3つに分類できます。購入した土地が商業地域の場合は、夜間の騒音などの影響が生じる可能性があります。準工業地域の場合は、日中に工場の騒音に悩まされる可能性があるなど、商業地域同様、住環境に適しているとは言えません。
土地の用途が制限されている場合は、土地の資産価値の低下につながる可能性があるほか、売却したいと思ってもすぐに買い手が見つからない可能性もあります。また、騒音が原因で入居者の入れ替わりが多くなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
3-3 接道義務を満たしていない
接道義務とは、都市計画区域内で建物を建てる場合には、建築基準法で定められている4m(6mの場合もある)以上の幅員がある道路に、2m以上接していなければならないというものです。
この接道義務を満たしていない更地を購入した場合には、アパートを建築したくても建築できないため空き地として所有しておくしかできません。また、既にアパートが建築されていても、建て直すことができないため、リフォームやリノベーションといったやり直ししかできないなど、土地の利用方法が制限されてしまいます。
用途地域の場合と同様、資産価値の低下につながる可能性があるだけでなく、売却したいと思ってもすぐに買い手が見つからない可能性があります。また、災害などで建物が消失してしまった場合には再建築できないなど、リスクが高くなってしまうため注意が必要です。
3-4 建築条件が付いている
建築条件とは、あらかじめ指定されている建築会社で家を建てるという条件が付いている更地のことを意味しています。建築条件がついた土地は、通常の土地よりも安く手に入れることができますが、建築会社が限定されているため、自由度の低い土地と言えます。
資産価値という面では、指定されている建築会社で建物を建ててしまえば、建築条件はなくなるため問題ありません。しかし、アパート経営という面で考えると、建築会社がアパート建築に対応していない可能性があるほか、対応していても他の建築会社と比較することができないため、アパート経営に向いている土地とは言いにくいところがあります。
指定されている建築会社がアパート建築を依頼したかった建築会社の場合は、土地が安く手に入るため一石二鳥と言えます。しかし、周囲よりも土地の価格が安いという理由で何も考えずに飛びついてしまうと、自分が理想としていたアパートを建築することができないなど、後悔することになってしまうため注意が必要です。
4 まとめ
アパートは、築年数の経過とともに建物価格は減価償却によって0円になりますが、土地価格は需要などで変動があるものの0円になることはありません。そのため、アパートを購入する場合には、物件価格に占める土地価格の割合が高い方が築年数の経過による資産価値の減少というリスクを抑えることができます。
また、資産価値の高い土地を購入しておけば、築年数の経過による資産価値の減少を抑えることができるだけでなく、将来的に土地の需要が高まった場合における資産価値の上昇が期待できます。
資産価値の高い土地には、交通面での利便性が高い、生活面での利便性が高い、環境面での安全性が高いという3つの特徴があります。この特徴がある土地にアパートを建築する、もしくは既に建築されているアパートを購入すれば、需要が高いため長期的な家賃収入が期待できるほか、資産価値の上昇による売却益が期待できるようになるでしょう。
しかし、特徴を満たしている土地だったとしても、地盤があまり良くない、用途地域が住居専用ではない、接道義務を満たしていない、建築条件が付いているといったように、土地の使用方法に制限が加わるような土地の場合は、資産価値が下がる可能性があるだけでなく、安定したアパート経営を行うことができない可能性があるため注意が必要です。
アパート経営を行う場合には、まだ投資する土地を決めていないという方は、土地の仕入れや高品質な建物を建てることに強みがある以下のようなアパート会社に相談されてみることをおすすめします。
土地の仕入れに強いアパート経営会社
- 駅徒歩10分以内の好立地で築年数が経っても高い入居率「シノケンプロデュース」
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム (全て見る)
- 【12/4 東京都 港区】老後に月20万円の家賃収入を手に入れる方法 - 2024年11月19日
- 【11/30 東京都 港区】【医療業界で働くオーナー生の声】 本音で語る!私が中古ワンルーム投資を始めた理由 - 2024年11月19日
- シノケンのアパート経営の評判は?営業、融資、物件、入居率の評判・口コミ - 2024年11月15日
- 【11/27 東京都 港区】【金融機関で働くオーナーの生の声】失敗から学ぶ不動産投資の成功への道 - 2024年11月12日
- 【11/29 オンライン】TSMCで賃貸需要高まる熊本、アパート経営事情を徹底解剖! - 2024年11月12日