国内の仮想通貨交換業者16社が参加する日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は27日、仮想通貨取引の金額に上限を設ける自主規制ルールを制定する方針を固めた。時事通信が報じている。
時事通信によると、限度額については「(1)資産が少ない顧客も安全に取引できる水準で一律に設定(2)年齢、資産、投資経験、所得などに応じて個別に設定―する2案があり、業者はどちらかを選ぶ。限度額に達した場合は取引の一時停止などを求める。」と報じられている。
JVCEAは現時点で自主規制ルールについて詳細を公表していない。仮想通貨交換業者における自主規制団体を目指すJVCEAとしては、利用者保護を目的として投資家による投機を抑制したい考えがある。一方で、仮想通貨投資家の間では購入制限がもたらす弊害を強く問題視する意見も散見される。
ビットコインをはじめとする仮想通貨の本来の目的は、広く遍く決済通貨として利用されることにある。だが、実際には、仮想通貨は価格変動への懸念から決済に適していないと指摘されることも多い上に、日本では法定通貨への交換はもちろん、仮想通貨同士の交換において難解な税制が敷かれていたり、会計処理においても問題が山積している状況だ。
国内ではすでに仮想通貨が決済通貨としての利便性を損なっている中、新たに設定される仮想通貨の取引上限は仮想通貨の投資対象としての価値すらも毀損しかねないものだ。過剰な利用者保護は日本における仮想通貨の普及を阻害するだけでなく、「仮想通貨大国」として諸外国に大きく遅れを取ることも懸念される。さらなる続報が待たれる。
【参照記事】仮想通貨取引に上限=自主ルールで利用者保護―業界団体
【参照URL】JVCEA 日本暗号資産取引業協会
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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