ロボアドバイザー「SUSTEN」のメリット・デメリットと特徴は?

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2021年にサービスを開始した「SUSTEN(サステン)」は、ヘッジファンドに近い運用を取り入れたロボアドバイザーで、運用方法だけでなく、料金体系もヘッジファンドに近くなっています。この記事ではSUSTENの仕組みと特徴について解説します。

※2023年11月時点のサービス内容です。2024年からサービスの内容が大きく変更されます。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の企業・商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. SUSTENとは
  2. SUSTENの特徴
  3. SUSTENの運用開始まで
    3-1.ポートフォリオ(銘柄の組み合わせ)を決定
    3-2.口座開設の申し込み
    3-3.運用開始
  4. SUSTENの運用タイプ
  5. SUSTENの積立運用のシミュレーション
  6. SUSTENのメリット
    6-1.手数料が成果報酬型
    6-2.プロ向けの高度な資産運用で、世界中のさまざまな金融資産に分散投資できる
  7. SUSTENのデメリット
    7-1.最低投資金額が高め
    7-2.入金・出金に手数料がかかる
  8. まとめ

1.SUSTENとは

SUSTENは、ロボアドバイザー(投資一任型)やファンドラップに分類される資産運用サービスで、投資家に代わって最新の投資理論に基づき、世界中の金融商品へ分散投資を行います。

ポートフォリオのリバランス (資産比率の見直し)やリスク管理など、すべてを任せることができるので、誰でも手間なく資産運用ができるサービスです。

2.SUSTENの特徴

SUSTENは投資信託の運用会社が直接サービスを提供する、ただ一つの「直販型ファンドラップ」です。直販型ファンドラップとは、運用会社が証券会社や銀行を経由せず、投資家と直接投資一任契約を結ぶファンドラップサービスになります。

面倒なリバランス(銘柄の入れ替え)やリスク管理をすべて任せられ、入金から出金まですべてのサービスがスマホ1つで完結できます。

また、これまでの資産運用サービスと異なり、投資家の利益がない場合は報酬をとりません。従来の運用サービスは、運用成績にかかわらず毎月あるいは毎年費用が発生するものが通常ですが、SUSTENでは過去最高益を更新した月に利益の1/6~1/10の費用が発生する仕組みになっています。

3.SUSTENの運用開始まで

SUSTENの運用開始までは、以下の簡単な3つのステップで可能です。

3-1.ポートフォリオ(銘柄の組み合わせ)を決定

簡単な質問に答えるだけで、投資家に適したポートフォリオを提案してくれます。

3-2.口座開設の申し込み

パソコンやスマホから、いつでも取引口座の開設が可能です。必要事項を入力・送信して、後日SUSTENからのはがきを受け取ったら、口座開設完了です。

3-3.運用開始

開設した口座に入金すると、選択した運用タイプに沿って運用が開始されます。

4.SUSTENの運用タイプ

SUSTENには、次の9つの運用タイプがあります。

それぞれの色には、次のような意味があります。

  • Red(赤):世界の経済成長の恩恵を享受しやすいタイプ
  • Green(緑):景気に連動しにくい絶対収益型のタイプ
  • Blue(青):リスクの低い守りに徹したタイプ

そして、主な投資対象は、以下の通りです。

金融商品

  • 世界の株式
  • 債券
  • 先進国通貨
  • 上場デリバティブ
  • コモディティ(商品)

国・地域

  • 日本
  • 先進国
  • 新興国

5.SUSTENの積立運用のシミュレーション

SUSTENの「モダニストタイプ((円ベースの年率リスク6.9%、費用控除後のリスクあたり期待リターン0.65を想定))」におけるシミュレーションは、以下の通りです。

30年後の投資想定元本は1,900万円になりますが、50%の確率で3,816万円以上になります。あくまでもシミュレーションなので結果が保証されているわけではない点に注意が必要です。

6.SUSTENのメリット

SUSTENのメリットについて解説します。

6-1.手数料が成果報酬型

先ほども説明しましたが、SUSTENの手数料はプロフィットシェア(完全成果報酬)型です。通常のロボアドバイザーは、運用額の約1%(年率)の手数料を支払わなければいけません。運用がうまくいっても、うまくいかなくても、毎年必ず費用がかかるのです。

しかし、SUSTENでは過去最高評価額(HWM)を更新したときだけ、利益に対して1/6~1/9が手数料として徴収される仕組みとなっています。

6-2.プロ向けの高度な資産運用で、世界中のさまざまな金融資産に分散投資できる

通常のロボアドバイザーは投資信託やETF(上場投資信託)に投資しますが、SUSTENでは株や債券などの伝統的資産だけでなく、ARP(オルタナティブ・リスク・プレミアム)にも投資します。

ARP(オルタナティブ・リスク・プレミアム)とは、株式や債券、通貨などを組み合わせたヘッジファンド投資戦略のひとつ。これまで組み入れるのが難しかった最新の金融工学理論を反映した運用をおこなっており、ほかのロボアドバイザーより高いリターンを目指しています。

7.SUSTENのデメリット

SUSTENと他社を比較したときのデメリットについて解説します。

7-1.最低投資金額が高め

SUSTENの最低投資金額は10万円となっているので、ほかのロボアドバイザーに比べると高めです。たとえば、楽天証券の「楽ラップ」は1万円から始められます。ただ、SUSTENの手数料体系は完全成果報酬型で、利益を出さないと手数料は徴収されないので、初心者には優しい仕組みとなっています。

7-2.入金・出金に手数料がかかる

SUSTENでは、銀行振込の手数料は自己負担になります。ただし、自動積立に関しての振込手数料はかかりません。また、出金時にも手数料440円がかかります。

短期ですぐにお金を引き出すのではなく、長期運用してなるべく出金しないようにする方がお得です。

まとめ

SUSTENは成果報酬型のロボアドバイザーであることや、他のロボアドバイザーよりも高いリターンを目指すヘッジファンド的な運用を取り入れていることが特徴です。

今後も既存サービスの利便性向上をはかる改良や、新サービスの開発などを実施するとしています。累計調達額は約25億円となり、今後もより充実した資産運用サービスを提供していく予定です。よりパフォーマンスの向上を目指した運用システムの開発に期待です。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011