2023年、金価格が上昇しました。国内の金価格は1万円を超えて過去最高額となったことや、ドル建ての金価格についても2,000ドル前後で推移しています。この記事では、金価格が上昇している要因と、金に投資するメリット・デメリットについて解説します。
※本記事は2023年11月10日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 国内の金価格は高値更新
- 日本でもインフレが進む
- インフレヘッジとしての金
- 金投資のメリット
4-1.金は信用リスクがない
4-2.世界共通で価値がある - 金投資のデメリット
5-1.利息や配当などのインカムゲインがない
5-2.盗難や紛失リスクがある - 金は守りの資産
- IG証券で金CFDに投資する
- まとめ
1.国内の金価格は高値更新
金(ゴールド)の国内小売価格の上昇が続いています。地金商最大手の田中貴金属工業が8月29日に発表した販売価格は、初めて1万円の大台を超えました。円安・ドル高が進んでいることや、海外の金相場が上昇し、国内相場を押し上げているのです。
海外でも金相場は5月に2,000ドルを突破し、その後も1800~1900ドルの高値水準で推移しています。
※図はTradingViewより筆者作成
2.日本でもインフレが進む
金価格の上昇には、インフレも影響しています。インフレとは、普段私たちが買い物をする際にかかる費用やサービスの価格が上昇する現象です。経済においては、緩やかなインフレは好ましい状態とされていますが、その前提として収入が物価上昇に追いつくことが重要です。
また、インフレが進むと、モノの価格が上がり、貨幣の価値が相対的に低下するため、預貯金の価値も減少してしまいます。将来のインフレに備えるためには、預貯金だけでなく、投資を検討することが重要です。
3.インフレヘッジとしての金
インフレヘッジとは、インフレに対抗する方法です。インフレになると、モノの価値が高まり、お金の価値が下がってしまいます。例えば、以前は1万円で買えた洋服が、インフレが起きると同じ品物でも1万5千円以上になることがあります。
そのため、インフレヘッジとして、預金や現金などの資産をインフレによって価格が上がりそうな資産に変えます。インフレが起きた際に価値が下がる代表的な資産としては、現金や国債があります。逆に、インフレ時に価値が上昇する資産としては、金(ゴールド)や不動産、株などが挙げられます。
4.金投資のメリット
インフレヘッジとして活用できる金ですが、他にどのようなメリットがあるのかについて解説します。
4-1.金は信用リスクがない
円やドルなどの法定通貨や株式などは、国や企業の信用によって価値が決まります。しかし、金(ゴールド)は違います。金は金そのものに価値があるため、価値の変動はないのです。金は希少で需要が高く、経年劣化や腐食もありません。
理論的には人工的に作ることはできますが、非現実的なコストがかかるため、誰も行っていません。将来的に技術が進歩し、効率的な人工生産が可能になるかもしれませんが、現時点では心配する必要はないでしょう。
4-2.世界共通で価値がある
金の価値は、先進国でも発展途上国でも全世界共通で認められています。この普遍性により、金は国境を越えて取引でき、国際的な価値を持っているのです。
その理由は金そのものに価値があるからだけでなく、金は歴史的に重要な役割を果たしてきたからです。古代から現代まで、金は貨幣や装飾品、投資の手段として利用されてきました。このような長い歴史と多様な用途により、金は世界中で高い評価を受けているのです。
5.金投資のデメリット
金投資のデメリットについて解説します。
5-1.利息や配当などのインカムゲインがない
銀行預金であれば、預けている間に利息が発生します。また株式や債券に投資する場合も、配当や利息が期待できます。ただ金を保有していても、利息や配当などのインカムゲインを狙うことはできません。
5-2.盗難や紛失リスクがある
「金」を現物で購入して自宅で保管すると、紛失や盗難に対する不安があります。そういったリスクを避けるためには、銀行などの貸金庫や、販売業者での預かりサービスを利用する必要がありますが、いずれも手数料が発生します。
6.金は守りの資産
金投資にはメリットとデメリットがあり、すべての人に向いているわけではありません。まず、短期的な利益を求める人には適していません。
株式には配当があり、企業の業績が向上すれば株価も上がり、売却益も期待できます。一部の株式は数十パーセントの値上がりをすることもありますし、新興市場の株式は1年で数倍になることもあります。しかし、株式は世界情勢の変化によって価値が急落することもある一方で、金投資は大きな損失を抱えにくい特徴があります。
金投資は、現在の資産を守りながら投資をしたいと考える人に適しているでしょう。中国の経済成長の鈍化や米国の金利上昇などをきっかけにした世界的な株価の下落や、世界各地で起きる紛争やテロ事件など、世界情勢は不安定です。
これら予測困難な出来事が起こる時代だからこそ、金投資は世界的に価値があり、価値を失う心配のない選択肢といえます。短期的な利益を追求するのではなく、資産を守ることを重視して長期的に保有したい人は、金投資は「守りの資産」として検討してみてください。
7.IG証券で金CFDに投資する
出典:IG証券「IG証券について」
金はCFDを利用して取引できます。CFD(Contract for Difference)とは、「差金決済取引」を意味し、原資産(株式など)に投資するのではなく、原資産の価格や指標を参考に、顧客が証券会社などの取引会社に証拠金を預託し、買値と売値の差額を取引する金融商品です。
CFDは、原資産を現物で受け渡しすることなく、反対取引によって生じた差額で決済することから、「差金決済取引」と呼ばれています。CFDは株価指数、原油、金などの商品で取引され、現物を実際に所有することなく取引できます。
IG証券の金取引では、商品CFD期限なし(スポット)と商品CFD期限あり(先物)の取引方法を選べます。
商品CFD期限なし(スポット)
スポット価格は、金が現在取引されている価格です。スポット価格での取引には有効期限がありません。商品CFDでは、実際に金そのものを交換することなく、オンラインで取引できます。
商品CFD期限あり(先物)
金先物取引は、将来のある日に特定の価格で金を売買する契約です。商品CFDでは、実際に金そのものを交換する必要なく、オンラインで取引できます。
金の取引を始める前に、取引ルールを作りましょう。取引ルールを作ることで、感情的な判断を避けることができます。また、金取引にどれだけの時間と資金を費やすか、どのようなリスク管理ツールを使うかなど、詳細を事前に決めておくことが最も重要です。
IG証券の取引プラットフォーム上のチャートでは、ティックから分足、月足まで最大4つの異なる時間枠を同時に比較できます。また、アラートを設定して価格変動を監視することもできます。
※図は取引画面より筆者作成
8.まとめ
インフレが進む中国内の金価格が高値更新し、金投資はインフレヘッジとして活用できます。そして、金は信用リスクがなく世界共通の価値があります。金投資のデメリットは利息や配当のないことや盗難や紛失リスクがありますが、金を守りの資産としてポートフォリオに組み込むことは、選択肢の一つでしょう。
金は盗難リスクのないCFDを利用して取引できます。IG証券ならデモトレードもあるので、まずは口座開設して仮想での売買をしてみるといいでしょう。
山下耕太郎
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