少額から不動産に投資できる不動産クラウドファンディングは、新しい不動産投資の形として投資家から注目されており、さまざまな企業が参入しています。株式会社ファミリーコーポレーションが運営する「不動産BANK」も2022年11月からサービス提供を開始した、比較的新しい不動産クラウドファンディングです。
今回は不動産BANKの評判や実績、利用するメリット・デメリット、利回りなどを紹介します。不動産クラウドファンディングでの投資を検討している方は参考にしてください。
目次
- 不動産BANKとは
- 不動産BANKの評判・実績
- 不動産BANKのメリット
3-1.想定利回りが高い
3-2.少額から投資できる
3-3.運用期間が比較的短い
3-4.運用の手間がかからない
3-5.投資家保護の対策が為されている - 不動産BANKのデメリットや注意点
4-1.元本割れリスクがある
4-2.ファンド募集の間隔が長い
4-3.高利回りを狙える反面ハイリスク - まとめ
1.不動産BANKとは
不動産BANKは、株式会社ファミリーコーポレーションが運営する不動産クラウドファンディングです。東京・千葉・埼玉・神奈川といった首都圏の中古一等収益物件を対象にした投資ファンドを提供しています。
運営会社は中古一等収益販売の販売棟数で全国1位となった実績がある首都圏の中古物件をメインで扱う不動産会社です。これまでの販売ノウハウを生かして、収益性の高い不動産に投資できるファンドを組成しているのが特徴です。
サービス名 | 不動産BANK |
社名 | 株式会社ファミリーコーポレーション(Family Corporation Co.,Ltd.) |
設立 | 2022年11月1日 |
代表取締役 | 冨吉 範明 |
資本金 | 100,000,000円 |
本社所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 11F |
事業内容 | ・アパート・マンションの企画・開発・設計・施工・販売 ・収益不動産の売買 ・不動産仲介事業 ・建築請負事業 ・海外不動産のコンサルティング・仲介・管理 ・不動産特定共同事業法に基づく小口不動産の販売 ・賃貸管理事業 |
事業許可番号 | ・宅地建物取引業 国土交通大臣(2)第9316号 ・特定建設工事業 東京都知事 許可(特-5)第148926号 ・一級建築士事務所 都知事登録 第63909号 ・不動産特定共同事業法許可 東京都知事 第135号 |
加入協会 | ・公益社団法人 全国宅地建物取引保証協会 ・公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会 ・一般社団法人 全国住宅産業協会 ・全国賃貸管理ビジネス協会 ・東京商工会議所 |
2.不動産BANKの評判・実績
不動産BANKの実績は以下のとおりです。
サービス提供開始 | 2022年11月1日 |
累計ファンド数 | 13件 |
累計募集金額 | 4億2,843万円 |
※2023年12月時点
不動産BANKは2022年11月からサービス提供を開始したため、サービス提供から1年ほど経過しています。累計ファンド数は13件とおおよそ月に1件の募集頻度となっており、いずれも満額達成しています。なお、ファンドの運用期間は10~12ヶ月と比較的短くなっているのが特徴です。次に、直近8件の募集ファンドの想定利回りを見てみましょう。
不動産BANKの募集ファンド
ファンド名 | 想定利回り(年利) |
---|---|
国分寺市1棟マンション | 6.0% |
鎌ヶ谷市1棟マンション | 6.0% |
船橋市1棟アパート | 6.0% |
平塚市1棟アパート | 6.0% |
横浜市1棟アパート | 6.0% |
船橋市1棟アパート | 6.0% |
松戸市1棟アパート | 6.0% |
日野市1棟アパート | 6.0% |
不動産BANKでは住宅地の1棟マンションや1棟アパートを投資対象としており、平均6.0%の案件組成を特徴としています。実際に募集されたファンドの直近8件を見ても、想定利回り6.0%に設定されており、不動産クラウドファンディングとして高い利回りを見込めることが分かります。
なお、クラウドファンディングでの募集開始前に行われた対面募集のファンドでは、7~8%の想定利回りが設定されたファンドが募集されています。
3.不動産BANKのメリット
不動産BANKを利用するメリットは次のとおりです。
- 想定利回りが高い
- 少額から投資できる
- 運用期間が比較的短い
- 運用の手間がかからない
- 投資家を守る仕組みがある
3-1.想定利回りが高い
不動産BANKを利用するメリットの1つが、想定利回りが高いことです。不動産Bankで提供されるファンドの想定利回りは年率6.0~8.0%に設定されています。さまざまな不動産クラウドファンディングサービスが提供されていますが、不動産BANKの利回りは比較的高い水準といえるでしょう。
3-2.少額から投資できる
少額から不動産に投資できるのも、不動産BANKを利用するメリットです。現物不動産に投資するにはまとまった資金が必要になり、場合によっては投資のために金融機関から融資を受けなければならないケースがあります。
不動産BANKの最低投資額は1口1万円と少額投資が可能で、投資へのハードルが低くなっています。初めて不動産投資をする場合や分散投資をしたいという方にとって利用しやすいでしょう。
3-3.運用期間が比較的短い
不動産BANKのファンドは運用期間が比較的短い傾向にあります。不動産BANKで紹介されたファンドのうち、1件が10ヶ月、残りのすべてが12ヶ月の運用期間となっています。
ファンドの運用期間が短いことで、損失が発生するリスクが生じにくくなるほか、新たな投資案件へと資金を投入しやすくなります。さまざまなファンドや金融商品に投資していきたい方にはメリットになるでしょう。
3-4.運用の手間がかからない
不動産BANKを利用した不動産投資では、不動産物件の運用や管理を運営会社が行います。投資家は定期的に入金される分配金と、運用期間終了後に出資金が償還されるのを待つだけとなり、運用に手間がかかることはありません。仕事や家事などで時間がなかなか取れない方でも、投資しやすいといえます。
3-5.投資家保護の対策が為されている
投資家を守るためのさまざまな仕組みが導入されているのも、不動産BANKのメリットです。不動産BANKでは、以下の3つの仕組みが導入されています。
- 優先劣後構造
- 信託銀行での分別管理
- プライバシーマークの取得
優先劣後構造とは、損失が生じた場合に出資者間で優先順位をつけて負担する方法です。不動産BANKのファンドには、投資家からの出資(=優先出資)に合わせて、運営会社も出資(=劣後出資)を行います。
損失が発生した場合でも、劣後出資分が優先的に損失の補填に充てられます。劣後出資額までの損失なら投資家が損失負担を被らず、分配金が発生した場合も投資家に優先的に分配されます。
また、不動産BANKでは投資家からの出資金(未投資資金)を信託銀行で管理する分別管理を採用しています。分別管理によって、出資金を運営会社の資産とは分けて適切に管理できるほか、運営会社が破綻した場合でも出資金は投資家に返還されます。
さらに、不動産BANKではプライバシーマークを取得しており、投資家から取得した情報を厳正に管理しています。資金や利益、情報などを守る仕組みがあるため、投資しやすい環境が整っているといえるでしょう。
4.不動産BANKのデメリットや注意点
一方、不動産BANKの利用には以下のデメリットがあります。
- ファンド募集の間隔が長い
- 高利回りは狙えるがリスクも高くなる
- 元本割れリスクがある
4-1.ファンド募集の間隔が長い
不動産BANKはファンド募集の間隔がやや長く募集頻度が低い傾向にあります。直近のファンドの募集間隔は2~3ヶ月ごとです。1ヶ月ごとに新規ファンドを募集したり、1ヶ月に2~3件のファンドを募集したりする不動産クラウドファンディングがあることを考えれば、投資機会が少ないといえるでしょう。
4-2.高利回りは狙えるがリスクも高くなる
これまでの不動産BANKの投資対象を見てみると、首都圏の住宅地における中古不動産(1棟マンション・アパート)となっており、人口が多く賃貸需要も豊富な都心のワンルームマンション・新築物件などの案件と比較してハイリスクの投資対象となっています。
不動産クラウドファンディングは実際の物件へ間接的に投資する投資商品です。そのため、実際の不動産投資における経年劣化による資産価値の低下リスクや賃貸需要の減少リスクをそのまま負うことになります。
4-3.元本割れリスクがある
不動産BANKに限らず、すべての不動産クラウドファンディングにいえることですが、不動産ファンドへの投資には元本割れリスクが常に伴います。
なお、不動産BANKでも劣後出資を行っていることから、案件の精査は慎重に行われていると考えることができますが、損失の発生リスクを完全に避けられるものではありません。運営状況や政治情勢、不動産市場の動向によっては、劣後出資を上回る損失が発生して投資元本を毀損する可能性があることを理解しておきましょう。
まとめ
今回は不動産BANKの評判・実績、メリット・デメリットなどについて解説しました。
不動産BANKは首都圏の1棟マンションや1棟アパートを対象にした不動産ファンドに投資できるサービスです。1口1万円の少額から投資できるため、初めて投資する方や少額で投資をシたいという方にとって利用しやすいでしょう。
一方で高利回りのリターンが見込めるメリットの反面、首都圏の中古不動産が主な投資対象となっており、賃貸需要が豊富な都心部のマンションや新築物件の案件などと比較してややハイリスクであることに注意が必要です。
不動産BANKの1万円からの少額不動産投資が可能であるというメリットを活かし、一つの案件に資金を集中させずに分散投資をしたり、余剰資金を投資するなど、それぞれリスク対策を行っておくと良いでしょう。
山本 将弘
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