不動産訪問査定の内容と所要時間は?高値で売却するための5つの注意点も解説

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不動産を売却する際に気になるのが「いくらで売れるのか」「どこに頼めばいいのか」などではないでしょうか。売却価格の目安を知る方法としては不動産会社の「訪問査定」が便利ですが、初めて訪問査定を受ける方は、何を準備すればいいのかわからないこともあるでしょう。

そこで今回は、不動産売却における訪問査定の内容や所要時間、必要な準備などをわかりやすく解説します。初めて売却査定を受ける方、少しでも物件を高く売却したい方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

目次

  1. 不動産売却時の訪問査定とは
    1-1.売却査定額を知る必要がある理由
    1-2.売却査定の所要時間
    1-3.売却を依頼する不動産会社を適切に選べる
    1-4.訪問査定でチェックされるポイント
    1-5.訪問査定までに準備する書類
  2. 訪問査定の注意点
    2-1.事前に相場を調べておく
    2-2.複数の査定会社に依頼する
    2-3.査定額の根拠を説明してもらう
    2-4.査定会社の専門分野・得意分野を把握する
    2-5.査定会社の対応を観察する
  3. まとめ

1 不動産売却時の訪問査定とは

「訪問査定」は、不動産会社のスタッフが現地に直接赴いて物件を査定することをいいます。専門のスタッフが依頼者と直接面談しながら住宅の内外を実地調査するため、提供したデータ情報のみで行う「机上査定」よりも査定結果の精度が向上するのが特徴です。

1-1 売却査定額を知る必要がある理由

不動産の売却活動は、自分の不動産がいくらで売れるかについて知ることから始まります。一般の方では正確に把握するのが難しい不動産の価値について、査定のプロが専門的な知識に基づいて査定額を算出してくれます。

査定額を知ることで、売却活動における売出し価格設定の根拠にもなるだけでなく、資金計画や売却計画・住み替え計画などの目処なども立てやすくなります。

1-2 売却査定の所要時間

訪問査定の現地確認にかかる時間は、不動産会社で異なりますが約1~2時間で終了します。なお、査定の結果が届くまでには1週間程度かかることがあります。不動産会社は現地確認後に役所や法務局に出向き、現地に関係する法規制や道路・上下水道などのインフラ状況、隣地との境界、地盤などを確認する作業が必要となるからです。

1-3 売却を依頼する不動産会社を適切に選べる

訪問査定は、売却を実際に依頼する不動産会社を選ぶ根拠にもなります。不動産を売却するためには、不動産会社に売却の仲介を依頼する必要があり、通常は訪問査定の結果や応対の状況をみて、査定額が最も高い会社や依頼しやすい会社を選ぶことになります。

訪問査定は、その後の売却活動を支えてくれる会社を決める貴重な判断材料となるため、真摯に対応しましょう。

1-4 訪問査定でチェックされるポイント

訪問査定でチェックされることが多い項目は、次のとおりです。

  • 立地・周辺環境
  • 最寄り駅から現地までの利便性
  • 建物構造
  • 外装の状態(屋根や外壁の劣化具合・基礎の状態)
  • 間取り
  • 屋内の状態(床や柱の傾き・建具の建付け・リフォーム歴・床や壁のキズ・破れなど)
  • 設備の種類・経過年数
  • 窓やベランダからの眺望や日当たり
  • 近隣関係(隣地境界・騒音・ゴミなど)
  • 玄関・オートロック・階数・エレベーター・廊下(マンションの場合、共用部分も含む)

また、訪問査定時に質問されることが多い内容は次のとおりです。

不動産を売却する理由

不動産会社に不動産を売却する理由を理解してもらうためには、わかりやすく説明するのがベターですが、注意したいポイントもあります。例えば、売り急いでいる姿勢を強く見せすぎると、査定額に影響しかねません。

「急にまとまった資金が必要になった」「急な転勤のためすぐに転居先を探さなければならない」「なるべく早く売却資金が欲しい」などと伝えることで、早く売るために査定額を低めに見積もられる可能性もあり、売出し価格にも影響することがあります。

相当の事情がない限り、仮に売り急いでいたとしても余裕を感じさせる態度で臨むのが良いでしょう。

希望する売却価格

査定額が出る前に聞かれる質問です。不動産ポータルサイトで類似物件の価格を確認したり、統計データを調査したりなどして自分なりに調べた近隣相場を参考に、希望価格を伝えると良いでしょう。

退居できる時期

転居先の確保との関係があるため、この段階で住まいを退居できる時期について具体的に示すことは難しい部分もありますが、自身の状況も考慮して大体の目安を伝えておきます。

住宅ローン残債の状況

住宅ローン残債の状況は正直に伝えます。不動産の売却資金でローン残債を支払う必要があり、住み替えなどの場合は新しい住居の取得資金も必要です。全体の資金計画を立てそれを着実に実行していくには、不動産会社のアドバイスを受けることも必要になります。

このほか不動産売買の経験・買い替えの経験についても正直に伝えましょう。

1-5 訪問査定までに準備する書類

訪問査定を受ける際に、事前に準備しておく書類は次のとおりです。

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 登記簿謄本または権利証
  • 建物の図面
  • 設備の仕様書
  • 固定資産税の納付状況がわかるもの
  • マンション管理規約

売買契約書

不動産購入時の売買契約書です。売買契約当時、その内容がどうなっていたのかを確認するために必要となります。

重要事項説明書

不動産購入時の重要事項説明書です。不動産の売買契約を行う場合は、宅建業法に基づき重要事項について宅建士による説明が義務付けられています。説明内容が記載された書類が重要事項説明書となります。

登記簿謄本または権利証

不動産の権利関係、特に抵当権などが設定されていないかを確認するために必要となる書類です。権利証は、不動産登記済証または登記識別情報のことです。

建物の図面

戸建ての場合は建物設計図面一式が必要となります。建物設計図面は、建物配置図・平面図・立面図・上下水道配管図・電気配線図などから構成されます。マンションで建物設計図面一式を持っているケースは少ないため、間取りがわかる平面図があれば問題ありません。また、古い住宅では図面が無い場合もあります。

設備の仕様書

大型の設備(給湯器・キッチン・風呂・トイレ・洗面台・エアコンなど)のものは揃えておくほうが良いため、設備に関する仕様書が無い場合はメーカーに同型番のものがないか確認してみましょう。古い住宅では無い場合もあります。

固定資産税の納付状況がわかる書類

固定資産税の滞納状況を確認するために必要となります。納付状況がわかる書類とは、窓口納付した際の領収証、または口座引き落としの場合の預金通帳です。

マンション管理規約

売却不動産がマンションの場合に必要です。管理規約の内容は査定額に影響するため、無い場合は管理組合からもらっておきましょう。

なお、登記簿謄本や公図を事前に法務局から取り寄せてくれる会社もあるため、訪問査定日前にこちらで準備するものを確認しておいたほうが良いでしょう。このほか、訪問査定前に室内を簡単に清掃しておくことも大切です。室内に多くの荷物や段ボールなどが置いてあると、査定作業の邪魔になります。

また、埃が溜まったりカビ臭かったりすると、査定スタッフの気分を害することもあり、査定額が不要に低く見積もられてしまう可能性もあります。ハウスクリーニングまで頼む必要は基本的にはありませんが、最低限、自分で荷物を片付けて掃き掃除程度はしておきましょう。

2 訪問査定の注意事項

訪問査定を受ける際には、どのような点に注意して対応すればいいのかを確認します。

2-1 事前に類似物件の相場を調べておく

訪問査定を受ける前に、条件の似た物件の売却価格相場を調べておくことが重要です。相場がわかれば査定会社から出される不自然な査定額を見つけやすくなり、査定会社とも対等に交渉できるようになるからです。

事前に相場を調べるには、ネット上の売却不動産情報の中で類似した物件の販売価格を調べるか、新聞折込みの不動産売却広告から自分の物件に似たものを見つけるなどの方法があります。

また、「すまいValue」のような一括査定サイトを利用する方法もあります。一括査定サイトは、物件の所在地や構造・築年数などのデータを入力するだけで、複数会社の査定を受けることができるサービスです。これを受けることで各社の査定額を知り、相場観を身に付けることに役立ちます。

ただし、一括査定で当初提示される情報はデータのみを使う机上査定のため、訪問査定に比べて精度が劣ることを認識しておく必要があります。ただし机上査定後に訪問査定を依頼することもできるため、対応が良いなど気になる会社があればそちらに訪問査定を頼んでも良いでしょう。

2-2 複数の査定会社に依頼する

訪問査定では複数会社の査定を受けることが重要です。1社のみの査定では提示される査定額の客観性が担保されない上、査定額の相場を知ることもできません。

訪問査定を受ける会社の選び方は、一括査定を受けている場合、「査定額が相場とかけ離れていないか」「メール対応などが丁寧か」「質問などの回答が早いか」などが判断基準となります。訪問査定を依頼する会社は2~3社選べば良いでしょう。一括査定を受けていない場合は、ネットで会社情報や口コミ・評判を調べてチョイスする方法があります。

さらに、訪問査定後にそのまま売却を依頼するケースもあるため、査定に来る会社の概要を事前に調べておくとスムーズな上、担当者との信頼関係も構築しやすくなります。本店・支店の場所、資本金、従業員数、不動産関係で力を入れている分野などを見ておくだけでも、会社の概要が把握できます。

2-3 査定額の根拠を説明してもらう

訪問査定を受け、各社から査定額が提示されたら、算出根拠について説明を受けましょう。査定額は、土地の公示価格や道路の路線価、近隣類似物件の相場価格、査定対象の物件固有の長所・短所などの観点に基づき客観的な価格を算出しています。

そのため、一般的な不動産会社による査定なら、査定額の算出根拠について質問すれば納得できる説明を受けることができるでしょう。逆に、査定額の算出根拠をはっきりと説明できない会社の査定額は、信頼性が高いとはいえないため注意が必要です。

また、他の会社より明らかに高い査定額を提示してくる会社は、仲介契約を獲得しようと後から値下げをする前提で数字を出している可能性があります。この場合は、他社より査定額が高い理由を質問して、適正な金額かどうかを確認することが大切です。

2-4 査定会社の専門分野・得意分野を把握する

不動産売却は、自分の不動産の種類に合った物件の売却実績が豊富な会社に依頼することが重要です。その会社の専門分野・得意分野(売却部門か、賃貸部門か、戸建て売却か、マンション売却かなど)を聞き出し、仲介を依頼する会社選びの判断材料にします。

さらに、可能であれば査定額と一緒にその会社の売却実績一覧を出してもらうことで、どの部門が得意かがわかります。このようにして訪問査定の機会を上手に活用することが大切です。

2-5 査定会社の対応を観察する

査定スタッフの熱心さや説明・応対の仕方などをできるだけ観察するようにします。また、照会や資料を依頼した時の対応の素早さなども参考になります。

3 まとめ

訪問査定で必要となる書類を準備するのは少々手間ですが、訪問査定自体はそれほど難しいイベントではなく、所要時間も長くありません。

訪問査定は査定額を知るためだけの手続きではなく、不動産売却活動の全般を支えてくれる仲介会社選びという重要な役割を担っています。訪問査定を受ける際はそのことを心がけ、信頼できる売却会社選びへと繋げてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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