フィリピン不動産は人口増加や経済発展などの面から、今後大きな利益を狙える可能性を持っています。海外不動産投資の対象国として、フィリピンを選択肢に入れて検討している方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、フィリピン不動産の購入の手順や物件選びのポイントは日本国内の不動産投資と異なる部分もあります。これらの違いを確認し、慎重に検討することが重要です。
そこで本記事では、フィリピン不動産投資で物件を購入する手順と、各手続きにおける注意点などについて解説します。フィリピン不動産投資を検討している方はご参考下さい。
目次
- フィリピン不動産投資で物件を購入する手順
1-1.投資するエリアを選ぶ
1-2.不動産エージェントを選ぶ
1-3.投資する物件を選ぶ
1-4.物件購入の申し込み及び購入予約金の支払い
1-5.売買契約書の署名及び手付金の支払い
1-6.ローン申し込み
1-7.決済残金の支払い
1-8.物件の引き渡し - フィリピン不動産投資で物件を選ぶ時のポイント
2-1.エリア選定は念入りに行う
2-2.物件のグレードや価格について妥当性を確認する
2-3.売主の実績は必ず確認する - まとめ
1.フィリピン不動産投資で物件を購入する手順
フィリピン不動産投資で物件を購入するときにトラブルを未然に防ぐためのポイントは、フィリピン現地へ進出済みの不動産会社を選ぶことと、売買契約書の内容を把握しておくことです。
フィリピン不動産購入の手順を詳しく解説していきます。
1-1.投資するエリアを選ぶ
フィリピン不動産投資を進めるためには、まず投資するエリアを絞り込むことが重要です。
フィリピン不動産投資では、主にマニラおよびその周辺となる首都圏もしくは南部のセブ島周辺などが選択肢となります。
マニラを含む首都圏は、都市開発も盛んで人口が多く集まっている点がメリットです。その一方で、首都圏のコンドミニアムは2019年第2四半期以降の値動きが大きく、物件価格が変動しやすい点をリスクとして捉えておく必要があります。
フィリピンでは、首都圏以外のエリアにおけるコンドミニアムは、値動きが首都圏と比較して緩やかです。セブ島エリアなどでは、物件価格が急激に上下するなどのリスクは、首都圏と比較すると少ないと言えるでしょう。
その一方で、セブ島エリアでは賃貸需要の見極めに要注意です。賃貸運用に適したエリアとホテル運用に適したエリアが混在するなど、エリアごとの特徴を捉えた物件選びが重要になります。
1-2.不動産エージェントを選ぶ
投資目的を明確にした上で、投資するエリアについておおよその見当をつけたら、物件情報を提供できる不動産エージェントを探します。不動産エージェントを探す上では、エージェントの実績などを確認することが重要です。
海外不動産投資では、失敗を防ぐためには、現地の不動産事情に精通したエージェントを見つけることがポイントになります。
日本で海外不動産投資を扱う不動産会社の中には、日本から遠隔で現地の不動産エージェントとやり取りしている会社も少なくありません。日本国内の不動産会社を選ぶときにも、フィリピン現地に進出しており、現地に拠点を置いている会社を選ぶことを検討してみましょう。
1-3.投資する物件を選ぶ
不動産エージェントが見つかったら、候補物件の情報をもらって物件を絞り込みます。なお、日本から投資できるフィリピンの不動産には、家賃保証がついている物件も多数販売されています。
家賃保証がついている物件については、設定家賃の根拠をエージェントに確認することが重要です。
海外不動産投資では、営業しやすくするために、不動産会社が設定家賃を高めに見積もっているケースも少なくありません。保証家賃を受け取れないなどの失敗を防ぐためには、設定家賃の根拠を見極めることが重要です。
1-4.物件購入の申し込み及び購入予約金の支払い
投資する物件を決めたら、物件購入の申し込みをします。また、申し込みにあたって予約金の支払いが必要な場合は、購入申し込みに合わせて支払いを進めます。
購入申し込みの前には、支払いのスケジュールを確認することが重要です。特に「プレビルド」と呼ばれる建設途中の物件を購入する場合は、支払いが複数回に渡ることも少なくないためです。
なお、日本から海外不動産を購入するためには、海外送金が必要となります。しかし、どこの銀行でもスムーズに海外送金が可能とは限りません。
銀行の窓口担当者に対応した経験がないなどの理由で、送金手続きを断られてしまうこともあります。スムーズに送金するためには、資金を送金する前に電話などで銀行へ確認しておきましょう。
海外送金が可能な銀行を探す前に支払いスケジュールを確認しておけば、余裕を持った対応が可能です。
1-5.売買契約書の署名及び手付金の支払い
物件購入の申し込みが済んだら、売買契約書など必要書類のサインを進めます。また、申込金とは別に手付金の支払いが必要な場合は、書類へサインした後に支払い手続きをします。
なお、フィリピン不動産の売買契約書は全文英語で書かれています。英語に慣れていない日本人からすると、英文の契約書の内容を把握するのが難しい方も少なくありません。
しかし、契約書にはキャンセル条項や、万一物件の引き渡し目処が立たなくなった場合の対応など、重要なポイントも記載されています。内容については必ず確認し、疑問点があればエージェントに確認しておきましょう。
1-6.ローン申し込み
物件購入にローンを利用する場合は、売買契約書にサインした後のタイミングでローン申し込みをします。なお、ローンを申し込む前に融資額の振込はいつになるのか確認することが必要です。
物件購入代金の支払いが複数回に分かれている場合は、支払いのタイミングと融資額の振込タイミングがずれることもあります。融資額が決済時に一括振込などの場合は、中間金を自己資金で用意することが必要です。
1-7.決済残金の支払い
物件が完成したら決済残金を送金します。売主にて着金確認が取れたら決済完了です。なお、銀行で送金手続きを済ませたら、送金票の控えを保管しておくことが重要です。
海外送金においては着金までに最低1日以上の時間がかかります。また、売主が着金確認するため、送金手続き完了の証憑を求められることもあります。
銀行側の手違いなどで送金が正常に完了できなかった場合などは、送金票の控えが送金手続き完了の証拠書類となります。また、売主に提出するためにも送金票の控えが必要です。
1-8.物件の引き渡し
売主側で資金の着金確認が取れたら、物件の引き渡しおよび物件所有権の登記手続きに入ります。家具家電のオプションを入れていない場合は、引き渡し後に家具家電の手配が必要です。
海外では、賃貸住宅には家具家電がついていることが多く、フィリピンも例外ではありません。必要に応じてエージェントや売主に相談しておく良いでしょう。また、登記手続き完了時期の見込みについても確認を要します。
フィリピンでも日本と同じく登記済証が物件所有権の証明となるため、あとで物件を売却する場合は、登記済証の取得が必要です。
2.フィリピン不動産投資で物件を選ぶ時のポイント
フィリピン不動産投資で失敗を予防するためには、特に物件選びの時に気をつけるポイントがあります。主なポイントとしては下記の3点が挙げられます。
- エリア選定は念入りに行う
- 物件のグレードや価格について妥当性を確認する
- 売主の実績は必ず確認する
2-1.エリア選定は念入りに行う
フィリピン不動産投資において物件を選ぶときには、エリア選定を入念に行うことが失敗を防ぐポイントとなります。エリア選定と運用戦略とにズレが生じると、空室による失敗につながりかねません。
例えば、首都マニラの中でも今後発展が見込まれるエリアとすでに開発が済んでいるエリアとでは、見込まれる入居者層が違うこともあります。
また、セブ島で投資する場合には、マクタン・セブ国際空港の付近での物件紹介が多くなりますが、同じ空港の付近のエリアでも、セブシティエリアとマクタン島内のエリアとで特徴が異なります。
セブシティエリアには海外IT企業のデータセンターなどもあるため、外国人駐在員も入居者候補です。一方、マクタン島はセブシティエリアよりもリゾート色が強く、Airbnb運用のほうが高利回りを狙える場合もあります。
エリアの特徴と運用方法については、物件を選ぶときにエージェントへ確認することが重要です。
2-2.物件のグレードや価格について妥当性を確認する
フィリピンでは、首都マニラでもセブ島でも、投資用として販売されている高級コンドミニアムが少なくありません。しかし、高級コンドミニアムは設定家賃も高くなるため、入居者ターゲットが限られます。
富裕層や海外駐在員などが少ないエリアで高級物件を購入すると、結果的に空室続きで失敗することにもなりかねません。物件のグレードや価格と入居者ターゲットは妥当と言えるかどうか、あらかじめ確認しておくことが失敗を防ぐためのポイントです。
2-3.売主の実績は必ず確認する
フィリピン不動産投資には、プレビルドの物件を購入した結果、工事が途中でストップしてしまい、物件の引き渡しを受けられなかったという失敗もあります。
なお、物件の引き渡しを受けられなかった場合、過去の大半のケースにおいて支払い済みの資金が返金されていません。
工事が途中でストップしてしまうのは、物件の売れ行きがよくない、売主に経営の体力がなかった、などが主な原因です。フィリピン不動産投資でリスクを下げるためには、物件の売れ行きや売主の分譲実績などを確認することが重要になります。
まとめ
フィリピン不動産投資で物件を購入するにあたって重要なポイントは、売主の見極めと売買契約書の内容確認です。売主の見極めができていれば、購入手続きにあたってトラブルに巻き込まれる確率を減らせます。
また、キャンセル条項や支払済資金の返金などについてあらかじめ確認できていれば、万一工事が止まってしまった場合のトラブルなどを防げます。売買契約書の内容を把握した上で、不明点については確認しておくことが重要です。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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