投資マンションの築年数、狙い目は何年?理由や物件選びのポイント、マンション投資会社へのインタビューも

※ この記事は株式会社エイマックスより提供された情報をもとに作成しています

投資するマンションの物件選びをするときに、築年数は重要な着眼点の一つです。間取りや広さ、立地などの条件が似通っていれば、基本的には新築の方が割高な傾向にあり、築年数が経過するにつれて価格は低下していきます。また、内装や共用部分の質、リフォームや大規模修繕における修繕費の持ち出しリスクを考えるうえでも、築年数は重要です。

今回は主に築年数に着目して、狙い目や選ぶ上でのポイントを解説します。後半では、東京都内のマンション投資会社のエイマックス社に聞いた、投資マンションの築年数や物件選びに関するインタビューも紹介します。

目次

  1. 投資マンション選びで築年数が重要な理由
  2. マンション価格のトレンドから見る狙い目の築年数
  3. 築年数ごとの物件選びの考え方
    3-1.築10年未満|価格下落が進むが設備は新しい
    3-2.築10年台|狙い目だが設備更新のタイミングに留意
    3-3.築20年台|再び価格が下がり始める
    3-4.築30年程度|自己資金を多く用意できるなら狙い目
  4. 投資マンションの築年数の狙い目、物件選びのポイント【インタビュー】
    4-1.投資マンションの築年数の目安
    4-2.築年数以外に優先して見るべきポイント
    4-3.室内設備が古い物件の注意点
  5. まとめ

1 投資マンション選びで築年数が重要な理由

築年数は次の点で物件の価値や品質に影響を与えるため、投資物件選びにおいて重視される要素の一つです。

  • 室内設備
  • 共用設備
  • 外観やデザイン
  • 修繕コスト
  • 資産価値

築年数が古い物件は設備も数世代前のものが設置されていて、いまの入居ニーズを充分に満たさない可能性があります。これは室内設備、セキュリティや宅配ボックスなど共用設備の双方にいえることです。

また、外観やデザインが近年のトレンドにマッチしておらず、古い印象を持たれる可能性もあります。

古い物件になるほど、資産価値を保全もしくは回復させるために修繕が必要になります。基本的には古い物件ほど修繕コストがかかる可能性が高いでしょう。

ほとんどの物件は、経年劣化により築年数とともに資産価値が下がり、売買価格も比例して下がる可能性が高まります。設備やデザインなどの面で劣後するため、周辺物件との競合において不利に働くことと、修繕など維持・管理費用が高くつく可能性があることなどが、資産価値の下落要因になっています。

2 マンション価格のトレンドから見る狙い目の築年数

東京23区内のワンルーム物件の2022年の取引価格を、築年数ごとに集計すると次の通りとなります。

東京23区内のワンルーム(1K、1DK、1R)の2022年の築年数別取引価格

中古マンション取引価格の推移※国土交通省「土地総合情報システム」の取引価格データをもとに筆者作成(2022年第1四半期~2022年第4四半期の東京23区内の中古マンション取引価格を、築年数別に平均値を取って集計。50平米以下の物件に限定)

全体としては、年数とともに価格が下がる傾向がみられます。ただし、築10年~20年頃と築30年以降に価格が下げ止まる局面があるのが特徴です。

このデータをふまえると、物件価格で見たときの狙い目は次の二つとなります。

  • 築10年前後
  • 築30年前後

大規模なリノベーションを行わない前提であれば、入居需要の多さや家賃水準の維持といった側面では築年数が新しい物件の方が良いと言えます。そのため、価格下落が進まない期間があるならば、そのなかで極力新しい物件を購入するのが有効な選択肢といえるでしょう。

3 築年数ごとの投資マンション選びの考え方

価格推移だけを見れば、築10年前後と築30年前後が狙い目ということがわかりました。しかし、これだけで他の築年数を選択肢から外すのは早計です。それぞれの築年数の特性を捉えて、自分にあった築年数の物件で投資にトライするのも一つの考え方といえるでしょう。

3-1 築10年未満|価格下落が進むが設備は新しい

築10年未満は入居付けも行いやすく設備なども新しいことから低リスクの運用に適している特徴があります。マンション投資に慣れていて、リスク対比で収益性の高い物件をうまく選んでいける方は、選択しづらいゾーンです。

一方で、手堅い物件へ投資したい方や初心者などは選びやすいゾーンでもあります。築浅物件は設備がまだ新しく、近年のトレンドに沿った内装となっています。そのままでも当面は入居者のニーズを充分につかめるでしょう。

設備の劣化がさほど進んでいないため、しばらくは大きなリフォーム等をせずに運営できる可能性が高いといえます。

また、金融機関のローン審査においても築年数が浅い方がポジティブに働きます。特に、投資先の耐用年数が加味される借入期間は、築浅物件ほど長期化できる可能性が高いでしょう。借入期間を長期化すれば返済負担が軽減するため、月々の収支を黒字化しやすくなります。

3-2 築10年台|狙い目だが設備更新のタイミングに留意

築10年以降は、しばらくは資産価値の下落が止まる点で狙い目です。ある程度価格下落は進んでいるので、同じ立地で、同程度の間取りの新築より割安な価格で購入できると期待できます。

一方で、リフォームや修繕に着目して物件を選びましょう。バス・トイレなどの設備は10年あたりから保証が効かなくなってくるケースが出てきます。また、築10年台には最初の大規模修繕が行われます。もし修繕積立金が不足していると、修繕費の追加徴収などが発生する可能性もあるでしょう。

基本的には、大きめの設備更新や建物全体の修繕が一回り完了した物件が狙い目です。一方で、リフォームや建物の修繕を加味しても、割安と評価できる物件をあえて購入するという選択肢もあります。リフォームや修繕のコストやリスクを加味して、投資の効果を正当に評価しましょう。

3-3 築20年台|再び価格が下がり始める

築20年を超えてくると、再び価格下落が進行する傾向にあります。20年を超えると設備の古さが明確になってきて、そのままでは賃料を相応に下げないと入居者獲得がしにくくなってくるでしょう。

また、入居者獲得のために大規模なリフォームを検討しなければならない可能性もあり、建物全体の劣化も進んでいるために修繕積立金が増額されるリスクもあります。

こういった中で資産価値の下落も懸念されることから、特に資産価格の安定化まで時間がある築20年代前半は選択しにくいゾーンといえます。ただし、ケースバイケースであり、割安な状態で放置された物件が出てくる可能性もあります。

見込みの家賃収入に対して安く購入できるのであれば、修繕費等の経費を差し引いても回収できる可能性は高まります。「築20年代は絶対投資しない」と決めつけずに、魅力的な物件を探していきましょう。

3-4 築30年程度|自己資金を多く用意できるなら狙い目

築30年超えは取引価格の下落がとまるため、価格面では狙い目です。新築や築浅と比べると充分に低価格で物件を購入できます。

その反面で、耐用年数を見る金融機関からの評価が付きにくいという難点があります。自己資金の割合を高くするか、返済期間を短くする必要があるでしょう。

返済期間を短くすると、返済額が大きくなり月々の収支が赤字になるリスクが高くなります。その点では、自己資金を多く充当できる方に適したゾーンといえるでしょう。

この築年数になると、過去の修繕やメンテナンス状況により劣化度合いに差が生まれます。質の悪い物件を購入すると、高額なリフォーム費用が発生する原因となるため、適切に管理されていて質の高い物件を厳選することが大切です。

一通りのリノベーションが完了していて、築年数の割にデザインや内装が新しい物件が、特に望ましいといえます。築30年以上の物件では、物件選びの能力がより重要になるため、ある程度不動産投資の経験がある方にとっての狙い目といえるでしょう。

4.投資マンションの築年数の狙い目、物件選びのポイント【インタビュー】

投資マンションの築年数の狙い目や物件選びのポイントについて、投資用中古マンションの販売・管理をワンストップで手掛ける不動産投資会社の「エイマックス」にインタビューを行いました。

エイマックス

A-MAX(エイマックス)エイマックスは、資産(Asset)の最大化(MAX)を社名・理念として掲げる不動産投資会社で、東京23区の投資用マンションの仕入れ・販売を手掛けています。日本でトップの不動産販売実績(※)を有する代表の天田 浩平氏を中心に少数精鋭の営業体制できめ細やかなサービスを提供しています。(※投資用マンション部門 天田氏の個人取引実績 年間最高売上高83.9億円 年間387部屋)

エイマックスでは適正な家賃設定・賃貸管理により管理戸数711戸・入居率99.1%(2023年7月時点)という実績があり、賃料を上げても入居がつきそうな物件については賃料アップを行っています。そうした営業活動の結果、不動産投資オーナーのリピート率82%、紹介率37%(いずれも2022年1月集計)という非常に高い満足度・実績を有しています。

また、3期目の売上は82億を達成し、国内大手の信用調査会社である帝国データバンクの企業信用調査では、61点の評点(中央値:40点台)と高い点数を獲得しています。

4-1.投資マンションの築年数の狙い目としては何年が目安でしょうか?例えば、築年数が何年を超えると初心者向きではなくなりますか?

「投資マンションの築年数の狙い目としては、初心者の方であれば、まずは築10~20年を目安にすると良いでしょう。築30年を超えるとやや手離れしづらくなったり、家賃が下がりやすくなります。10年ほど保有することを見込むのであれば、売却も検討しやすい築10~20年が狙い目と言えます。

一方で、立地をしっかりと選べば築年数が経過した物件であっても売却することが可能です。また、良い立地条件であれば長期的に賃料収入を見込みやすいため、築年数が経過しても売却せずに保有し続けるといった方針も取りやすくなります。」

4-2.投資マンションの築年数以外に優先して見るべきポイントはどこでしょうか?

「築年数以外だと、『立地』と『家賃』を優先して見ておくと良いでしょう。築年数が経過していても、立地条件が良く、家賃設定が適正な物件であれば、入居付けも行いやすいためです。

立地条件としては、東京23区内、最寄り駅まで徒歩10分、ターミナル駅まで20分アクセスが目安となります。ただ、23区内であっても足立区、葛飾区、江戸川区に関しては入居付けが難しいため、基本的にエイマックスでは取り扱っていません。反対に、23区外ではありますが、武蔵野市(吉祥寺)や品川~横浜・川崎までの沿線上のアクセスが良いエリアに関しては取り扱いがあります。

家賃設定に関しては、賃料相場を調べて適正な家賃であるかどうかを判断します。空室になった場合でも、募集から1ヶ月以内に決まる家賃設定であるかどうかが目安です。エイマックスで賃料査定を行う際は、周辺相場の賃料だけでなく賃貸履歴まで確認し、すぐ入居がつく賃料かどうかの判断を行っています。」

4-3.室内の設備が古くなっている物件を購入する際はどのような注意点がありますか?

「築年数が経過すると、室内設備だけでなく壁紙やフローリングなどについても劣化が進み、高額な修繕費がかかる可能性があります。特に注意したいのは、長く入居されている方がいる物件です。

修繕費の目安としては、4年に一回の入れ替わりで10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。仮に20年ほど入居された物件であれば、40~50万円ほどの修繕費が発生すると考えています。

入居者の方の入れ替わりが多い物件であれば、その都度リフォームが行われてメンテナンスが為されている可能性が高く、運用開始からすぐに高額な修繕費が発生するリスクは低いと考えられます。一方で、長く入居者の方が居住されている場合は中の状態を知ることが難しく、退去された際は多額の費用が発生するリスクがあります。

中古マンション投資はこのような高額な修繕費が発生するリスクがデメリットです。エイマックスでは購入後3年間の設備保証を設けており、修繕工事・設備交換は3年間何度でも無料になるため、事前のシミュレーションに近い運用になるように提案させていただいております。」

まとめ

投資用マンションは、経年劣化により築年数とともに資産価値が下がり、売買価格も比例して下がる可能性が高まります。マンション価格のトレンドを見ると、築10年~20年頃と築30年以降に取引価格の下げ止まりのタイミングがあり、狙い目の築年数と言えます。

今回は東京の投資用マンション販売を手掛ける株式会社エイマックスに築年数の狙い目や、物件選びのポイントについてインタビューを実施しました。初心者向きの築年数としては売却も検討しやすい築10~20年が狙い目となりますが、長期保有を見込めるよう立地条件や家賃設定についても優先して見るべきとしています。

入居中の物件であれば室内設備の劣化状況の判断が難しく、中古マンション投資のリスクとなります。中古マンション投資を検討する際は物件のパフォーマンスだけでなく、物件管理についても着目し、比較検討されていくと良いでしょう。

The following two tabs change content below.

伊藤 圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。