江東区のマンション売却相場は？間取りや築年数、購入検討者数のデータから検証

「東京都の人口（推計）」によると、2022年9月1日時点の東京都江東区の人口は529,059人となっており、23区内で8番目に多くなっています。大型マンションの建設が相次ぎ、人口増加傾向が見られるのが近年の特徴で、2022年8月1日からは448人が増加してしています。これは東京23区で最も増加数が多くなっています。

今回のコラムでは、江東区の中古マンションにはどのような傾向があるのか、「三井のリハウス」が提供している間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などデータをもとに検証していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」が行っている不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、全国仲介取扱件数は累積で100万件を突破しています。

主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすい不動産査定サービスとなっています。

目次

1. 江東区で販売されている中古マンションの平均価格
2. 江東区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
3. 江東区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
4. 江東区のマンションの購入を検討している人数
5. まとめ

1　江東区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。下記の表は、そのデータをもとに東京23区で販売されている中古マンションについて平均価格（2022年10月17日時点）の上位5位までと江東区をランキングにしたものです。

東京23区における中古マンションの平均価格

江東区で販売されている中古マンションの平均価格は8,371万円です。2022年9月15日時点の8,478万円から107万円の下落となりましたが、東京23区内では6番目に位置しています。

次に、物件がどれくらい販売されているのか確認するために、東京23区で販売されているマンションの数を見てみましょう。東京23区で販売されている区別物件数の上位5番目までをランキングにしたのが下記の表です。

東京23区で販売されているマンションの数

江東区で販売されている中古マンションの数は197件で、191件だった8月22日時点に比べて6件増えており、中古マンション市場が活発なのが伺えます。

一方、2022年9月15日からの価格の変動について、東京23区内で大きい順から5番目までと、江東区をまとめたのが下記の表です。

2022年9月15日～10月17日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

東京23区のうち価格が下落したのは9区あり、そのうち3番目に下落幅が小さいのが107万円の江東区です。

物件数が増えて、平均価格が下落していることから、平均価格よりも低い価格の中古マンションが増えたことで平均価格が押し下がったということが考えられます。

2　江東区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

この項目では間取りの特徴について検証していきます。江東区で販売されている197件について、間取り別に物件数をカウントしたのが下記の表です。

間取り別の売出物件数

販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは2LDKですが、3LDKと物件数ではほとんど差がないことが分かります。2つのタイプを合わせると160件で、全体の81.2％を占めています。

次に価格帯と間取りの組み合わせについて見ていきましょう。下記の表では、販売数が多い順にまとめています。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

江東区で販売されているマンションの平均価格は8,371万円ですが、最も多い間取りと価格帯の組み合わせは平均価格よりも低い「2LDK×5,000万円超〜6,000万円」の27件となっています。

物件数の上位は5,000万円超〜8,000万円が多くを占めており、平均価格よりも低い物件が多い傾向があります。また平均価格よりも半分以下の4,000万円以下の物件を見てみると41件が販売されており、全体の20.8％を占めています。詳細は、2,000万円以下の価格帯ではワンルームマンションが2件、1LDKが1件、「2,000万円超〜3,000万円」の価格帯では1LDKが3件、2LDKが3件、3LDKが1件となっています。

このように平均価格よりも低い物件が多いのは、一部の高額な物件によって平均値が押し上げられ、全体の売出物件数としては多く見えてしまうということが推測できます。2022年10月17日時点では1億円超の中古マンションが28件販売されており、これは全体の14.2％を占めています。

3　江東区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

この項目では、江東区で販売されている築年数の傾向を見ていきます。江東区で販売されている中古マンション197件を築年別に分けて、件数とその割合を表したのが下記の表です。

築年数別の中古マンション販売物件数

築15年以上の中古マンションは121件が販売されており、割合で見ると61.4％を占めています。反対に築浅物件は築2年未満で見てみると9件あり、全体の4.6％を占めています。また築9年以内の物件は49件で、約4分の1に当たる24.9％となっています。

次の表は、築年別と価格帯の組み合わせについて、販売されている物件数の上位5番目までを表したものです。

中古マンションの築年数と販売価格

江東区で販売されている中古マンションのうち、最も多い築年数と価格帯の組み合わせは、平均価格よりも低い「築15年〜×4,000万円超〜6,000万円」となっています。4位以降に築年数が比較的浅い「築6年〜築14年」の物件がランクインしているのも江東区の特徴と言えます。

4　江東区のマンションの購入を検討している人数

マンションを売却する際にはマンション市場の動向が気になるものですが、三井のリハウスでは、各区において中古マンションの購入を検討されている方の人数を希望価格別に表示しています。その数字をもとに、東京23区の購入検討者数上位5番目までを表したのが下記の表です。

エリア別のマンション購入検討者数

江東区のマンション購入を検討している人の数は2,717人で、東京23区内で4番目に多いことが分かります。2022年9月15日時点では2,728人となっており、11人の減少となっています。

価格帯別に分けると、下記のようになります。

価格帯別のマンション購入検討者数

最も多い価格帯は平均価格よりもやや低い「7,000万円超〜8,000万円」の524人で、全体の19.3％を占めています。

また、3,000万円以下の物件の購入を検討している人が70人、4,000万円以下が151人おり、4,000万円以下の物件を求めている方は合計221人と、全体の8.1％となっています。一方、1億円超の物件を求めている方は371人の13.7％となっています。4,000万円以下の中古マンションよりも、1億円以上の中古マンションを検討されている方の方が多いという状況になっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年10月17日時点のデータから、東京都江東区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

• 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で6番目に高い
• 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で5番目に多い
• 平均価格は2022年9月15日の時点から107万円下落している
• 販売されているマンションのうち2LDKと3LDKの2つの間取りで全体の81.2％/li>
• 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは2LDKの「5,000万円超〜6,000万円」
• 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」（61.4％）
• 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「4,000万円超〜6,000万円」
• 江東区内のマンション購入を検討している人は2,717人で、2022年9月15日時点よりも11人減少
• 1億円以上の物件を検討している人は371人（13.7％）

東京都江東区では人口が増加しており、東京23区内で5番目に多い物件数が販売されていることから中古マンション市場は活発と言えるでしょう。1億円以上の物件を求めている人が多いのも特徴の一つです。

ただし東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年10月17日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

また、三井のリハウスにおける東京都江東区の取引実績（2012年10月〜2022年9月）は、マンションが4,557件、一戸建て・土地が534件で合計が5,091件となっています。より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。

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