物価が上昇しているインフレ期は相対的に紙幣の価値が低下するため、長期的にインフレが継続することが予想されるのであれば、投資を始めるチャンスであるという見方もあります。
特に不動産のような実物資産はインフレの影響を受けやすい商品です。また、金融機関のローンによるレバレッジ効果もあり、強いインフレ傾向にあるタイミングではリスクヘッジのための投資商品として選ばれることも少なくありません。
そこで今回はインフレ期に不動産クラウドファンディング投資を始めるメリットやデメリット、またキャピタルゲイン型の不動産クラウドファンディングサービス3社について紹介します。
目次
- インフレが不動産投資に与える影響
- インフレ期に不動産クラウドファンディング投資を始めるメリット
2-1.物件価格が上昇し、高いキャピタルゲインを生む可能性が上がる
2-2.資産を少額から投資できるので、リスクを抑えた運用がしやすい - インフレ期に不動産クラウドファンディング投資を行うデメリット・リスク
3-1.運営不動産会社の倒産リスク
3-2.インフレが解消されたときの価格下落リスク - キャピタルゲイン型の不動産クラウドファンディング3社
4-1.COZUCHI(コヅチ)
4-2.CREAL(クリアル)
4-3.TSON FUNDING - まとめ
1.インフレが不動産投資に与える影響
インフレが進行している時期は不動産投資にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
インフレ期には、インフレの抑制のために政府が政策金利を上昇させることがよくあります。例えば、2022年のアメリカの政策金利は1年間で約4%上昇しました。金利が安いと市場に出回る資金が増え、物価が上がりやすくなりますが、金利が上がれば市場の資金量が減り、物価の上昇が抑制されるとみられるからです。
政策金利の上昇は、住宅ローンや銀行の金利にも反映されます。日本は2023年時点でも超低金利ですが、マイナス金利政策を反転させることで、住宅ローンなど不動産関係の長期金利が上昇し始めています。
実物資産を運用する不動産投資においてインフレはプラスに働く面も少なくありません。一方で、インフレによって金利が上昇し続けてしまうと、融資による資金調達の難易度が上がり、物件を購入する不動産投資はやや行いにくくなることも考えられます。
2.インフレ期に不動産クラウドファンディング投資を始めるメリット
物価が上昇するインフレ期ですが、そんなときに不動産クラウドファンディング投資を始める意味はどういったものが挙げられるでしょうか。まずはメリットから見ていきましょう。
2-1.物件価格が上昇し、高いキャピタルゲインを生む可能性が上がる
インフレが起きれば物価が上昇し、不動産価格も上昇していきます。日本でもバブル経済期には不動産価格が大きく上昇しました。バブル経済期は日本の政策金利も高く設定されていましたが、それでも不動産価格は上昇していた、という背景があります。
インフレ期に不動産クラウドファンディングに投資していれば、運用対象の不動産価格が値上がりすることも考えられます。その結果運用終了後に売却し、売却益が大きくなることで投資家への分配率の上昇も期待できます。
2-2.資産を少額から投資できるので、リスクを抑えた運用がしやすい
インフレ期は、どの程度の期間インフレが続くか、またインフレの規模はどの程度想定されるのか、見極めが重要になります。バブル経済の崩壊を思うと、特に不動産投資に慎重になる方も少なくないでしょう。
少額から投資できる不動産クラウドファンディングは、インフレ期のようなややハイリスク・ハイリターンになりやすい時期の投資活動として相性の良い投資商品と言えます。1万円などの少額資金から投資ができるという特性を活かし、1つの不動産に資産を集中するのではなく、種類、時期、対象、会社などを分散しながらリスクの軽減を狙いましょう。
3.インフレ期に不動産クラウドファンディング投資を行うデメリット・リスク
インフレ期に不動産クラウドファンディング投資をすることには、リスクも存在します。どういった点を意識すればよいのかを見ていきましょう。
3-1.運営不動産会社の倒産リスク
まずは不動産クラウドファンディングを運営する不動産会社の倒産リスクです。バブル経済崩壊時には不動産価格の値崩れで、多くの不動産会社が倒産しました。
物件価格の上昇が加熱すると、多額の仕入れや投資を行いその結果倒産する会社も出てきます。投資する不動産クラウドファンディングを運営する不動産会社を分散する、また財務状況をみるなどの対策を行いましょう。
3-2.インフレが解消されたときの価格下落リスク
インフレ時は物価や不動産価格が上昇しますが、インフレからデフレへの転換が起こると上昇以上のスピードで物価や不動産価格が下落することもあります。
不動産クラウドファンディングの運用不動産価格が下落すれば、物件を売却しても購入時よりも安い値段でしか売れずに元本の損失が起こりやすくなります。インフレがいつまで続くのか、運用対象の不動産はインフレ前よりどれ位上昇したのかなど、相場の変動に注意しましょう。
4.キャピタルゲイン型の不動産クラウドファンディング3社
キャピタルゲイン(売却益)型の不動産クラウドファンディングでは、大きな売却益を得ることで投資家へ還元される分配率にも影響を与えます。インフレ期に不動産投資を検討する際は、キャピタルゲイン型の投資サービスへ少額投資を検討されてみるのも良いでしょう。
下記、不動産クラウドファンディングサービスから、キャピタルゲインを分配しているサービスを取り挙げています。投資先を選ぶ際にご参考ください。
4-1.COZUCHI(コヅチ)
2020年から運営を開始した不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI」は、LAETOLI株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。LAETOLI社は1999年創業の不動産投資会社で、リノベーションや不動産買取事業なども行っているため、投資用不動産のノウハウを豊富に有しています。数十億円規模の大規模案件を定期的に募集しているため、業界内でもかなり注目されています。
COZUCHIでは、不動産の売却時にキャピタルゲインが発生した場合その最大25%までを分配するポリシーを設定しているファンドがあります。実際に投資家に年間利回り実績283%の分配を行ったファンド(練馬区 武蔵関Iファンド)もあるなど、市況の動向次第で大きな利益を狙うことができます。
4-2.CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)は、東証グロース上場企業のクリアル株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングで、投資のしやすさが大きな特徴でありメリットです。
2023年3月時点で78件、累計267億円を超える募集を行っており、その中には10億円を超える大型案件もありました。投資機会に恵まれているので投資を始めやすく、また、1万円から投資ができるので、初心者の方でも少ない資金から不動産投資型クラウドファンディングを始められます。
インカムゲインとキャピタルゲインの両方を投資家に分配するファンドを運営しており、その内訳はファンドごとに設定されています。キャピタルゲインを狙いたい場合、キャピタルゲイン割合の高いファンドに投資すると良いでしょう。一方、キャピタルゲイン型であっても投資家への分配利回りは一定となっています。
4-3.TSON FUNDING
TSON FUNDING(ティーソンファンディング)は、愛知県名古屋市に本社を構える株式会社TSONが運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。株式会社TSONは2008年創業の不動産事業や関連事業を営む企業で、TOKYO PRO Marketに上場しています。
新築物件を不動産クラウドファンディングで資金を募集して建築し、売却益を投資家に分配するファンドを数多く運用しています。インフレ期であれば高い値段で新築物件が売れやすくなることが期待できますが、売却益の分配利回りの変動がないという点に注意が必要です。
まとめ
物価が上昇するインフレ期は不動産価格も上昇する傾向にあり、不動産投資を検討する方も少なくないタイミングになります。一方、リスクも高まる時期であるため、不動産クラウドファンディングなど少額資金で投資ができるサービスの活用も有効な選択肢となってきます。
今回ご紹介した3社の中でもCOZUCHIは売却益の投資家への分配を積極的に行っており、高い利回りを出した実績もあります。一方で相場の反転が起きれば損失が起こることもあるので、1つのファンドや事業者に資金を集中させず、投資する時期や会社、物件の種類などを分散してリスク対策も行っていきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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