カーボンオフセットも個人の時代!?新しいNFTプロジェクト「MORI(モリ)」とは

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今回は、NFTプロジェクト「MORI(モリ)」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. MORI(モリ)とは
    1-1.MORI(モリ)の概要
    1-2.MORI(モリ)リリースの背景
  2. NFTの発行元であるJE FOREST株式会社
    2-1.JE FOREST株式会社の概要
    2-2.JE FOREST株式会社の事業内容
  3. 「MORI(モリ)」の仕組み
    3-1.MORIの購入(ミント)
    3-2.iGreenのドロップ
    3-3.iGreenのバーン
  4. 「MORI(モリ)」の特徴
    4-1.誰もが気軽にカーボンオフセットを体験できる
    4-2.透明性が高い
    4-3.カーボンオフセットをより身近に感じられる
  5. ロードマップ
  6. まとめ

23年1月30日、「WEB3.0×FOREST」をコンセプトとして事業展開を行っているインキュベーションカンパニー、JE FOREST株式会社が新しいNFTプロジェクト「MORI(モリ)」をローンチしました。

MORIは、個人がNFTを通じて森林整備活動をサポートしつつカーボンオフセットに貢献することができるプロジェクトです。今回は、そんな新たなNFTプロジェクト「MORI」について、サービスの概要やその仕組み、特徴やロードマップなどを詳しく解説していきます。

①MORI(モリ)とは

1-1.MORI(モリ)の概要

MORI
「MORI(モリ)」とは、23年1月30日にスタートした森林の二酸化炭素吸収量向上を目指す新たなNFTプロジェクトのことを指します。

MORIでは、「WEB3.0×FOREST」をコンセプトとしてさまざまな事業を展開するインキュベーションカンパニー、JE FOREST株式会社がNFTの発行を担当し、スタートアップ投資やNFTプロジェクトのリリース・運営経験のあるYo氏、「ReFi(Regenerative Finance)」分野での事業プロデューサーとして活動するJun氏などのチームメンバーがその運営を担当しています。

MORIは楽しみながら森林の環境価値をさらに高める取り組みを提案し、その仕組みを通じてサスティナブルな社会の原動力となることを目指しています。具体的には現実の森の二酸化炭素吸収量の増加に連動して独自のNFTが自動でドロップされる仕組みを提供しています。

このように、MORIではブロックチェーン・テクノロジーを駆使することで新たなかたちでの環境保護を推進しており、世界中で環境問題が議論されている今、大きな注目を集めています。

1-2.MORI(モリ)リリースの背景

近年、人間の社会活動や経済活動によって二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量が急激に増加しており、その結果地球の表面温度がますます上昇しています。地球温暖化による気候の変動は、サスティナブルな社会における大きな阻害要因の一つとして広く認知されており、世界ではさまざまな対策が講じられています。

日本は国土面積の66%以上が森林に覆われる森林大国となっており、先進国(OECD諸国)の中では世界第二位の森林面積を誇っています。これらの大量の樹木は着実に二酸化炭素を吸収していますが、一方で森林の二酸化炭素吸収機能は樹齢の増加に伴って変化し、特に成長の終わった樹木は光合成をする必要が殆どないため、二酸化炭素の吸収効率が悪くなることが知られています。このような状況から、再生可能エネルギーの利用や省エネ活動といった二酸化炭素の削減対策だけでなく、森の特性を活用した二酸化炭素を吸収・除去する取り組みをさらに拡大させていこうという動きが活発化しています。

これらを踏まえ、MORIでは「WEB3.0」の概念を活用し、「二酸化炭素吸収価値を高める整備事業に取り組む森」と「森の二酸化炭素吸収価値」をNFTとしてブロックチェーン上に反映することによって、NFTの購入や所有を通して、誰もが現実の森の二酸化炭素吸収量を維持および向上する森林整備プロジェクトをサポートできる仕組みを構築しているということです。

②NFTの発行元であるJE FOREST株式会社

2-1.JE FOREST株式会社の概要

JE FORES
MORIのNFT発行元であるJE FOREST株式会社は、森林整備事業に関するプロジェクトのアレンジャーとして、林業に関連する各種事業開発やマネジメントを手がけるインキュベーションカンパニーとなっています。

JE FORESTでは、WEB3.0の概念とブロックチェーンをはじめとするさまざまな技術を駆使することで、森林および周辺ビジネスの二酸化炭素吸収量の可視化やトレーザビリティの確保を実現し、NFTなどを媒介とすることによってより多くのステークホルダーがアクセス可能な流動性を確保する取り組みを推進しています。

地理的な制約などから閉鎖的なマーケットになりやすいと言われる森林・林業ビジネス。そうしたビジネスに対して、WEB3.0のテクノロジーを活用して「より多様な人々が森林・林業に関連するさまざまなビジネスや環境資源としての価値にアクセス可能に」し、その「経済的価値・環境的価値を参加者に還元し続ける仕組みを構築していきたい」と語っています。

2-2.JE FOREST株式会社の事業内容

JE FOREST株式会社が手がける主な事業内容は、下記の通りです。

  • スマート林業
    森林整備に関連するプロジェクトの開発や運営といったアレンジャー業務を行っている。
  • WEB3.0 インキュベーション事業
    WEB3.0の考え方とブロックチェーン・テクノロジーによって森林の持つ環境価値の可視化やトレーサビリティ確保を実現する取り組みを行っている。
  • GHG排出量削減・環境コンサルティング
    森林の二酸化炭素吸収系プロジェクトを中心として、「GHG(温室効果ガス)」の削減に寄与するプライマリークレジット開発やセカンダリークレジット取引など、脱炭素経営に向けた総合的なサポートとコンサルティングを提供している。

③MORI(モリ)の仕組み

3-1.MORIの購入(ミント)

MORI
MORIとは、森林の適切な管理(施業)を行うことにより二酸化炭素吸収量の増加が見込まれると認証された森林整備プロジェクトに対して発行されるNFTのことを指します。

具体的には、1つの森林整備プロジェクトに対して1シリーズのMORIが設定される仕組みで、世界各国の個人や法人がイーサリアムブロックチェーン上において取得(ミント)および取引することができるようになっています。ミントサイトにおいて販売されたNFTの購入代金はNFTに紐づく固有の森林整備事業者に寄付される仕組みとなっており、MORIプロジェクトの活動資金の一部としても活用されるということです。

なお、MORIは今後ミントサイトのほかにも、世界最大規模のNFTマーケットプレイスとして知られている「OpenSea(オープンシー)」において、発行企業が運営する「Collectionページ」からETHを利用して購入できるようになると発表されています。

3-2.iGreenのドロップ

iGreen
「iGreen」とは、およそ1kgの二酸化炭素吸収量につき1つドロップされるMORIプロジェクト独自のNFTのことを指します。

具体的には、MORIに紐づく現実の森林整備事業によって生じる二酸化炭素吸収量が計測され、その吸収量に応じてiGreenが自動的にドロップされる仕組みとなっています。つまり、iGreenはMORIの購入を通してサポートした森林整備プロジェクトから生み出された環境価値を、ブロックチェーン上で証明することのできる固有のNFTであるというわけです。

3-3.iGreenのバーン

MORI 2
iGreenは、MORIの公式サイトにデジタルウォレットである「メタマスク(MetaMask)」を接続することによって、いつでも誰でもバーンすることが可能です。二酸化炭素の排出量を極力抑えたい法人や個人であっても、本業や日々の生活において努力をしても削減しきれない二酸化炭素排出が一定量存在しますが、この埋め合わせとして、iGreenをバーンすることによって「カーボンオフセット」を実施できるというわけです。また、バーンされたiGreenは二度と利用されることはありません。

このほか、iGreenは「OpenSea(オープンシー)」をはじめとするNFTマーケットプレイスを介して二次流通を行うことが可能です。

MetaMaskのウォレット作成方法、OpenSeaへの連携方法について解説【NFTマーケットプレイス導入準備】

つまり、MORI自体は保有しないものの、iGreenによって二酸化炭素排出量をオフセットしたいと考える法人や個人は、二次流通によってiGreenを取得し、これをバーンすることによってオフセットすることも可能となっています。

このように、バーンを目的として二次流通市場でiGreenの取引が行われることで、MORIのホルダーは森林整備プロジェクトのサポートのみならず、MORIを取得および保有する経済的なインセンティブを獲得することもできるため、環境貢献と経済的インセンティブが両立する世界を構築することができると期待されています。

なお、iGreenの取引およびバーンについては、あくまでオフセットの仕組みの体験を提供するものであって、iGreen自体は何らその財産的価値を保証するものでも裏付けるものでもないと説明されています。また、iGreenはMORIの保有者に対して森林整備プロジェクトへの共感の返礼を表すデジタルアイテムであり、森林整備プロジェクトにおける収益分配といった性質を有するものではないということです。

④「MORI(モリ)」の特徴

4-1.誰もが気軽にカーボンオフセットを体験できる

カーボンオフセットの仕組みは、国際連合が主導する「CDM(クリーン開発メカニズム)」や日本国の経済産業省が主導する「Jクレジット制度」などによって構築されています。

これらは、公的な認証制度として厳格に認証手続き、モニタリング手続きが行われる一方で、プロジェクトの登録までの手続きが比較的複雑で時間を要するほか、モニタリングの負担が大きいといった課題が問題視されています。もしも厳密な審査や測定が行われることなく発行された環境価値が取引などに乱用された場合、環境への負の作用が働くことから、厳格な審査やモニタリングはどうしても必要不可欠なものとなっています。

しかし、このような厳格な仕組みが採られていることから、環境貢献の取り組みをサポートしたい、カーボンオフセットの仕組みを利用したいと考えている多くの法人や個人にとっては、参入ハードルがかなり高いこともまた事実です。

そんな中、MORIはエンターテイメント感覚で参加できるNFTの特性を最大限に活かし、誰もが気軽にアクセスすることができるカーボンオフセットの仕組みを構築しており、この仕組みを通して、多くのステークホルダーが気軽に森林の持つ二酸化炭素吸収価値を高めるプロジェクトをサポートできる世界を実現しています。

また、MORIを通してカーボンオフセット体験が可能なコミュニティへのアクセス方法を提供することで、結果的に社会全体における環境意識の向上が図れるのではと期待しているということです。

4-2.透明性が高い

前述の通り、MORIはブロックチェーン・テクノロジーを駆使したNFTの仕組みを活用することで、トランザクションやマーケットプレイスにおける全ての取引をブロックチェーン上に記録しており、さらには誰もがその記録を確認することができるため、より透明性の高い環境で流通を図ることが可能となっています。

4-3.カーボンオフセットをより身近に感じられる

これまで、カーボンクレジットやカーボンオフセットといった仕組みは、公的機関が管理することで制度としての健全性やガバナンスを維持していましたが、その一方で、国家や政府、または一部の大企業が行っている取り組みの一つであるという一種の距離感が存在していました。

そんな中、MORIはNFTというエンターテイメント性やゲーム性、話題性を提供しやすい仕組みを活用することによって、大企業だけでなく、個人にとってもより身近に感じられる体験を提供しています。

4-3.将来のビジョンが公開されている

MORIプロジェクトでは、下記のような取り組みを通して、中長期的にMORIを保有するインセンティブを向上させていく予定だということです。

  • MORIを保有する法人や個人同士がコミュニティを形成するプラットフォームサービスを提供し、法人に対してはMORIを起点としたファンマーケティングやリクルーティングを、個人に対しては製品選好基準、イベントやギグワークなどへの優遇参加に活用できる仕組みを構築する。
  • メタバースプラットフォームと提携し、メタバース上における森林タイプのLANDアイテムとしてMORIを活用するほか、メタバース上をグリーンに彩る森林タイプのLANDと企業イメージをリンクさせることで、メタバースを楽しむ多くのプレイヤーに対するブランディングが可能となる仕組みを構築する。

⑤ロードマップ

2023年第1四半期~第2四半期

  • MORI(β版)のローンチ
  • 初回MORIのセール開始

2023年第3四半期~第4四半期

  • MORIのシリーズ拡充
  • iGreenの発行・流通量の拡大
  • MORIを分散化管理システムへ移行
  • 自治体などと連携し、MORIを返礼品としたふるさと納税の仕組みを構築するなど、流通および認知度の向上に貢献する取り組みを加速

2024年第1四半期~第2四半期

  • ガバナンストークンの発行
  • MORIの分散化管理システムの拡充およびDAOへの管理移行
  • 独自マーケットプレイスの構築
  • メタバースプラットフォームとの連携

2024年第3四半期~

  • MORIを中心とするファンコミニュティプラットフォームサービス開始
  • 省庁との協同により国際的な環境・CO2排出削減に係るエコシステム構築

⑥まとめ

「MORI(モリ)」は国家や政府、または一部の大企業だけでなく、一個人としてもカーボンオフセットに関わることのできる新しいNFTプロジェクトとして注目を集めています。

具体的には、ブロックチェーン・テクノロジーを駆使することによって、これまで複雑で分かりにくいとされてきたカーボンクレジットやカーボンオフセットの仕組みをエンターテイメント性やゲーム性、話題性を提供しやすいNFTの仕組みへと落とし込んでおり、新たなかたちでの環境保護活動を推進しています。

MORIの公式ウェブサイトではプロジェクトに関する詳しい内容がホワイトペーパーとして公開されているほか、詳しいロードマップも確認することができるため、興味のある方は2023年第1四半期~第2四半期に予定されているMORIの初回セールに参加する準備を進めておくことをおすすめします。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12