専任媒介契約で家が売れない原因は?不動産売却が長期化した時の対策5つ

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家を売りたい方の中には、「家を売りに出しているけれど、なかなか申し込みが入らない」「不動産業者と専任媒介契約を結んでいるけど、本当に良かったのか」というような疑問や不安を持っている方も少なくないのではないでしょうか。

専任媒介契約は、一社の不動産業者とのみ契約を結べる媒介契約です。そのため家が売れないのは「不動産業者の腕が良くないからだ」と思ってしまう場合もあるでしょう。

しかし、家が売れない原因は不動産業者にあるとも限らず、状況を判断しながら適切な対策を講じていくことが重要です。

この記事では、売却活動中の家に問い合わせや申し込みがなかなか入らないときに確認すべきポイントと対策を解説します。

目次

  1. 依頼した不動産会社で囲い込みにあっていないか確認する
    1-1.レインズの登録証明書を必ず受け取る
    1-2.レインズの取引情報管理を確認する
  2. 不動産会社が行っている広告方法を確認する
    2-1.家の写真の内容や枚数を確認する
    2-2.部屋の図面を確認する
  3. 家の売り出し価格を再検討する
    3-1.家の売出価格が周辺相場より1割以上高いと売れないことも
    3-2.家の査定価格が極端に高い業者は要注意
  4. 過去の内覧対応を振り返る
    4-1.内覧前のハウスクリーニングと換気対応
    4-2.部屋を広く見せるために不要なものは処分する
    4-3.不必要な家のリフォームをしない
  5. 対策を講じても家の売却が長期化してしまう場合
    5-1.6ヶ月経過しても家が売れなければ不動産業者の変更を検討
    5-2.一般媒介契約への変更を検討する
  6. まとめ

1.依頼した不動産会社で囲い込みにあっていないか確認する

囲い込みとは、不動産業者が販売委託されている物件について、故意的に自社だけで独占的に契約を取りまとめようとする行為のことです。買主と売主との双方から仲介手数料を得るため、囲い込みをしようとする不動産業者もいます。

専任媒介契約を結んだ場合は、レインズという不動産業者専用の物件情報ネットワークに売却物件の情報を登録します。レインズはユーザー登録している不動産業者であれば閲覧可能なデータベースです。

売却物件が買主の希望にあっている場合、レインズ買主側の不動産業者から問い合わせが入ります。しかし、売主側の業者が囲い込みをしようとしている場合、買主側の問い合わせに応じないこともあります。

専任媒介契約をした不動産会社でなかなか売却が進まない場合は、この囲い込みにあっていないか確認しましょう。

1-1.レインズの登録証明書を必ず受け取る

不動産業者の中には、囲い込みをするために物件情報をレインズに登録しないことがあります。

通常、物件情報がレインズに登録されると、レインズから登録証明書が発行されます。情報未登録の状態を防止するためには、専任媒介契約を締結した後にこの登録証明書を受け取っておくことが重要です。

不動産業者側から証明書の提供がなければ、売主側から不動産業者に問い合わせましょう。なお、物件情報をレインズに登録することは、専任媒介契約では不動産業者の義務と規定されています。

専任媒介契約をした不動産会社がレインズ登録を怠ることは契約違反となります。対応が悪質な場合は不動産業者の変更も検討しましょう。

1-2.レインズの取引情報管理を確認する

レインズは不動産業者専用の物件情報ネットワークで、登録した不動産業者しか情報を閲覧できません。しかし、専任媒介契約を締結した物件の売主は自分が売却に出している物件に限り情報を閲覧することが可能です。(レインズ「売却依頼主向けログイン」)

登録証明書にはID・パスワードが記載されているので、そのログイン情報を使えば、レインズの取引情報管理を確認可能です。取引情報管理には、買主候補者からの申し込み有無など、売却活動の進捗に関する情報が入っています。

長期間申し込みなどがなければ囲い込みにあっている可能性もあります。どのように売却活動が進んでいるのか、依頼した不動産業者に確認をしましょう。

2.不動産会社が行っている広告方法を確認する

家を売る上では、広告活動の内容はとても重要です。買主からの問い合わせはインターネットやチラシに掲載されている情報を見てから入ってくるためです。

広告の内容ややり方が適切でないと買主の目に留まりづらく、売却がなかなか進みません。不動産会社が行っている広告の手段についても確認しておきましょう。

2-1.家の写真の内容や枚数を確認する

家の売却に関する広告は、写真がとても重要な鍵を握っています。写真は家の第一印象を決めるとても重要な要素です。通常、買主候補者も買主側の不動産業者もインターネットや広告などを見て物件を探します。

インターネットや広告に写真が掲載されていない、または写真の数が少ないと、良い家なのかどうかの判断が難しくなります。また、写真が掲載されていても、写真が暗かったり、ぼやけた不明瞭な写真だとアピールにつながらず、問い合わせは入りにくくなると考えられます。

売却活動がなかなか進まなければ、写真を増やす・撮り直すなども改善に向けた有効な手段です。

2-2.部屋の図面を確認する

写真と併せて重要になるのが、家の図面です。家の図面がないと、具体的な間取りなどがわからず、これも買主にとってイメージがつきにくくなってしまいます。

レインズに物件情報を登録する際に「マイソク」という物件のチラシを作ることがあります。マイソクには、物件の間取り図など図面や、アピールポイントなどが記載されます。

最低限、文字などが読み取れるきれいな図面になっているか、家の良さをアピールできる内容が記載されているかなど、確認すると良いでしょう。

3.家の売り出し価格を再検討する

家を売りに出しても問い合わせが入らない原因として、売り出し価格がネックとなっていることがあります。周辺相場と比較して売り出し価格が高すぎると、問い合わせが入らないこともあります。

安易に値下げする必要はありませんが、申し込みが入らない期間が3ヶ月以上の長期に渡るのであれば、再度周辺相場を確認のうえ、価格を再検討することも必要です。

3-1.家の売出価格が周辺相場より1割以上高いと売れないことも

不動産の売買にあたって、買主からの値下げ交渉が入ることがあります。

このような値下げ交渉の可能性を考慮し、売主は値下げ交渉を織り込んだ価格を設定しておきましょう。より高く不動産を売却するために有効な方法となります。

しかし、値下げ幅は、最大でも物件価格の1割程度となるのが通常です。したがって、売り出し価格が相場よりも1割以上高いと、割高な物件と思われて避けられてしまう可能性が高くなります。

高すぎる売出価格を設定するのではなく、周辺の不動産相場を調べ、適切な価格設定をすることが大切です。

3-2.家の査定価格が極端に高い業者は要注意

不動産の査定価格は業者によって異なりますが、なかには相場と比較して高すぎる査定額を出してくる不動産業者が出てくることがあります。

高く売れるならその方が良いと思ってしまいますが、前項で解説した通り、売り出し価格が高すぎると売却活動が難航してしまう可能性があります。査定額だけではなく、なぜ高い査定額となったかの根拠も確認するようにしましょう。

4.過去の内覧対応を振り返る

買主候補者が家に興味を持った場合、実際に家を見る内覧を申し込まれることがあります。家を売る上では、この内覧対応もとても重要です。内覧対応の良し悪しは、家の印象を大きく左右します。

4-1.内覧前のハウスクリーニングと換気対応

毎日自分が生活している家だと意識が希薄になりがちですが、買主側からすると家は購入を検討している商品として見られています。つまり、内覧時に家が汚いと、買主候補者の印象を損ねて購入の意思がなくなってしまったり、汚れを理由に価格交渉をされることにもつながります。

そのため、内覧の前に家をきれいにしておくことはとても重要です。

特に水まわりやバルコニーなどは印象を左右するポイントになります。自分できれいにできなければ、業者のハウスクリーニングを使うことも検討しましょう。

また見た目だけはなく、家の臭いも買主の印象を左右しています。内覧当日は朝から換気しておくなど、対策を取っておきましょう。

4-2.部屋を広く見せるために不要なものは処分する

内覧に対応するときには、できる限り家を広く見せて開放感をアピールすることも重要です。このため、家の中に使っていない不要なものが置いてあるのならば処分しておきましょう。

ただし、買主候補者に実際の生活をイメージしてもらうこともまた大切です。引っ越した後でないのならば、家具などの配置にも気を付けて家の中を整理しておきましょう。

4-3.不必要な家のリフォームをしない

家を売却するにあたって、売却前の不必要なリフォームは避けましょう。

理由は下記の2点です。

  • リフォーム費用を売却価格に上乗せすると、売却価格が相場よりも高くなる可能性がある
  • できる限り安く家を買って、自分でリフォームしたいと思っている買主が比較的多い

リフォーム費用を売却価格に転嫁した結果、相場よりも高すぎる価格になってしまうと、売却の難易度が上がってしまいます。

また、古い中古物件の購入希望者は、売主がリフォームしたものではなく、自分の好みや条件にあったリフォームを加えたいと考えていることがあります。

売却前に大幅なリフォームしてしまうと、買主候補者の数を絞ってしまうことにつながります。できる限り候補者を多くするためにも大きなリフォームはせず、クリーニングや傷んだ箇所の修繕にとどめましょう。

5.対策を講じても家の売却が長期化してしまう場合

ここまで解説してきたような対策を講じても問い合わせが入らないのであれば、不動産業者を変更することも検討しましょう。

5-1.6ヶ月経過しても家が売れなければ不動産業者の変更を検討

不動産の売却が完了するでは3ヶ月〜6ヶ月程度の期間を見ておきましょう。不動産を引き渡すまでには、不動産会社の売却活動や、契約書の作成、買主側の交渉や資金調達、司法書士による不動産登記など、様々な手続きが発生するためです。

しかし、購入希望者から買付や問い合わせが入らない状況が6ヶ月以上も続き、媒介契約の契約期間(最長で3ヶ月)を超えてしまうのであれば、不動産会社の変更を検討してみましょう。

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5-2.一般媒介契約への変更を検討する

不動産の媒介契約は3種類あります。専属専任媒介契約や専任媒介契約を結ぶと、売主は別の不動産業者と媒介契約を締結することができなくなります。

このため、長期間売れない時期が続くのであれば、複数の業者と契約を結べて、競わせることができる一般媒介契約に変更することも考えましょう。

ただし、一般媒介契約は他社に案件を取られてしまう可能性があるため、不動産会社の売却活動が消極的になる可能性があります。販売力が高く、信頼できる不動産会社が見つかったのであれば、専任媒介契約を締結しなおすことも検討しておきましょう。

まとめ

専任媒介契約を結んでいるのに家がなかなか売れないとき、有効な対策は以下の通りです。

  • 不動産業者の囲い込みにあっていないか確認する
  • 広告活動の内容を確認する
  • 売り出し価格を確認する
  • 内覧時の対応を見直す
  • 不動産業者の変更を検討する

家を売りに出してから売れるまでには3ヶ月〜6ヶ月程度の時間がかかります。売却が長期化し、なかなか問い合わせや申し込みが入らないのであれば、まずはその原因を分析して対策を立てましょう。

専任媒介契約を結ぶと、不動産業者には売却活動の内容を定期的に報告する義務が課されます。不動産会社から報告がなかったり、報告内容について疑問が生じたのであれば、依頼する不動産会社の変更や一般媒介契約への契約変更も検討しておきましょう。

不動産売却では、売主と不動産会社が協力し合うことが大切です。不動産会社とのコミュニケーションを欠かさずに、売却に向けた対策を検討していきましょう。

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