ワンルームマンションとアパートとは、それぞれ得意分野とする不動産会社も多く、どちらに投資するのが良いのか迷う人もいるのではないでしょうか。
ワンルームマンションとアパートとは、それぞれ異なる特徴を持っています。物件選びにおいては投資目的や優先事項の明確化に加え、物件の特徴把握が重要です。
この記事では、ワンルームマンション投資およびアパート経営について、それぞれのメリットやリスクについて解説します。
目次
- ワンルームマンション投資のメリット・デメリット、リスク
1-1.ワンルームマンション投資のメリット
1-2.ワンルームマンション投資のデメリット、リスク - アパート経営のメリット・デメリット、リスク
2-1.アパート経営のメリット
2-2.アパート経営のデメリット、リスク - まとめ
1.ワンルームマンション投資のメリット・デメリット、リスク
ワンルームマンション投資は物件を買いやすく売りやすいメリットを持つ一方で、空室リスクや収益の確保には注意を要します。それぞれ詳しく見て行きましょう。
1-1.ワンルームマンション投資のメリット
ワンルームマンション投資のメリットとして、下記2点を取り上げています。
- 単身者向けのため、物件価格が安い
- 物件を売却しやすい
単身者向けのため、物件価格が安い
ワンルームマンション投資が持つ大きなメリットは、アパート経営よりも物件価格が安いため、投資の初心者でもエントリーしやすい点です。2021年時点では、東京23区など都心でも新築で2,000万円〜3,000万円程度の物件が多くなっています。地方都市においては1,000万円台の物件も少なくありません。
一方でアパート経営の場合は、立地や規模によって違うものの、物件価格は数千万円〜1億円程度です。アパート経営と比較すると、ワンルームマンション投資は自己資金を豊富に用意できない投資の初心者に適しています。
物件価格が安いワンルームマンションは、ローンを利用するとしても利用額が少なくなるため、アパートと比較するとローン審査を通過しやすい点も初心者向けのメリットです。
物件を売却しやすい
アパートと比較すると新築時の物件価格がさほど高くないワンルームマンションは、流動性が高く売却しやすい特徴も持っています。
ワンルームマンションの入居者はサラリーマンの単身者などが中心です。駅から近いなど立地条件が良いワンルームマンションは空室リスクが低いため、長期的に収益が期待できます。
不動産投資において入居率の高い物件は人気が高いため、立地の良いワンルームマンションは、アパートなどと比較すると売却しやすい強みを持っています。
1-2.ワンルームマンション投資のデメリット、リスク
一方、ワンルームマンション投資のデメリットとして下記2点を取り上げています。
- 収益性が低くキャッシュフローが上がりにくい
- 保有住戸数が少ない場合は空室リスクに要注意
収益性が低くキャッシュフローが上がりにくい
ワンルームマンション投資ではキャッシュフローが上がりにくい点に要注意です。キャッシュフローとは資金の流れのことで、不動産投資では、得られる収入から支出を引いて手元に残る資金(もしくは流出する資金)がいくらなのかを見ることになります。
間取り別で比較すると、面積の狭いワンルームマンションの家賃は最も低い部類に入ります。しかし、ワンルームマンションは、立地が良い分だけ固定資産税などの経費が上がってしまうこともあります。
収入が少ない一方で経費が高くなるため、ワンルームマンション投資を検討する際は、事前の収支シミュレーションを入念にすることが重要です。特に新築ワンルームマンションの場合は、ローンを利用すると分譲当時からキャッシュフローが赤字という物件も少なくありません。
保有住戸数が少ない場合は空室リスクに要注意
ワンルームマンションに投資する場合、1部屋しか所有していないのであれば空室リスクに要注意です。
アパート経営の場合は、複数の住戸をまとめて保有することになるので、1部屋空室が発生したとしても、他の住戸の運用収入でカバーできます。
しかし、ワンルームマンションを1部屋しか保有していない場合は、空室が発生した際に他の住戸の収入でカバーするといったことができなくなります。
例えば、学生向けマンション投資などでは、大学の移転など周辺環境の変化によって赤字を補填できなくなる失敗例があります。
ワンルームマンション投資で空室期間が発生すると、ローン返済に行き詰まる可能性もあります。ワンルームマンション投資を進める場合は、可能な限り空室期間を短くするため、立地の選定には特に要注意です。
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2.アパート経営のメリット・デメリット、リスク
アパート経営はワンルームマンション投資とは反対の特徴を持っています。買いづらく売りにくい一方で、空室リスクに強く収益を確保しやすいことが特徴的です。
2-1.アパート経営のメリット
アパート経営のメリットとして、下記2点を取り上げています。
- 投資規模が大きく、収益性が高い
- 空室リスクが小さい
投資規模が大きく、収益性が高い
アパート経営が持つ最大のメリットは、複数の住戸を同時に運用できる特徴から、毎月のキャッシュフローを増やせることです。例えば1棟アパートを購入できれば、複数のワンルームマンションを同時に運用しているのと同じような状況を作れます。
また、キャッシュフローに余裕があれば、不動産投資で貯まった収益を2次運用でさらに増やせます。総じてアパート経営は投資規模や収益の拡大に適しています。
空室リスクが低い
アパート経営は複数の住戸を同時並行で運用できるため、1部屋空室が発生しても、他の部屋の家賃収入で穴埋め可能です。空室リスクに備えられる点は、アパート経営の大きなメリットと言えます。
空室の長期化からローン返済に行き詰まる失敗は多いものです。しかし、アパートを運用している状況下では、ワンルームマンション1部屋のみの投資よりも空室リスクの対策が可能となります。
なお、アパートは高さ制限のある住宅街に建てられることが多く、都市部に存在しているワンルームマンションと比較して立地条件に差があります。
このような背景からアパート経営では、1部屋が広い物件を選んだり家賃を周辺相場よりも少し安くしたりなど、周辺物件との競争力を保つ対策が重要になります。
2-2.アパート経営のデメリット、リスク
次にアパート経営のデメリットについても見て行きましょう。ここでは以下の2点を取り上げています。
- 必要な自己資金が多い
- 築年数や構造によっては売却しづらい
必要な自己資金が多い
アパート経営が持つデメリットとしては、物件価格の高さから要求される自己資金が多くなる点が挙げられます。
2021年時点、アパートローンを利用する場合でも、物件価格の1割〜3割程度は自己資金の投下を求められることも多いものです。仮に1億円の物件・1割の自己資金であれば、1,000万円の自己資金が必要になります。
また、アパート経営では木造物件も多いため、ローンの返済期間が短くなってしまう点にも要注意です。アパートローンの返済期間は法定耐用年数を基準としている金融機関が多く、この場合、木造アパートの投資では返済期間を22年に設定されることになります。
返済期間が短くなると、毎月の返済額が多くなるため、ローン返済が物件運用の収益を圧迫します。木造アパートに投資する場合は、キャッシュフローのシミュレーションに要注意です。
築年数や構造によっては売却しづらい
築古の木造アパートに投資する場合は特に、物件運用後に売却しづらい点を考慮しておく必要があります。
木造アパートはローンの返済期間が短くなるため、法定耐用年数の築22年を経過した物件では、不動産投資ローンの審査がさらに厳しくなります。収益が低い、またはローンを利用できない物件は買い手がつきにくく、価格を下げないと売却できないこともあるので要注意です。
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まとめ
ワンルームマンション投資とアパート経営とでは、強みと弱みが相反している点が特徴的です。どちらの方が適しているかは、投資目的や軽減したいリスクによって異なります。物件を選ぶ際には、優先順位や軽減したい事項を明確にすることが重要です。
なお、築古の木造アパートは物件価格が安く高利回りの物件も多い一方で、賃貸運用や物件売却の難易度は高いため要注意です。利回りだけに着目して物件を選ぶのではなく、リスクとリターンのバランスを取った物件の選定をしていきましょう。
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