AI不動産査定のメリット・デメリットは?利用時の注意点も

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不動産売却を考えている方の中には、「不動産の査定を受けたいけれど不動産会社から営業を受けたくない」「本格的な売却は考えていないけれど、とりあえず目安の査定額だけを知りたい」という悩みを抱える方も少なくありません。

こういったケースでは、AI不動産査定の利用を検討することができます。しかし、AI不動産査定は本当に不動産の売却に使えるのか、他の不動産査定方法と比較してどんなメリットがあるのか、わからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、AI不動産査定を利用するメリット・デメリットや、利用上の注意点などについて解説します。AI不動産査定の利用を検討していた方はご参考下さい。

目次

  1. AI不動産査定を利用するメリット
    1-1.不動産査定の結果がすぐに出る
    1-2.利用者の匿名性が高い
    1-3.不動産会社から営業されない
  2. AI不動産査定のデメリット
    2-1.不動産査定額の精度が低い
    2-2.エリアと物件種別によっては使いにくい
  3. AI不動産査定を利用する時の注意点
    3-1.正確な査定額を知るためには別の査定と併用する
    3-2.直接的な不動産会社の比較はできない
  4. まとめ

1.AI不動産査定を利用するメリット

AI不動産査定を利用するメリットとして、査定額を確認できるまでのスピードと、不動産会社に個人情報を出さなくても良い匿名性、という2点が挙げられます。それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.不動産査定の結果がすぐに出る

AI不動産査定を利用する最大のメリットは、査定結果が出るまでに時間がほとんどかからないことです。

不動産査定を受けるためには、AI不動産査定の他にもインターネット上で申し込みが可能な「不動産一括査定サービス」の利用や「訪問査定」といった方法があります。

ネット申し込みが可能な不動産一括査定は、査定申込から結果が出るまでに1日前後かかります。また、訪問査定の場合は、不動産業者の訪問日時を調整する必要もあるため、結果が出るまでに1週間前後の期間を要します。

その一方で、AI不動産査定の場合は、不動産の情報などを入力したその場で査定結果が出るため、気軽に手早く査定額を知りたい場合にはAI不動産査定が便利に活用できます。

なお、1度入力した不動産の情報を保存しておけば、査定額が変わったときにアプリから通知が来る設定も可能です。

1-2.利用者の匿名性が高い

AI不動産査定を利用する2つ目のメリットは、個人情報をほとんど入力する必要がないことです。個人情報としてはアカウント作成のためにメールアドレスだけ入力すれば良いため、売却検討段階でもAI不動産査定が役立ちます。

その一方で、査定の正確性を上げるためには、物件の基礎的な情報を詳細に入力することが重要です。AI不動産査定に必要となる主な情報は以下の通りです。

  • 物件の所在地
  • 物件種別
  • 敷地面積や延床面積
  • 建物の構造
  • 建物の建築年

AI不動産査定は周辺の取引事例を参考に査定する仕組みになっています。このため、特に物件の所在地や物件種別などを正確に入力することが重要です。

1-3.不動産会社から営業されない

AI不動産査定の利用にあたっては、個人情報が流出するリスクも低いと言えます。また、電話番号が不要なので、不動産会社からの営業電話がかかってくることもありません。

AI不動産査定では、営業マンの確認連絡に対する対応や営業電話を断るストレスなどもなく、電話応対やメールの返信などの手間がかかりません。

不動産の査定額を知りたいときに自分のペースで査定を受けられるのが、AI不動産査定の大きなメリットです。

2.AI不動産査定のデメリット

AI不動産査定のデメリットは、他の査定方法と比較すると正確性に劣る点と、エリアや物件種別を選ぶ点にあります。

2-1.不動産査定額の精度が低い

AI不動産査定を利用するデメリットは、査定額の精度があまり高くないことです。

不動産取引のデータベースで最大の規模を持つのは、レインズという不動産業者専用のwebサイトです。しかし、レインズは公益財団法人が運営するポータルサイトであり、会員である宅建業者しかアクセスすることができないため、不動産会社が開発したアプリケーションなどには連携されていません。

AI不動産査定に蓄積されている不動産取引のデータは、開発元の不動産会社が持つデータであることも多く、必ずしも参照情報量が十分とは言えない側面もあります。

その一方で、不動産一括査定サービスの机上査定や訪問査定の場合に参照されるのは、レインズに登録されている成約価格です。

不動産の査定で最も参考となるのは成約価格であることから、査定額の正確性に関しては、不動産一括査定や訪問査定の方が高いと言えます。

2-2.エリアと物件種別によっては使いにくい

AI不動産査定の査定額には過去の取引事例が最も影響します。このため、不動産の取引事例が少ないエリアでは、査定の正確性が下がる点はデメリットです。人口の少ない地方都市では特に、AI不動産査定は使いにくいと言えます。

そのほか、戸建住宅はマンションよりも個別性が高いので、AIによる査定の正確性が下がります。

マンションは設備の規格や構造が統一されている部分も多いため、事例ごとの違いがそれほど多くありません。しかし、戸建住宅の場合は、建売住宅や注文住宅など不動産業者による販売方法も様々です。

また、戸建住宅では、敷地が道路に接している方角や日照時間の長短による印象など、価格に関わる要素もマンションより多くなります。参照するデータベースの細かさには限界があるため、戸建住宅の個別性まではAI不動産査定に反映するのが難しい側面があります。

AI不動産査定は、どちらかというと都心部のマンションに親和性が高く、地方都市の戸建住宅には使いにくい点に要注意です。

3.AI不動産査定を利用する時の注意点

AI不動産査定はメリットとデメリットとが明確なので、特性を最大限に活かすためには、使い方の工夫が必要になります。

3-1.正確な査定額を知るためには別の査定と併用する

戸建住宅の査定をしたい時には、AI不動産査定の査定額は参考程度に捉えておく必要があります。このため、正確な査定額を把握するためには、AI不動産査定は訪問査定などと併用して利用するのが適切です。

不動産一括査定の場合は3~5社など複数の不動産会社から査定を受けることになるため、実際の不動産売却手続きへ進むためには、不動産会社の絞り込みが必要です。不動産会社の比較にあたっては、査定額も参考要素になります。

各社から受け取った査定額にAI不動産査定の金額も加えて比較することで、査定額の妥当性を検証しやすくなります。このように、本腰を入れて不動産売却を検討している場合は、AI不動産査定は補助的に利用すると良いでしょう。

3-2.直接的な不動産会社の比較はできない

不動産一括査定や訪問査定では、不動産会社から査定結果を受け取るため、査定価格や査定の根拠、担当者の対応力など、複数の不動産会社を比較できます。

しかし、AI不動産査定では不動産会社との接点がなく、直接的な不動産会社の比較はできません。

例えば、不動産売却の手順で質問したいことがある場合や不動産会社と接点を持ちたい場合は、不動産一括査定や訪問査定を利用するのが適切と言えます。AI不動産査定を不動産会社の比較に役立てるためには、不動産一括査定や訪問査定と組み合わせることを検討してみると良いでしょう。

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まとめ

AI不動産査定は手間の面でも精神的に手軽に利用できる点が最大の特徴です。スマホの画面で査定が完結するほか、不動産会社から営業を受ける煩わしさもありません。

その一方で、査定額の精度が高くないことから、実際に不動産の売却を検討するのであれば、AI不動産査定は補助的な使い方をすることを検討してみましょう。不動産を査定する目的に合わせて、AI不動産査定を効果的に利用することが大切です。

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