インドネシアで不動産投資を始めるための10ステップ

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中央の青いビル内にSAMI(シノケン・アセットマネジメント・インドネシア)のオフィスがある

毎年3%を超えるインフレ率により不動産価格の上昇が見込めるインドネシアは、世界の投資家から今注目されています。しかし土地所有権はインドネシア国民に限られるなど海外投資家にとって不動産投資参入の障壁が高いことでも知られています。

そこで今回はインドネシアで不動産投資を始めるため方法・手順をご紹介していきます。首都ジャカルタや人気リゾートのバリ島で物件購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. インドネシアの最新不動産状況を知る
    1-1.外国人に対する土地購入規制に注意
    1-2.インドネシアで土地付き物件を購入するには?
  2. 投資戦略を立てる
  3. 2-1.キャピタルゲインよりインカムゲインが狙いやすい
    2-2.バリ島のヴィラがおすすめ

  4. インドネシア物件に強いエージェントを探す
  5. インドネシアの物件を選ぶ(コンドミニアム編)
  6. インドネシアの物件を選ぶ(ヴィラ編)
  7. 申し込みをする
  8. 購入契約と支払い
  9. ローンを利用する
  10. 購入にかかる税金
  11. 物件の引き渡し

1 インドネシアの最新不動産状況を知る

経済成長が続くインドネシアのインフレ率(=物価上昇率)は毎年3%を超え、2017年も3.8%を記録しました(IMF – World Economic Outlook Databasesより)。ASEAN諸国の中ではミャンマーに次ぐ高さであり、不動産投資先としての魅力はインフレに伴う値上がりにあるといっても良いでしょう。

1-1 外国人に対する土地購入規制に注意

しかし、値上がり益を享受できるのは、基本的に土地付き物件を保有している場合に限られます。

インドネシアや東南アジアを始めとした多くの新興国では、外国人が豊富な資金力のもとで土地を買いあさり、現地住民の住む場所を奪うことがないよう、外国人による土地購入を禁止するか規制しています。

そのため、インフレ率の上昇が安易に「不動産投資の儲け」に直結するとは限らない点に注意が必要です。

1-2 インドネシアで土地付き物件を購入するには?

インドネシアでは購入できるコンドミニアムは、土地の持分がない物件のみとなります。

ただし、外国人でもインドネシア法人を設立することで、土地の共有持分所有権を伴った物件の購入は可能です。戸建てやコンドミニアム、ヴィラ(コテージタイプの宿泊施設)などを土地つきで購入することができます。

なお、外国人がインドネシアで会社を設立するためには、「最低2,500万円程度の自己資金」と「2名以上のインドネシア国籍の名義人」が必要です。

土地つき物件を購入すれば、インドネシアの経済成長とともに大きなキャピタルゲインを狙うことも可能ですが、インドネシアで不動産投資を始めるためには、次のような投資戦略を立てる必要があります

2 投資戦略を立てる

非居住者である外国人がインドネシアの不動産を購入するためには、リースホールド(Leasehold)物件を探さなければなりません。リースホールドとは借地権つきの物件であり、地主に地代を支払うことで保有が認められます。

また、2015年の政権交代の際に、土地使用権は25年から30年になり、引き続きインドネシアに居住する場合に限り、更新が25年から20年となりました。土地を保有できる期間が限定されることに変わりはないですが、使用権延長の際には借地代を支払う必要があるため、投資戦略が重要な要素といえます。

2-1 キャピタルゲインよりインカムゲインが狙いやすい

インドネシアではキャピタルゲインを狙うのは比較的難しいのが現状です。

一方、賃貸需要は多く、今後のインフレ率上昇が期待できることからインカムゲインを見込めます。この場合、中古のコンドミニアムを購入するか、プレビルド物件を購入するかの2つの方法があります。

新築のコンドミニアムの場合には、首都ジャカルタでプレビルドを購入して完成前に売却する方法が考えられます。特にインドネシアはインフレ率が高いため価格上昇が期待できます。

2-2 バリ島のヴィラがおすすめ

あるいは日本人旅行者にも人気のバリ島でヴィラを購入する方法があります。借地権つき物件であるヴィラは、観光客向けの利回りが高く、売買マーケットが大きいのが特徴です。利回りが10〜20%になる物件もあるため、現金で購入して10年も保有すれば投下資金を回収できるケースもあります。

一般的にコンドミニアムの売却相手はほとんどが投資家であり、需要に限りがありますが、バリ島のヴィラの場合には、オーストラリア人や欧州人が居住用に購入するケースが多く見受けられるうえ、需要は年々増加しており、売却時のキャピタルゲインも期待できます。

また、所有権の更新時に支払う借地料を安くできるケースもあります。ジャカルタの土地はインドネシア政府が所有しているため、借地期限延長時に支払う借地料の値下げ交渉は難しいですが、バリ島の場合、土地の保有者は現地に住む個人であるため交渉する余地が残されています。

インドネシアでの不動産投資を検討する際には、その経済構造についても理解しておくと役立ちます。インドネシアは周辺国とは異なり、内需によって経済が支えられています。

1998年のアジア通貨危機以降、GDPは6%前後で安定し推移しており、輸出に頼りきらないことで、他の輸出中心の国と比べて世界経済の影響を受けにくいといった特徴があります。また外貨流入を制限しており、対外的な支払いにはルピア発行で対応しています、

個人消費の拡大に伴い、インフレが継続的に続き、不動産相場も上昇を続けているわけです。安定的な経済成長と内需拡大を背景に、インカムゲイン狙いでも不動産投資で利益を見込むことができます。

3 インドネシア物件に強いエージェントを探す

投資戦略を決めたあとは、物件を効率よく探すためのエージェント(不動産会社)を選びが大切です。

新築のコンドミニアムを購入する場合、現地ツアーを開催しているエージェントを探すのが無難な方法ですが、バリ島のヴィラのように、利回りの高い中古物件を購入する場合は経験豊富なエージェントが不可欠です。

外国人に人気のバリ島ヴィラはプロの投資家が競争相手になる場合もあります。利回りと資金回収スケジュールを綿密に計算して決める必要があるため、経験豊富なエージェントの存在が欠かせません。

「人気の高い物件はいくらで競り落とされるのか」「競り落とすタイミングはいつか」など、買い注文が殺到する高利回り物件を競り落とす上で有益なアドバイスを受けることができます。

エージェントには賃貸管理も任せることになります。海外投資物件の選定では、現地の賃貸需要に精通した不動産会社を選ぶことが大切です。

4 インドネシアの物件を選ぶ(コンドミニアム編)

経済成長が著しい首都ジャカルタのコンドミニアムを見ていきましょう。

ジャカルタは5つのエリアに分かれますが、投資物件を選ぶ際、外国人が多く住んでいるエリアが有力候補に挙がります。転売や賃貸でも日本人を含めた外国人が多いほうが有利になるからです。

例えば、中央ジャカルタか南ジャカルタで探す場合、ビジネス街の「タムリン・スディルマン」は、観光名所でもある「グランドインドネシアモール」が近く人気があります。また、南部に位置する「クマン」は欧米人が多く住むエリアとして有名です。

物件探しは日本の投資会社が行う現地ツアーに参加すると良いでしょう。プレビルド物件の案内も行っているため、いくつか見てまわり気に入ったものを選ぶことができます。

プレビルド投資では、建設前の販売によって得たお金を建設費用に充てるのが一般的です。そして建設途中での売り出し価格を上昇させて、さらに多くの建設費用を集めて完成を目指します。

人気のある物件は完成前に売却することで利益を得ることができますが、人気のない物件の場合、建設途中での売り出しに対して買い手がつかなければ、建設費用を捻出できずに計画がストップします。そのためブレビルドでは物件選びは特に重要といえます。

5 物件を選ぶ(ヴィラ編)

バリ島のヴィラを購入する場合も現地ツアーに参加して探すことができます。

ただし、借地期限の残りが少ない物件ほど高利回りとなっていることに注意が必要です。なかには保有期間10年足らずで購入資金を回収できる物件もありますが、借地期限が切れれば土地を地主に返却しなければなりません。

またヴィラを購入する時には、売主に対して指値金額を提示しますが、ほかにも購入希望者がいれば、売主は条件の良いほうと交渉します。現地ツアーに参加して気に入ったヴィラがあっても、その場で購入を即決できるわけではありません。一旦帰国してから購入金額を検討している間に他人に取られてしまうというケースもあります。

バリ島のヴィラは利回りが高いことから、世界中の投資家が注目しています。その中にはすでに複数の物件を購入し、数年の運用で利益を出したあとに売却する投資家もいます。そのような経験豊富な投資家は、物件を直接見ることなく投資価値が高いかどうかを見極めることができるため、投資初心者が人気の高いヴィラを購入するには、優秀なエージェントが欠かせなくなるわけです。

6 申し込みをする

インドネシアでプレビルドのコンドミニアムを購入する場合、申し込み時に予約金を支払うのが一般的です。この予約金は売主の都合で売買契約がキャンセルされた場合には全額返却されます。しかし買主の都合でキャンセルする場合には返却されないため注意が必要です。

一方、中古のコンドミニアムを購入する場合には、最初にその物件が本当に売主の所有物であるかどうかを確認するのが良いでしょう。不動産権利証書などを調べれば所有者であるか否かをチェックできます。申し込みをする際にはプレビルド物件と同様に予約金を支払うことで売買契約へと進みます。

バリ島のヴィラを購入する場合には、若干注意が必要です。「手付金を支払ってから契約」という流れではなく、「契約締結と同時に全額支払い」を行います。つまり条件のよい物件を購入するには、契約するための現金がその場で必要になります。

そこで最初に購入の意思表明をする「買付申込書」を渡す時に、売主は手付金の額が大きい相手と交渉しようとするため、手付金も一緒に渡すと効果的といわれています。

7 購入契約と支払い

プレビルドのコンドミニアムを購入する場合、販売するデベロッパーと売買契約を結びます。その後、デベロッパーが支払いスケジュールを作成し、買主はそのスケジュールに従って支払いを行います。

中古のコンドミニアムを購入する場合には、売主と買主が支払いと物件引き渡しに関するスケジュールを決めます。そのあとで売買契約を締結し、数日後に公証人立会のもとで不動産売買契約を締結します。

インドネシアでの不動産売買契約は、ノタリスと呼ばれる司法書士に依頼するのが一般的です。ノタリスは弁護士に近い職業で、契約書の作成なども行います。日本では売買契約書は売主と買主の双方で保管しますが、インドネシアではノタリスが保管することになります。

8 ローンを利用する

インドネシアの現地銀行から不動産投資のための融資を受けようとすると、金利が10%を超えるケースもあり、利用している日本人はほとんどいないのが現状です。また、国内の金融機関も一般的に海外不動産への住宅ローンは用意していないため、一部の金融機関から借りるか、フリーローンを利用する方法なども考えられます。

またインドネシアでは外貨での決済を制限しているため、支払いはインドネシア通貨のルピアで行います。リーマンショックの影響で世界経済が深刻なダメージを受けた際、インドネシアは外貨をあまり保有していなかったため、最低限の影響にとどまりました。

プレビルドのコンドミニアム購入では、支払いは分割して行います。その間にもルピアが日本円に対して上昇を続ければ、大きな為替差損が生じます。その点を踏まえて資金計画を立てる必要もあるでしょう。

9 購入にかかる税金

インドネシアの不動産購入で最も大きな負担となるのが「ぜいたく品にかかる売上税」です。売買金額に対して20%を支払う必要があります。

このほか次のような費用が発生します。

  • 土地・建物の取得税…5%
  • 土地証書…1%
  • 弁護士(ノタリス)に支払う費用…0.50〜1.50%
  • 登記費用…0.20%
  • 固定資産税…0.1〜0.3%

10 引き渡し

プレビルド物件の場合は物件の完成後、買主による設備点検を経て引き渡し完了となります。数ヶ月後には登記も完了します。

なお、新築のコンドミニアムは多くの場合、居住に必要な設備が備わっていません。賃貸に出す場合、引き渡しのあとにキッチン・冷蔵庫などを設置する必要があります。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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