不動産投資サービス「INVASE(インベース)」を運営する株式会社MFSは、10月10日、不動産投資市場のマンスリーレポートを公開した。「昨今の新築マンションの高騰など不動産価格が上昇傾向だが、一方で借地借家法という法規制の影響から賃料は上がりにくい、というのが日本の不動産マーケットでの定説。しかし、足元ではマンション賃料が上昇トレンドに入りつつあるようだ」と予測している。
9月のレポートでは、日銀の金融緩和政策修正で長期金利(10年国債利回り)が上昇傾向であるものの不動産マーケットへの悪影響は限定的との見方を示している。「そもそも現在の金利上昇の発端はアフターコロナで世界的に発生したインフレ(物価上昇)で、インフレは不動産で言えば『賃料』と『不動産価格』の上昇に繋がる」と、不動産価格の上昇はインフレに起因していると指摘。
そのうえで、足元のマンション賃料の動向として、9月21日に公表された「マンション賃料インデックス」(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)に注目する。東京23区のマンション賃料はシングルタイプ(18㎡以上30㎡未満)とコンパクトタイプ(30㎡以上60㎡未満)が最高値を更新したことに注目する。

画像出典:【2023年10月】不動産投資市場マンスリーレポート INVASE Flash、以下同
これまではファミリータイプの賃料上昇が顕著だったが、同インデックスの共同開発者である三井住友銀トラスト基礎研究所は「テレワークの普及で他のタイプに比べて需要の回復が遅れていたシングルも、東京23区の単身世帯の流入などを背景にコロナ禍前の賃料水準を上回っている」と分析。これらを根拠に、レポートは、今後、単身者向けなども賃料の上昇傾向が強まっている可能性を示唆する。
賃料とインフレについては、東京都区部のインフレ率は18ヶ月連続で2%を超える状況が続いている。インフトレンドが始まった2022年の値との比較になるものの、それでもなお3%前後と高水準だ。
キャップレート(表面利回り)の項目では、海外金利の上昇やインフレ、日銀の金融政策修正の影響で、日本の長期金利は上昇傾向が続く中、レポートは「本来金利上昇が逆風となるREIT(不動産投資信託)の利回りはわずかな上昇に留まっている。長期金利の上昇ペースに比べてREIT利回りの上昇ペースが鈍い(REITがさほど売り込まれていない)ことから、結果的に不動産市場に対するリスクプレミアムは低下している」と解説している。
同レポートは毎月、金利動向やREIT市場、インフレ動向を踏まえた不動産投資市場分析や、INVASEの注目物件・注目エリア、不動産のプロからのアドバイスを紹介している。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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